データベース概要

遺跡発掘調査報告書放射性炭素年代測定

Database of radiocarbon dates published in Japanese archaeological research reports

公開年月:2018年1月


プロジェクト名

科学研究費補助金基盤研究C「旧石器・縄文時代の人類活動と古環境との時間的対応関係に関する研究」(代表:工藤雄一郎:2017~2020年度)
国立歴史民俗博物館データベース開発経費 (工藤雄一郎・坂本稔・箱﨑真隆:2017年度)

データベース概要

 現在,年間7000件以上の遺跡発掘調査が日本全国で行われています。考古学において遺跡・検出遺構・出土遺物の時代や時期を決定することは最も基礎となる作業であり,層位学的な検討と出土遺物を考古学的な相対編年に位置づける作業が行われます。その一方で,理化学的な年代測定による数値年代の把握も極めて重要で,加速器質量分析法(AMS法)による放射性炭素年代測定が普及した現在では,各都道府県や市町村の遺跡発掘調査においても多数の放射性炭素年代測定が実施されています。これらの放射性炭素年代測定事例は考古学にとっても,人類学や歴史学,第四紀学などの関連科学にとっても貴重なデータですが,一人の研究者がその全てを把握するのは到底不可能な数の遺跡発掘調査報告書が毎年刊行されているのが現実です。
 そこで,国立歴史民俗博物館の図書室にある約6万冊の遺跡発掘調査報告書の悉皆調査を行い,放射性炭素年代測定の分析例がある報告書を抽出し,データベース化する作業を進めています。このデータベースによって,考古学における年代研究がより一層進むことを期待します。

注意事項

  1. 本データベースは上記プロジェクトの成果の一部である。
  2. 本データベースはあくまで一次資料(発掘調査報告書)に辿り着くためのものである。試料の帰属時期や分析試料の採取位置と考古資料との関係は報告書の記載に基づいており,報告書の考古編年と得られた放射性炭素年代値が矛盾するものも多数含まれている。データベースから得た情報は必ず発掘調査報告書本体にあたって確認する必要がある。
  3. 本データベースを利用して論文・報告書等を執筆する場合は,本データベースのURL(https://www.rekihaku.ac.jp/up-cgi/login.pl?p=param/esrd/db_param)とともに,以下の文献を引用すること。
    工藤雄一郎2017「遺跡発掘調査報告書放射性炭素年代測定データベース作成の取り組み」『日本第四紀学会講演要旨集』47: pp. 22.
  4. データベースの作成は工藤雄一郎と坂本稔,箱﨑真隆の指示の下,齋藤佳子が中心となって進め,横田あゆみ,矢嶋めぐみが従事した。

項目の内容

項目名 内容
【都道府県】 都道府県名。漢字で入力されています。
【遺跡名】 報告書に記載されている遺跡の名称。
【所在地】 遺跡所在地。
【サンプル採取地点等】 分析試料の採取位置などについての記載があるものが入力されています。
【試料の種類】 報告書記載の分析試料の種類。試料コードについてはヘルプを参照してください。
【時代】 報告書記載の時代。時代コードについてはヘルプを参照してください。
【時期】 土器型式などが報告書に記載されている場合に入力されています。
【試料番号】 測定機関番号。
【測定方法】 β線法かAMS法が入力されています。
14C年代(Conventional 14C age)】 報告書に記載された14C年代です。AMS法による場合はδ13Cで補正された14C年代です。
【暦年較正用14C年代】 報告書に誤差を丸めていない14C年代が記載されている場合に入力されています。
【δ13C(‰)(AMSによる)】 加速器質量分析計(AMS)によって14Cと同時測定された13Cによる同位体分別効果補正用の炭素同位体比の値です。
【δ13C(‰)(IR-MSによる)】 安定同位体質量分析計(IR-MS)によって測定された炭素同位体比の値です。
【分析者(著者)】 放射性炭素年代測定の報告原稿の執筆者。
【測定機関】 放射性炭素年代測定を実施した機関。
【刊行年】 報告書の刊行年。
【報告タイトル】 放射性炭素年代測定をの報告原稿のタイトル。
【掲載ページ】 放射性炭素年代測定の報告原稿の掲載ページ。
【備考】 特記事項がある場合に入力されています。
【報告書名】 発掘調査報告書の名称。
【発行者】 発行者。