基盤研究 (C) 一般

古代日本の食材加工にみる律令国家税制の実態的研究

研究期間:2017年度~2019年度

研究代表者 清武 雄二(本館・研究部)

研究目的

古代日本の律令国家税制は各地からの現物・原材料の直接貢納を原則としており、食材についても例外ではない。諸史料によって多様な食材名称が知られる一方、その加工法・運搬・保管・調理・消費等についてはほとんど記述がなく、実態は不明である。

本研究では、古代の貢納食材のうち、神饌や天皇の供御物、宮廷での饗宴等で食されたアワビ等の海産物をとりあげ、文献史料や木簡記載の食材名称に併記される数量詞や助数詞を集成・分析して食材の形状や管理の単位を考証していく。また、乾燥や発酵等の加工による再現実験によって加工法や運搬・保管の在り方を検証し、さらには成分分析によって食品としての特性を数値的に把握することに努める。これにより、律令国家税制の運営実態や背景となった古代の食文化等の解明に資する新たな基礎的データを提供し、研究の深化・発展に寄与することを目的とする。