開催概要
朝顔は古くから多くの人々に親しまれてきました。特に江戸時代以降、文化・文政期、嘉永・安政期、明治・大正期など、繰り返し朝顔ブームが訪れ、変化朝顔とよばれる、朝顔に見えないような多様な形の花と葉を持つ朝顔が創り出されてきました。特に、朝顔は一年草であるにも関わらず、種子を結ばない変異も種子によって維持してきたことは世界的に見ても特異なもので、幕末の嘉永・安政期にはきわめて多くの品種が創り出されていたようです。
しかし、大正期以降、現在でも広く栽培されている大輪朝顔の栽培が盛んになる一方、変化朝顔の愛好家は次第に減少し、第二次世界大戦後の変化朝顔はわずか数名の愛好家によって維持される状況になりました。幸いなことに、江戸期に起源を持つ変化朝顔の変異の多くは、愛好家や研究者の努力によって現在まで維持されているのです。そこで、江戸時代以降の独創的な知識と技術を駆使してつくり上げられた伝統の朝顔を広く知っていただき、人と植物との関わりを見るべく、当苑では1999年以降、歴史資料としてこれらの朝顔を展示してきました。
今回は、「外国人がみた変化朝顔」をテーマとし、明治期に外国で紹介された変化朝顔についてと2000年に当館が協力して開催されたオランダでの変化朝顔の展示について、パネルで紹介いたします。
また、くらしの植物苑内のハウス、東(あずま)屋、よしず展示場に、当苑で栽培した鉢植えの朝顔を展示します
開催期間 | 2021年8月3日(火)~ 2021年9月5日(日) |
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会場 | 国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑 |
料金 | 個人 100円 ※高校生以下は入苑無料。 |
開苑時間 | 9時30分~16時30分 (入苑は16時00分まで) ※ただし、8月9日(月・休)~15日(日)は8時30分から開苑いたします。 ※開花の特性上、午前中の早い時間が見ごろです。 |
休苑日 | 毎週月曜日(祝日の場合は翌日休苑) ※8月10日は開苑します |
主催 | 国立歴史民俗博物館 |
黄握爪龍葉瑠璃総風鈴獅子咲牡丹 |
●明治時代以降の大輪朝顔25系統程度
●ヨーロッパ・北米産の近縁の朝顔 10系統程度
計 約100系統、約700鉢を展示
★公的機関としては日本最大規模です!
1)黄斑入蝉葉紅縞丸咲大輪(千羽鶴) | 2)黄蝉葉栗皮茶丸咲大輪(団十郎) | 3)青斑入握爪龍葉淡藤鼠色風鈴獅子咲牡丹 |
4)黄握爪龍葉瑠璃総風鈴獅子咲牡丹 | 5)青水晶斑入立田葉白地紫時雨絞咲分切咲 | 6)青蜻蛉丸笹葉紅覆輪切咲牡丹 |
7)青打込弱渦柳葉白采咲牡丹 | 8)青桔梗渦葉短毛青紫糸覆輪桔梗咲八重 | 9)水盤展示 |
豆知識 ー変化朝顔の名称-
江戸時代に育まれた園芸植物の中で、変化朝顔には特異な名称がつけられています。第一次ブーム(文化・文政期)の番付表にはその走りが見られますが、第二次ブーム(嘉永・安政期)に基本ができあがります。それは葉の色、模様・質・形、茎の形、花の色・模様・花弁・咲き方・花弁の重ねを順番に記述し、必要に応じて付加してゆく命名法で、現在の遺伝学から見ても非常に理にかなったものです。
たとえば「青水晶斑入弱渦柳葉淡藤爪覆輪采咲牡丹(あおすいしょうふいりじゃっかやなぎばあわふじつめふくりんさいざきぼたん)」を見てみましょう。まず始めに、葉についての記述です。青(葉の色)・水晶斑入(模様)・弱渦(質)・柳葉(形)に分解できますが、これは青葉の水晶斑入で、「渦」と「柳」の突然変異が入った葉であることを示しています。次に、花についての記述です。葉の記述と同様に、淡藤(花の色)・爪覆輪(模様)・采咲牡丹(咲き方)に分解できますが、淡藤の地に覆輪が入った花色で、撫子のような花弁で、采咲という細かく切れた咲き方であることを示しています。
左:青水晶斑入弱渦柳葉 右:青水晶斑入弱渦葉(葉) |
淡藤爪覆輪采咲牡丹(花) |
関連の催し
※千葉県下に新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言が発出されたため、解説会および第269回観察会は中止となりました。
解説会のご案内
日時 | |
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会場 | くらしの植物苑 |
くらしの植物苑観察会 第269回観察会「外国人がみた変化朝顔」
講師 | 仁田坂 英二(九州大学) |
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日時 |
朝顔 有償頒布
日程 | 2021年6月22 日(火)~25 日(金) |
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時間 | 9:30~12:00 |
会場 | くらしの植物苑 東屋 |
価格 | 1ポット 310円~520円 |
備考 | ※数量に限りがあります。品切れの節はご容赦ください。 ※別途、入苑料が必要となります。 ※予約・通販等は承っておりませんのでご了承ください。 ※上記の予定は予告なく変更となる場合があります。 |