このページの目次
2006年10月26日2006年10月19日2006年10月12日2006年10月5日

2006年10月26日

伝統の古典菊オープン

古典菊展がはじまりました。花はまだ咲き始めたばかりです。入り口のよしず展示場には肥後菊を、東屋の周りには奥州菊・伊勢菊・嵯峨菊を、畑奥の温室には江戸菊・伊勢菊・嵯峨菊を展示しています。また28日の午前中には菊苗の有償頒布もいたします。詳しくは伝統の古典菊ページを御覧下さい。
古典菊「伝統の古典菊」詳細はこちら

奥州菊
青森県で品種改良された、厚咲き、大掴み咲き、走り咲きなどの特徴のある奥州菊が咲き始めてきました。
ヤツデ(ウコギ科ヤツデ属)
株立ちになる常緑低木で、日陰でも生育するので裏庭によく植栽されています。葉の形を手にみたて、葉にたくさん切れ込みがあることから八手の名があります。花は球状の散形花序があつまり円錐花序をつくります。写真は咲き始めの円錐花序です。
ゼラニウム(フウロソウ科テンジクアオイ属)
耐寒性のない多年草で、葉は浅い欠刻のある円状心形や腎形ですが、葉に輪紋や覆輪などを表わすことがあり、特にそれらを変わり葉といいます。冬期は葉色が鮮やかで美しい時です。
キチジョウソウ(ユリ科キチジョウソウ属)
常緑の多年草で、根茎はよく分岐し、花は葉に隠れるように咲きます。和名を吉祥草といいます。その咲き方のため花に気がつかず、「めったに花をつけることがなく花をつけたときには吉事がある」といわれました。たくさんの花が咲いているので、目線を低くして御覧下さい。
サザンカ(ツバキ科ツバキ属)
古典菊の展示後半から冬の華サザンカ展が始まります。常緑樹で花の少ない冬の時期に開花します。その為にたくさんの園芸品種がつくられています。写真は自生種で本州西部・四国・九州に自生しています。枝・葉・子房に毛があること、おしべが筒状にならないこと、花弁とめしべがばらばらに散ることからツバキと区別できます。

2006年10月19日

ノコンギク(キク科シオン属)

山野に多くみられる多年草で、地下茎が横にはい、よく増えます。葉はざらつきがあり、頭花の舌状花は一列で淡青紫色です。痩果には長さ4~6㎜の冠毛があります。ヨメナとよく似ていますが、ヨメナの葉にはざらつきが無く、また痩果にほとんど冠毛がありません。

コンギク(キク科シオン属)
ノコンギクの中から、色の濃いものを選抜したもので、古くから栽培されています。舌状花は一列で青紫から紅紫色です。ノコンギクより花数が多く、葉のきょ歯の深いものが多いです。

ユウゼンギク(キク科シオン属)
北アメリカ原産の多年草です。苑にあるものは背丈が低いわい性ですが、高性種もあります。園芸品種の総称なので、ユウゼンギクと呼ばれものはたくさんあります。日あたりのよいところなら場所を選ばず、またキクと同じようにさし芽で増やすことができます。
食用ギク(キク科キク属)
食用のキクで、東北地方では花を蒸して乾燥・板状にして菊のりにして保存します。酢のものや汁にいれて食べます。苑内には、阿房宮とモッテノホカの2品種が栽培されています。写真は阿房宮です。

ツワブキ(キク科ツワブキ属)
東アジアの特産属で福島-石川県以南の海岸に生育します。花は頭花で中央部の両性の筒状花と、周辺部の雌性の舌状花とからなります。古くから園芸品種がつくられ、葉が斑入りのもの、縮れのもの、花全体が舌状花のものなどがあります。若い葉を食用に、あぶった葉を膿だしに用いました。

カツラ(カツラ科カツラ属)
カツラ属は、日本に準固有の比較的原始的な広葉樹で、雌雄異株です。温帯の渓谷を構成する種で、木はまっすぐに伸び、秋の紅葉も美しいです。葉には香りがあり、特に紅葉している今はケーキを焼いているような甘い香りがします。苑内と歴博の食堂横にあります。

2006年10月12日

カンアオイ(ウマノスズクサ科カンアオイ属)
常緑の多年草で、短い茎の先端に葉をつけ、株が密集して生育します。枯葉などをどかしてみると地表ぎりぎりに咲いている花が見られます。花には3枚の花被があります。種子はアリによって運ばれます(アリ散布型)。江戸時代には細辛(サイシン)の名で、葉の形、斑紋、葉柄の色、花などいろいろな品種を楽しみました。
ヨメナ(キク科ヨメナ属)
道端にも生える丈夫な多年草で、地下茎で増えていきます。若菜を摘んで食べます。
シロダモ(クスノキ科シロダモ属)
山野に生える常緑高木です。雌雄異株で果実は翌年熟すので、昨年咲いたものがいま果実となっています。花と果実を同時に見ることができます。種子をろうそく用のつづ鑞や灯用にもちいました。
ゴマ(ゴマ科ゴマ属)
ゴマの果実は短円筒形でその中が4室に分かれています。熟すると裂開し種子(ゴマ)が飛び出しますので、裂開しないうちに収穫し、裂開させ種子を乾燥させているところです。
ホトトギス(ユリ科ホトトギス属)
花の斑点を鳥のホトトギスの胸の斑点に見立てたものといわれます。山地の湿ったところに生える多年草で、茎は分枝しません。花柱は深く3裂し、先端でまた2裂します。おしべは子房を囲んで立ち上がり、上部で外側にひらきます。先端はT字形をし、葯を付けます。ユニークな花の形をしています。

2006年10月5日

コブナグサ(イネ科コブナグサ属)
田の縁や湿原に多い一年草です。よく枝分かれし、節で曲がりながら立ち上がります。葉の形がフナの形に似ているということで、小鮒草といわれます。伊豆の八丈島ではカリヤス(刈安)といい、黄八丈を染めるのに煎汁をツバキの灰で発色させて用います。
ススキ(イネ科ススキ属)
尾花といわれ秋の七草の1つです。日当たりのよい山野に生える多年草です。屋根を葺いたり、お正月やお月見に使われたりなど、ススキはさまざまな形で生活の中に溶け込んでいます。
カリヤス(イネ科ススキ属)
本州中部の山中の日当たり良いところに生え、全草を乾燥・煮出しして黄色の染料に使うことができます。古名はカイナで、オウミカリヤス(近江刈安)ともいいます。媒染や染め方法によって黄色以外にさまざまな色を出すことができます。
ニホンハッカ(シソ科ハッカ属)
日本・朝鮮半島の湿地に生える多年生です。葉をもむと特有の臭いがあります。日本特産の作物で、メントールの含有が多いです。1880年代に北海道で栽培が始まりましたが、今はあまり栽培はされていません。

コガマ(ガマ科ガマ属)
浅い湿地から直立する多年草で、ガマに似ますが大きさも小さく、果穂も短いです。ガマの仲間は蒲黄(ほおう)とも呼ばれます。