くらしの植物苑観察会

毎月第4土曜日(13:30 ~ )

5月26日(土)第38回くらしの植物苑観察会
『朝顔を育てる』
渡邊 重吉郎(国立歴史民俗博物館)

朝顔を育てる

  • 執筆者:渡邊 重吉郎
  • 公開日:2001年5月14日

朝顔を育てる

朝顔は日本で改良された代表的な草花で、その変異の多さは他に類を見ないほど園芸化の進んだ植物です。原産地は東アジアで、日本への渡来は古く、今から 約1、400年前の奈良時代で, 中国から薬用として伝わったとされています。

渡来後数百年の間はこれといった異変はなく、鑑賞用としての栽培はほとんどなされませんでした。徳川四代将軍家綱のころに白色花があらわれ、それころか ら急速に色変わりが出はじめ、その後150年の間に現在見られるような色や形の変異がほとんど出そろいました。巨大輪咲き、変化咲き、木立性など園芸的に 価値の高い変異も、すでにそのころあらわれたものです。

育て方

種まきは5月の中旬から下旬が適期です。中・小輪の系統はそのまままいても発芽しますが、巨大輪の系統は種皮が硬 く、簡単に発芽が促進されないため、種皮の一部に1mmくらいのキズをつけます(これを芽きりといいます)。大きくなってからの移植を嫌うため、垣根づく りの場合は20~30cm間隔に2~3粒ずつ直まきするようにします。

鉢作りの場合は、双葉が展開したところで3号鉢に移し植え、根がまわったところで6~7号鉢に定植します。朝顔は暑さと強い日光を好む 草花なので、なるべく日の良く当たる場所で作ります。鉢の用土の配合例として、当苑の比率を参考にしてください。小鉢も本鉢の用土も同じです。
腐葉土4、パミス(軽石)3、赤玉土(小)2、くんたん1
肥料として、リットル当たり苦土石灰3g、マグアンプk5gを加えて混合します。

『伝統の朝顔Ⅱ-芽生えから開花まで』(博物館の売店で販売)に種まきから種取りまでを詳しく解説していますので、参考にしてください。