下京の室町通りで門付けをしているこの二人は、尺八と思われる縦笛を吹いており、腰に巻いた薦(こも)を下げていることから、薦僧と思われる。鎌倉時代の暮露(ぼろ)の系譜を引くとされ、近世には虚無僧となるが、この時期はまだ深い編み笠は被っていない。『三十二番職人歌合絵巻』にも尺八を吹く薦僧が描かれている。