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開催概要
菊は、日本を代表する園芸植物のひとつです。菊は日本在来の植物ではありませんが、平安時代の宮廷ですでに菊花の宴が流行していたことから、遅くとも律令期には、他の文物とともに中国からもたらされていたと考えられています。 平安・鎌倉時代からは日本独自の美意識により、支配者層の間で独特の花が作り出されました。筆先のような花弁をもつ「嵯峨菊(さがぎく)」は京都の大覚寺で門外不出とされ、花弁の垂れ下がった「伊勢菊(いせぎく)」は伊勢の国司や伊勢神宮との関わりで栽培されました。そして、菊は支配者層の中で宴に、美術工芸品に、不老不死のシンボルとして特権的な地位を築いていったのです。
それが、近世中頃以降になると大衆化し、変化に富む園芸種の菊花壇や、菊細工の見世物が流行したと言われています。それらの流行を支えたのが、花弁のまばらな「肥後菊(ひごぎく)」と、咲き始めてから花弁が変化していく「江戸菊(えどぎく)」です。これらに花の中心が盛り上がって咲く「丁子菊(ちょうじぎく)」を加えた伝統的な中輪種は「古典菊」と呼ばれています。
くらしの植物苑では、このような「古典菊」を2000年から収集・展示してきました。今回は、各地方で独特な特徴を持った古典菊を約120品種と歴博で実生栽培したオリジナルの嵯峨菊、肥後菊など約50品種を展示いたします。今年度は「江戸の和本にみる菊」をテーマとして、重陽の節句と菊花、菊酒における不老長寿のイメージ、『雨月物語』における菊花の契りについてパネルで紹介します。
開催期間 | 2019年10月29日(火) ~ 2019年11月24日(日) |
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会場 | 国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑 |
料金 | 個人 100円 団体(20名以上) 50円 ※小中学生・高校生は入苑無料です。 |
開苑時間 | 9時30分~16時30分 (入苑は16時00分まで) |
休苑日 | 毎週月曜日(休日の場合は翌日休苑) |
主催 | 国立歴史民俗博物館 |
主な展示内容
くらしの植物苑で収集し、栽培・育種した古典菊(嵯峨菊(さがぎく)17品種、伊勢菊(いせぎく)12品種(松阪菊(まつざかぎく)3品種を含む、肥後菊(ひごぎく)32品種、江戸菊(えどぎく)35品種、丁子菊(ちょうじぎく)10品種)と、江戸菊(えどぎく)や肥後菊(ひごぎく)と同じく近世中頃からつくられている奥州菊(おうしゅうぎく)9品種、また、当苑で種から育てた実生の新花約50品種を7号もしくは9号鉢で育成し、苑内の東屋周辺、ハウス、よしず展示場に展示します。
また「江戸の和本にみる菊」をテーマに、重陽の節句と菊花、菊酒における不老長寿のイメージ、『雨月物語』における菊花の契りについてパネルで紹介します。
●出展品種 計170品種(歴博オリジナル約50品種含む)
●出展鉢数 約500鉢
肥後菊
宝暦年間(1751~1763)、肥後の名藩主といわれた細川重賢が、文化政策の一つとして栽培を奨励したと伝えられています。文政 2(1819)に肥後藩主別当職の秀島七右衛門が「養菊指南車」という著書をあらわしてから、独特の栽培法が確立しました。
江戸菊
嵯峨菊
伊勢菊(松阪菊含む)
奥州菊
丁子菊
関連の催し物
展示解説会のご案内
日時 | 10月29日(火) 13:30~ |
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会場 | くらしの植物苑 |
当展示プロジェクト委員による展示解説を行います。事前予約等は必要ございません。 お名刺をご持参の上、受付で腕章をお受け取りになり、ご入苑ください。
詳細につきましては下記「このリリースに関するお問い合わせ」までお問合せください。
くらしの植物苑観察会
※くらしの植物苑にて開催、事前申込み不要、要入苑料
第248回「江戸の和本にみる菊」
講師 | 平野 恵(台東区立中央図書館) |
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日時 | 11月23日(土・祝)13:30~15:30 |
関連図録等
『季節の伝統植物』 800円
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- 財団法人 歴史民俗博物館振興会
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