開催要項

趣旨
水木要太郎氏(元奈良女子高等師範学校教授、1865-1938)とその子孫3人が築きあげたコレクションの展示です。 このばく大な収集品は、古瓦、中世・近世文書、絵画、文人の手紙など多彩な内容をもち、当館を含め数カ所で分割所蔵されています。 今回の展示では、とくに初代要太郎氏の遺した雑記帳「大福帳」約300冊から、彼の大和の「文化人」としての幅広い活動を探ったうえで、その多様なコレク ションの世界を紹介します。
展示構成
水木コレクションのすべて
水木要太郎が研究・教育にあたるかたわら収集し、その後二代にわたり継承されたのが水木コレクションです。このコレクションは、古瓦・古文書のほか、珍しい拓本や建築部材、近世の文人の書画などから、安田靫彦・小倉遊亀・富本憲吉などの芸術家たちの作品まで、思わず目を見張るようなものが含まれています。現在、コレクションは本館など様々なところに分散していますが、今回はおもなものを一堂に集めることができました。これだけのものを一度に見ていただける機会はもう無いかも知れません。水木要太郎の「宝物」、お見逃しのないように。
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小倉遊亀デッサン(天理大学附属天理図書館蔵「立春帳」) |
「水木の大福帳」(天理大学附属天理図書館蔵) |
水木要太郎にあてた安田靫彦の絵葉書 |
安田靫彦「聖徳太子像」 |
水木の大福帳
かつて大和郡山に「大和の水木か、水木の大和か」と言われるほど、大和の歴史・地理に精通した人がいました。奈良を訪れた学者に逢うと、「大福帳」に一筆書かせることでも有名だった水木要太郎です。彼の「大福帳」は商家で用いられた普通のものとはちょっと異なり、展覧会に訪れた著名人から酒宴に同席した人までのサインをはじめ、人物や古瓦・古墳・仏像の写生、古文書の筆写など、その頁をめくるだけで、彼が目にした事物・出会った人々、そして彼が生きた時代そのものが蘇ってきます。この「水木の大福帳」に描かれた世界をのぞいてみませんか。