基盤研究(C)
高松宮家蔵書群の形成とその性格に関する総合的研究
研究期間:2005年度~2007年度
研究代表者 | 吉岡眞之 (本館・研究部) |
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研究分担者 | 井原今朝男 (本館・研究部) 高橋一樹 (本館・研究部) 酒井茂幸 (本館・外来研究員(研究協力者)) |
研究目的
国立歴史民俗博物館所蔵『高松宮家伝来禁裏本』(以下、高松宮本と略称)は旧有栖川宮家・高松宮家に伝来した古典籍群であり、かつては禁裏本(天皇家の蔵書群)の一角を形成していたものである。その内容は(1)公家から借用し、もしくは献上させた書籍群、(2)近世前期の主として後西・霍元両天皇の宮廷において書写された書籍群(禁裏本)、(3)有栖川宮家歴代親王の収集した書籍群、などに大別される。
本研究においては高松宮本の個別研究によって識語・印記の収集、書物の装丁、表紙の紋様、筆跡および料紙の検討などを行い、これら3種類の書籍群を識別するとともに、特に(2)に関しては、近世前期の公家日記の関連記事を収集することによって、その形成の過程を解明する。また他の宮家、公家、武家などの文庫と高松宮家蔵書群の関連を追求し、それらの間に形成されていた情報ネットワーク(書籍の貸借、書写、書籍情報の交換など)についても検討を加える。
以上を通じて、高松宮家蔵書群の形成過程とその性格を解明することを目的とする。