研究成果公開促進費 (学術図書)
人の移動の民俗学的研究
研究期間:2009年度
研究代表者 | 松田 睦彦 (本館・研究部) |
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研究目的
本書の刊行は、私が平成19年に正成大学大学院文学研究科に提出した博士論文「瀬戸内海島嶼部の民俗学的研究-地域の生業としてのタビの役割-」を公にすることによって、研究成果を研究者及び一般読者に還元するとともに、読者の批判を仰ぐことによって、私自身の研究の発展、さらには民俗学の発展に寄与することを目的とする。
本書における長期の現地調査にもとづく生業構造の詳細な分析は、日常生活における労働に伴う人の移動の役割の大きさを正当に評価する。また、そこから導き出される、多様な移動を包括する概念としてのタビは、人の移動を扱うあらゆる分野の研究、さらには故郷を離れて暮らす人びとと故郷との関係を考える「ふるさと論」にも再考を促すものである。