年度別学術成果報告

2011年12月3日

科研成果共同報告会『幻の「シーボルト日本博物館」を追って』

会場: 長崎歴史文化博物館イベントホール

主催: 長崎純心大学比較文化研究所、国立歴史民俗博物館

[趣旨]

文政年間に長崎に来訪した医師で日本研究家でもあったフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトは、日本滞在中日本の自然とそこに生活する人間を多面的に捉えるために様々な調査や夥しい数の日本に関する資料を収集し、ヨーロッパに持ち帰った。

その成果をまとめた三部作『日本植物誌』、『日本動物誌』『日本』はその後のヨーロッパの人々による日本研究に大きな影響を与えたことが知られている。また今日ではすでに忘れ去られてしまったことではあるが、シーボルトは来日中から日本の自然や生活文化、さらには生業を紹介するために世界初の民族学博物館である『日本博物館』設立を計画し、帰国後実際にオランダやドイツで数々の日本展示をおこない一般民衆に日本を紹介しようと試みていた。

しかしながら、シーボルトが日本をどう捉え、どのような構想のもとに日本を紹介しようとしたかは、まだ十分に解明されていない。

そこで、本報告を行う研究者が共同研究「「シーボルトが紹介しようとした日本」の復元的研究」(科研基盤研究B)を組織し、日本学術振興会科学研究費の助成を仰ぎ、4年にわたり基礎的な調査、研究を続けてきた。

今回のシンポジウムでは、各研究者の研究成果を広く一般の方々に紹介する目的で開催する。

(文責:宮坂)

[報告者と発表テーマ]

(第一部)

「共同研究の概要」宮坂正英(長崎純心大学)

「シーボルト・コレクションの魅力」久留島浩(国立歴史民俗博物館)

「シーボルトと地図資料 ―ブランデンシュタイン家所蔵資料をめぐって―」青山宏夫(国立歴史民俗博物館)

「シーボルト・コレクションの漆器について」日高薫(国立歴史民俗博物館)

「蒐集の旅としての江戸参府とそのロジスティクス」松井洋子(東京大学史料編纂所)

「シーボルトの日本展覧会および民族学博物館構想について」小林淳一(東京都江戸東京博物館)

(第2部)

パネル・ディスカッション
司会:宮坂正英
パネラー:久留島浩、青山宏夫、
日高 薫、松井洋子、小林淳一

 

ボン大学 トラウツ・アーカイブ
久留島報告
 
ボーフム大学 シーボルト・コレクション
宮坂報告
 
ボーフム大学 シーボルト・コレクション
パネルディスカッション

 

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