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開催概要関連の催し物その他の催し物広報用素材の提供について問い合わせ先

謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素より、本館の運営等につきましては、格別のご配慮を賜り、厚くお礼申し上げます。

このたび、当館くらしの植物苑におきまして、2017年10月31日(火)~ 11月26日(日)の期間、特別企画「伝統の古典菊」を開催します。

菊は、日本を代表する園芸植物のひとつです。菊は日本在来の植物ではありませんが、平安時代の宮廷ですでに菊花の宴が流行していることにより、律令期に他の文物とともに中国からもたらされたと考えられています。

本展では古典菊といわれる「嵯峨菊(さがぎく)」「伊勢菊(いせぎく)」「肥後菊(ひごぎく)」「江戸菊(えどぎく)」「丁子菊(ちょうじぎく)」など、各地方で改良され栽培されてきた中輪種を中心に、165品種もの華麗な菊が楽しめます。また、「菊花壇しつらえのいろいろ」をテーマとして、市松障子(いちまつしょうじ)が使われ始めた時期について浮世絵や栽培書の挿絵などの絵画資料、栽培書や宴遊日記という大名日記などの文献資料を用いて解説したパネルを展示します。

つきましては、この展示開催を貴媒体にてぜひ多くの方々にご紹介くださいますようお願い申し上げます。

謹白

開催概要

くらしの植物苑特別企画「伝統の古典菊」
開催期間2017年10月31日 (火)~11月26日(日)
開催期間 2017年10月31日 ()~11月26日(日)
会場 国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑
料金 個人(高校生以上) 100円 
団体(20名以上) 50円 
※小中学生は入苑無料です。 
※毎週土曜日は高校生は入苑無料です。
※11月3日(金・祝)は「文化の日」で入苑無料
開苑時間 9時30分~16時30分 (入苑は16時00分まで) 
休苑日 毎週月曜日(祝日の場合は翌日休苑)
主催 国立歴史民俗博物館

趣旨

菊は、日本を代表する園芸植物のひとつです。菊は日本在来の植物ではないが、平安時代の宮廷ですでに菊花の宴が流行していることにより、律令期に他の文物とともに中国からもたらされたと考えられています。

平安・鎌倉時代からは日本独自の美意識により、支配者層の間で独特の花が作り出されました。筆先のような花弁をもつ「嵯峨菊(さがぎく)」は京都の大覚寺で門外不出とされ、花弁の垂れ下がった「伊勢菊(いせぎく)」は伊勢の国司や伊勢神宮との関わりで栽培されました。そして、菊は支配者層の中で宴に、美術工芸品に、不老不死のシンボルとして特権的な地位を築いていったのです。

それが、近世中頃以降になると大衆化し、変化に富む園芸種の菊花壇や、菊細工の見世物が流行したと言われています。それらの流行を支えたのが、花弁のまばらな「肥後菊(ひごぎく)」と花弁が咲き始めてから変化していく「江戸菊(えどぎく)」です。これらに花の中心が盛り上がって咲く丁子菊(ちょうじぎく)を加えた伝統的な中輪種は「古典菊」と呼ばれています。

くらしの植物苑では、このような「古典菊」を2000年から収集・展示してきました。今回は、「菊花壇しつらえのいろいろ」をテーマとして、江戸時代の菊栽培に必須の雨除障子(あめよけしょうじ)として使われる市松障子(いちまつしょうじ)がいつ頃から使われ始めたのか、その時期について、浮世絵や栽培書の挿絵などの絵画資料、栽培書や菊栽培に従事した人物の日記などの文献資料を用いて、パネルで解説します。さらに、菊花の展示に使用する柵や籬(まがき)の変遷についても、浮世絵を用いて紹介します。

概要

くらしの植物苑で収集し、栽培・育種した古典菊(嵯峨菊(さがぎく)17品種、伊勢菊(いせぎく)12品種(松阪菊(まつざかぎく)3品種を含む、肥後菊(ひごぎく)32品種、江戸菊(えどぎく)35品種、丁子菊(ちょうじぎく)10品種)と、江戸菊(えどぎく)や肥後菊(ひごぎく)と同じく近世中頃からつくられている奥州菊(おうしゅうぎく)9品種、また、当苑で種から育てた実生の新花約50品種を7号もしくは9号鉢で育成し、苑内の東屋周辺、ハウス、よしず展示場に展示します。また、「菊花壇しつらえのいろいろ」をテーマとしたパネル展示を行います。また、浮世絵を用いて、菊花展示に使用する柵や籬の変遷についても解説します。

●出展品種 計165品種(歴博オリジナル約50品種含む)
●出展鉢数 約300鉢

関連の催し物

展示解説会のご案内

日時 10月31日(火) 13:30から
会場 くらしの植物苑

当展示プロジェクト委員による展示解説を行います。事前予約等は必要ございません。 詳細につきましては下記「このリリースに関するお問い合わせ」までお問合せください。

有償頒布のご案内

日時 9月23日(土・祝)、10月28日(土)、10月31日(火)9:30~13:30
会場 くらしの植物苑
価格 1鉢 820円~
※数量に限りがあります。品切れの節はご容赦ください。
※別途、入苑料が必要となります。

くらしの植物苑観察会

※くらしの植物苑にて開催、事前申込み不要、要入苑料

第224回「菊花壇しつらえのいろいろ」

講師 平野 恵(台東区立中央図書館)
日時 11月25日(土)13:30~15:30

その他のイベント

くらしの植物苑観察会

くらしの植物苑にて開催、入苑料100円、申込不要

第223回 「秋の植物観察」

日時 10月28日(土)13時30分~15時30分
講師 由良 浩(千葉県立中央博物館)

第225回 「サザンカの花色と花形」

日時 12月16日(土)13時30分~15時30分
講師 箱田 直紀(恵泉女学園大学名誉教授)

第226回 「桜草の植え替え体験」

日時 2018年1月27日(土)13時30分~15時30分
講師 山村 聡(本館博物館事業課)

企画展示 「『1968年』-無数の問いの噴出の時代-」

開催日時 10月11日(水)~ 12月10日(日)
9時30分~16時30分(入館16時00分まで)
会場 国立歴史民俗博物館 企画展示室A・B
入苑料 一般:830(560)円、高校生・大学生:450(250)円、小中学生 無料
※( )内は20名以上の団体

総合展示 第4展示室 特集展示 「国立公園 今昔(こんじゃく)」

開催日時 8月1日(火)~ 2018年1月8日(月祝)
~9月 9:30~17:00(最終入館16:30)/10月~ 9:30~16:30(最終入館16:00)
会場 国立歴史民俗博物館 第4展示室副室
入苑料 一般 420円(350円)、高校・大学生250円(200円)、小中学生 無料
※( )内は20名以上の団体

歴博講演会

歴博講堂にて開催、13:00 ~ 15:00、入場無料、申込不要、先着順(定員260 名)

第404回 「全共闘とは何だったのか-歴博所蔵資料から見える世界-」

日程 11月11日(土)
講師 荒川 章二(本館研究部教授)

第405回 「身体から眺める教育の歴史」

日程 12月9日(土)
講師 樋浦 郷子(本館研究部准教授)

広報用素材の提供について

ご希望の写真(データ)を送付いたしますので、各プレスリリースの写真番号をご連絡ください。e-mailでも結構です。問い合わせ先は下記の「このリリースに関するお問い合わせ」をご覧ください。

ご注意

  • 本図版の使用は、「平成29年度くらしの植物苑特別企画『伝統の古典菊』」広報に関するものに限ります。展覧会終了後の使用、ならびに2次使用はできません。
  • 掲載に際しては、最小限でも「催事名」「会場」「会期」「掲載図版のキャプション」を明記していただくようお願いします。
  • 情報確認のため、校正紙(ウェブ上の場合は掲載URL)をお送り下さい。
  • ご掲載いただいた場合は、お手数ですが掲載物をご送付ください。
  • ウェブ上での掲載の場合は、画像サイズを200ピクセル以下・72dpi以下のサイズにしてください。
  • ウェブ上に掲載する場合は、必ずコピーガードを施してください。
  • ウェブ掲載の際は「作品画像の転載、コピーは禁止」の旨を明記してください。

以上の点に留意いただけない場合に発生したトラブルについて、本展主催者として一切の責任を負いかねますのでご注意ください。

肥後菊

1)天女の舞(てんにょのまい)

2)朱鷺の羽(ときのはね
〔歴博オリジナル〕

宝暦年間(1751~1763)、肥後の名藩主といわれた細川重賢が、文化政策の一つとして栽培を奨励したと伝えられています。文政 2(1819)に肥後藩主別当職の秀島七右衛門が「養菊指南車」という著書をあらわしてから、独特の栽培法が確立しました。

江戸菊

3)黄金の光(おうごんのひかり)

4)新秋の紅(しんしゅうのくれない)

文化、文政期(1804~1830)に江戸市中において大流行しました。花の咲き始めは周辺の舌状花の花弁が垂れ下がり。中心部の筒状花が見えます。さらに咲き進むと中心部に近い舌状花の花弁から順次立ち上がり、いろいろに折れ曲がって筒状花を包み込むように抱えます。江戸菊は咲いて10日、開いて10日、狂って10日と言われ、長く楽しめる花です。

嵯峨菊

5)嵯峨の香(さがのかおり)

6)嵯峨の桜(さがのさくら)

京都嵯峨地方で嵯峨天皇のころから栽培されていたとの説もありますが、伊勢菊と同様江戸末期頃に品種が成立したと考えられます。2m近くまで伸ばす仕立て方は嵯峨菊独特で、皇居の殿上の回廊から観賞できるようにしたといわれています。明治時代になるまでは大覚寺のみで栽培され、門外不出でした。糸のように細い多数の舌状花の花弁が、咲き始めは横に向いて開き、花芯を露出し、花弁がほぼ伸びきると真直ぐに立ち上がって刷毛状に咲くのが特徴です。

伊勢菊(松阪菊含む)

7)暁紅(ぎょうこう)

8)紅玉(こうぎょく)

三重県松阪地方で、天保、嘉永(1830~1855)頃から栽培されている中輪もしくは大輪の花です。嵯峨菊を改良して作り出したと考えられています。花弁は細長く、縮れて咲き始め、伸びるにしたがって花弁が垂れ下がるのが特徴で、珍奇な形の花をつける菊として貴重です。

奥州菊

9)華厳の滝(けごんのたき)

10)極楽殿(ごくらくでん)

青森県八戸地方で品種改良された菊で、両手で花をキュッと掴んだように盛り上がり、太い花弁が垂れ下がるのが特徴です。

丁子菊

11)白雲丸(はくうんまる)

12)牛若丸(うしわかまる)

江戸時代最初の流行期、元禄、(1688~1736)頃に「丁子咲」として最初に現れた系統です。花芯部の筒状花が丁子弁になって盛り上がって咲くのが特徴です。

このリリースに関するお問い合わせ

人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 博物館事業課
広報サービス室広報係 松澤・大賀・稲元

〒285-8502千葉県佐倉市城内町117番地 
TEL 043-486-0123(代)  FAX 043-486-4482
E-mail:koho@ml.rekihaku.ac.jp