開催概要
朝顔は古くから多くの人々に親しまれてきました。特に江戸時代以降になると、文化・文政・天保期,嘉永・安政期、明治・大正期など、繰り返し朝顔ブームが訪れ、そのたびに葉と花の多様な変化や組み合わせを楽しむ変化朝顔が創り出されてきました。これは今日に遺伝学でいう突然変異を見つけ出し、系統として確立するという、世界的に見ても特異なもので、特に幕末頃にはきわめて多くの品種が創り出されていたようです。しかし、それらの中には、残念ながら単純な大輪朝顔に圧倒されて、あまり知られることなく絶えてしまったものもあります。ただ、広くは栽培されなかったものの、一部の愛好家の努力によって大切に保存され、現在に伝えられたものも少なくありません。
そこで、江戸時代以降の独創的な知識と技術を駆使して創り上げられた伝統の朝顔を広く知っていただき、人と植物との関わりを見るべく、当館では1999年以降にわたり、歴史資料としてこれらの朝顔を展示してきました。今年度の企画も、これまでと同様の目的をもつものです。また今回は、「朝顔の名前」に着目し、おもに名前の変遷や遺伝子を分割する知識との関わりについてのパネル展示もおこないます。
会場 | 国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑 |
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料金 | 個人(高校生以上) 100円 /団体(20名以上) 50円 ※小中学生は入苑無料です。 |
開苑時間 | 9時30分~16時30分 (入苑は16時00分まで) ※ただし、8月12日(月)~18日(日)は8時30分から開苑いたします。 ※開花の特性上、午前中の早い時間が見ごろです。 |
休苑日 | 8月5日(月)、19日(月)、26日(月) ※8月12日(月)は開苑いたします。 |
主催 | 国立歴史民俗博物館 |
展示構成
くらしの植物苑内のハウス、東屋、よしず展示場に、当苑で栽培・育種した鉢植えの朝顔を展示します。なお、展示内容は以下のとおりです。
- 変化朝顔 正木系44系統,出物系26系統(歴博で2005年に発見された無弁花朝顔を含む)
- 明治時代以降の大輪朝顔 25系統程度
- ヨーロッパ・北米産の近縁の朝顔 10系統程度
※植物苑の朝顔の様子は「くらしの植物苑 今週のみごろ」でもご覧いただけます。
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変化朝顔の名称
江戸時代に育まれた園芸植物の中で、変化朝顔には特異な名称がつけられています。第一次ブーム(文化・文政期)の番付表にはその走りが見られますが、第二次ブーム(嘉永・安政期)に基本ができあがります。それは葉の色、模様・質・形、茎の形、花の色・模様・花弁・咲き方・花弁の重ねを順番に記述し、必要に応じて付加してゆく命名法で、現在の遺伝学から見ても非常に理にかなったものです。
たとえば「青水晶斑入弱渦柳葉淡藤爪覆輪采咲牡丹」を見てみましょう。まず始めに、葉についての記述です。青(葉の色)・水晶斑入(模様)・弱渦(質)・柳葉(形)に分解できますが、これは青葉の水晶斑入で、「渦」と「柳」の突然変異が入った葉であることを示しています。次に、花についての記述です。葉の記述と同様に、淡藤(花の色)・爪覆輪(模様)・采咲牡丹(咲き方)に分解できますが、淡藤の地に覆輪が入った花色で、撫子のような花弁で、采咲という細かく切れた咲き方であることを示しています。
関連の催し
朝顔苗有償頒布のご案内
日時 | 6月22日(土)・7月27日(土)は9:30 ~13:30 7月30日(火)の展示解説会当日は9:30 ~10:30に行います。 |
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場所 | くらしの植物苑 |
価格 | 1ポット300円~(税込) |
備考 | * お一人様あたりの苗の数を制限させていただく場合があります。 * 数量に限りがあります。品切れの節はご容赦ください。 * 別途、入苑料が必要となります。 * 植物苑内のみでの頒布となります。予約・取り置き・通販等は承っておりませんのでご了承ください。 |
くらしの植物苑観察会
※くらしの植物苑にて開催、事前申込み不要、要入苑料
第173回 「朝顔の名前からわかること」
日時 | 8月24日(土) 10時00分~ |
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講師 | 仁田坂 英二 (九州大学大学院) |
第174回 「伝統の朝顔展の裏側」
日時 | 9月28日(土) 13時30分~ |
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講師 | 山村 聡 (くらしの植物苑) |
刊行物のご案内
・ 『朝顔図譜をよむ-あさかほ叢-』2008年 500円 |
- くらしの植物苑関係の図録・絵葉書等の刊行物についてのお問い合わせ
- 財団法人 歴史民俗博物館振興会
電話:043-486-8011(9時30分から17時00分まで) / E-mail:shop@rekishin.or.jp
※内容は変更する場合があります。ご了承ください。