基盤研究 (B) 一般

シノワズリの中の日本 17~19世紀の西洋における日本文化受容と中国

研究期間:2009年度~2012年度

研究代表者 日高 薫 (本館・研究部)
研究分担者 山崎 剛 (金沢美術工芸大学・美術工芸学部)
荒川 正明 (学習院大学・文学部)
澤田 和人 (本館・研究部)

研究目的

本研究は、日本が西欧世界と邂逅し文物・文化の交流が活発化した17世紀から開国前後の19世紀半ばまでの期間に焦点をあて、西洋においては「シノワズリ(中国趣味)」と呼ばれる文化現象の中の一部とみなされてきた日本文化受容のありさまを、分野横断的視点から総合的にとらえることを目的とする。当時の日本イメージ形成に大きく関与した漆器・陶磁器・染織などの交易品の受容とその模倣・影響の問題を中心としつつ、室内装飾や庭園・音楽・演劇・文学・生活様式など西洋文化の広範な領域にみられる日本趣味を検証する。あわせて、当時の西洋人にとって「幻想の東洋」の代表的存在であった中国の交易品との比較や、中国をはじめとする実体としてのアジア諸国と日本・西洋の交易や交流も視野に含め、アジアからの視点でシノワズリを把握する一助としたい。