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開催要項展示の紹介展示構成

開催要項

古代の碑 -石に刻まれたメッセージ-
開催期間1997年9月30日(火) ~ 11月24日(月)
日程 1997年9月30日(火) ~ 11月24日(月)
時間 午前9時30分~午後4時30分(入館は4時まで)
休館日 10月6日・13日・20日・27日/11日4日・10日・17日
主催 国立歴史民俗博物館
入館料

一般420円 / 高校・大学生250円 /
小・中学生110円 /(20名以上団体割引あり)

※毎月第2・第4土曜日は小・中学生及び高校生入館 無料

講演会 10月11日(土)午後1時30分 東野 治之(大阪大学文学部)
11月 8日(土)午後1時30分 平川 南 (本館歴史研究部)
(本館講堂 聴講無料)
お問い合わせ NTTハローダイヤル・千葉 043-227-8600
成田 0476-28-8600 #8886(プッシュ回線)

展示の紹介

日本の古代の碑(6世紀末~9世紀)は、かれこれ23基を数えるが、最古の伊予道後温湯碑(596年)のように、実物が失われたものもある。 碑の造立は、淵源(えんげん)である中国や朝鮮半島より遅れるものの、多様な内容の碑が九州から東北地方まで遺存(いぞん)している。 本館では古代碑を複製して収集することに努めてきたが、今回多胡碑記念館と群馬県立歴史博物館の協力も得て、遺存する古代碑15基と関連資料を一堂に集 めて展示することにした。 石に文を刻んで後世に伝えようとする古代人のメッセージが、読みとれることであろう。

展示構成

  1. 日本列島に石碑が出現するまで
  2. 東アジアの古碑と日本の古碑
  3. 碑とそのメッセージを探る
    • 多賀城碑(宮城県)
    • 上野三碑(群馬県)
    • 宇治橋碑(京都府)
    • 仏足石及び歌碑(奈良県)
    • 阿波国造碑(徳島県)
    • 浄水寺碑群(熊本県) 他
  4. 古碑の研究
    • 高句麗好太王碑拓本(水谷本) 他
  5. 古代の碑の周辺
    • 宇治橋碑復元
    • 宮ノ本一号墓買地券(福岡県) 他

内覧会のようす

東日本の碑

関東・東北地方に6基の碑が遺(のこ)っている。 壷の碑としても著名な多賀城碑(762年)は、恵美朝かり(えみのあさかり)の多賀城修造の記念碑である。 他に那須国造韋提(いて)の功績を示す墓碑、上野(こうずけ)三碑と呼ぶ上野地域に集中した多彩な碑、 仏教信仰の深まりを示す山上(やまがみ)多重塔の碑が知られている。

(1)多賀城碑(宮城県多賀城市)の複製前の点検

(2)山ノ上碑(群馬県高崎市) / (3)那須国造碑(栃木県湯津上村) / (4)多胡碑(群馬県吉井町) / (5)金井沢碑(群馬県高崎市)

西日本の碑

近畿・四国地方に6基現存する。宇治橋碑は、大化2年(646年)の紀年もみられる著名な断碑(だんぴ)で、架橋の記念碑である。 仏足石(ぶっそくせき)やその歌碑、竹野王が造立した多重塔、経文と菩薩像を刻んだ宇智川摩崖碑と各々特色がある。 阿波国造碑は、瓦質の小さな墓碑である。

(6)宇治橋碑(京都府宇治市) / (7)阿波国造碑(復元碑) / (8)阿波国造碑(徳島県石井町) / (9)宇智川摩崖碑(奈良県五條市) / (10)宇治橋碑(復元碑) (11)薬師寺金堂に安置された仏足石(奈良県奈良市)

九州の碑

熊本県の浄水寺は、天長5年(828年)に国の定額寺に指定された寺院。4基の碑が境内に残っている。 延歴9年(790年)の南大門碑、延歴20年の燈籠の竿石、天長3年の寺領碑の他、康平7年(1064年)の如法経碑(にょほうきょうひ)もある。 露盤などの石造物の特色や碑文の記載内容が今回解明された。

浄水寺碑群(熊本県豊野村)
(12)如法経碑 / (13)南大門碑/ (14)燈籠竿石 / (15)塔の石製露盤[(14)の 礎石に転用。各狭間(こうざま)付で刻字はない] /(16)寺領碑
解読中の浄水寺寺領碑
〈碑の復元〉
自然石といわれてきと宇治橋碑の真碑部分の調査から、蓋首式の全面加工した碑が復元される。
碑の東面の上部
〈高句麗好太王碑拓本(水谷本)〉
鴨緑江河畔に立つ好太王碑。王の勲績(くんせき)を記す高さ6m余の墓碑(414年)を良好な拓本で展示する。