沖縄/日本/アメリカ、女/男の分断を超えた視点の構築-作曲家・金井喜久子を中心に
挑戦的研究(萌芽)
沖縄/日本/アメリカ、女/男の分断を超えた視点の構築-作曲家・金井喜久子を中心に
研究代表者 | 内田 順子(本館・研究部) |
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研究目的
沖縄県宮古島出身の金井喜久子(1906-1986)は、女性作曲家として日本で初めて 本格的な交響曲を作曲した人物である。1930年代から1980年代までの約50年間、沖縄音楽をモティーフとして、西洋音楽の手法により多くのジャンルの作品を作曲したほか、琉球諸島の民謡やわらべ歌の研究など、幅広く活動した。これほどの事績を残した人物でありながら、先行研究は限定的で、正当に評価されていないのが現状である。本研究は、喜久子の活動に関する未整理・未発表の資料群を整理・可視化し、情報を分析することによって、喜久子の事績を実証的に明らかにする。さらに、その資料群に含まれる、美術・文学・批評・映画・社会運動等の第一線で活動した人々に関する情報を整理し、喜久子の人的ネットワークを分析する。以上により、沖縄近現代史や社会運動史、女性史、ジェンダー研究などのマクロな研究への接続を試みる。