若手研究(B)

残存デンプン粒分析を用いた縄文時代の植物利用に関する分析学的研究

研究期間:2011年度~2014年度

研究代表者 渋谷綾子 (本館・研究部)

研究目的

本研究の目的は縄文時代の遺跡から出土した石器や土器の付着物に含まれる残存デンプン粒を分析することによって、縄文時代の植物利用の実態を明らかにすることである。具体的には、植物の加工具とされる石皿や磨石類、植物を煮炊きした痕跡である土器着植物遺体について残存デンプン粒の検出を試み、石器や土器の加工対象となった植物を検討する。

調査の主な対象は、鹿児島県指宿市水迫遺跡(縄文時代早期)と東京都東村山市下宅部遺跡(縄文時代中~晩期)である。これらの資料から年間50点程度、3年間で150点程度の試料を採取して残存デンプン粒分析を行い、基礎的なデータを蓄積する。その上で、縄文時代の植物利用に関する新しいモデルの構築を目指す。