6 古墳との境
弥生時代後期には,独自の儀礼や器物によって地域圏の姿が明確になりました。広形銅矛の北部九州,突線鈕式銅鐸の近畿と東海,特殊器台の吉備,四隅突出型墳丘墓の日本海沿岸などです。一方で古墳時代には,こうした地域圏を超えて,儀礼や器物が共有されるようになります。弥生時代と古墳時代を分けるのは日本列島規模の共通性と紐帯ですが,「境目」はその始まりを何に求めるのかによって変わります。近年の議論では,定型化した大型の前方後円墳の登場が必ずしもその答えとはならないようです。(上野)
参考文献
・岸本直文2014「倭における国家形成と古墳時代開始のプロセス」『国立歴史民俗博物館研究報告』第185集
・寺沢 薫2000『王権誕生』講談社

2014 国立歴史民俗博物館