データベース概要

春記データベース

Shunki, or Diary of Hujiwara-no-Sukehusa(11C) Database

公開年月:2016年3月


 藤原資房(1107~57)の日記。資房は藤原実資の養子藤原資平の長男で、蔵人頭や参議・春宮権大夫等を歴任した。日記名は資房が春宮権大夫であったことにちなむもので、他に資房の家号「小野宮」と諱から各一字をとって「野房記」、また資房の文字の一部分をとって「次戸記」などとも呼ばれた。日記は逸文も含めて万寿3年(1026)より天喜2年(1054)までが断続的に伝存する。
 本データベースの作成にあたっては、可能な限り善本を底本に選定して本文を作成した。原則として底本の文字をそのまま翻字して句読点を加え、虫損や誤写等は校訂注を付して当初の字と考えられる字を推測した。別にそれらの誤字・脱字等を正したり、踊り字を本来の字に置き換える等の処理を行った検索本文を作成して、検索対象とした。本文において人名や国名等で当て字が用いられている場合、検索本文において正表記(あるいは別表記)を( )を用いて示した。
例:本文「浄円」→検索本文「浄円(静円)」
  「昌蒲」→    「昌蒲(菖蒲)」

 第1次公開の宮内庁書陵部所蔵東寺旧蔵本(512-21)、同部所蔵九条家旧蔵本(九405)、国立歴史民俗博物館所蔵田中穣氏旧蔵典籍古文書中の一本(H-743-456)、大谷大学博物館所蔵本(外乙-3)、前田育徳会尊経閣文庫所蔵本(花月百首撰歌紙背 56古)、第2次公開の杏雨書屋所蔵本(G-1)、京都国立博物館所蔵本(B甲418)、高山寺所蔵本(新編諸宗教蔵総録紙背)、東京大学史料編纂所狩野養信令写本(4073-1)、前田育徳会尊経閣文庫所蔵『宇槐記抄』所収逸文、宮内庁書陵部所蔵『殿上淵酔部類記』『東宮御元服部類記』所収逸文、『改元部類記』所収逸文、『園太暦』所収逸文に加え、第3次公開として永承5年3月6日~15日条および『増補史料大成』未収逸文を追加公開する。所収年次は以下の通りである。
 万寿3年(1026)6月24日、12月13日・15日
 長元元年(1028)10月5日ヵ
 長元2年(1029)正月日、10月5日ヵ
 長元4年(1031)正月2日
 長元7年(1034)12月11日
 長元8年(1035)7月21日
 長元10年(1037)10月22日
 長暦2年(1038)正月21日等、3月9日、8~12月
 長暦3年(1039)正月1~10日・21日、3月日ヵ、7月24~30日、8月29日、9月3日、10~閏12月
 長暦4年(長久元、1040)正月、3月14日、4~6月、8月~12月
 長久2年(1041)正月2日・21日等、2~3月
 長久3年(1042)10月27日
 長久5年(寛徳元、1044)4月1日、9月9日、10月1日、11月24日、12月10日・13日
 寛徳2年(1045)正月7日・16日等、4月8日ヵ・24~25日
 寛徳3年(永承元、1046)4月14日ヵ・15日、11月22日、12月19~20日
 永承3年(1048)正~6月
 永承5年(1050)3月、9月18日、10月13日
 永承6年(1051)2月28日、7月11日・19日
 永承7年(1052)4~9月
 天喜2年(1054)5~6月4日、8月22日
 天喜3年(1055)12月28日  (以上、詳細は小倉慈司・小川宏和「『春記』逸文拾遺(稿)」(『国立歴史民俗博物館研究報告』209、2018年)参照
 ただし永承5年3月6日~15日条については古写本を持つ妙法院が2017年現在、資料整理中であるため、翻刻文掲載は見送り、検索本文のみを掲げることとした。
 逸文については必ずしも『春記』と断定できない記事を採録した場合がある。
 データベースへの利用を御許可いただいた各写本所蔵機関には感謝申し上げる