基盤研究 (B) 一般

朝鮮海出漁の歴史とその文化的影響の研究―イワシをめぐる韓国の民俗変化

研究期間:2017年度~2020年度

研究代表者 松田 睦彦(本館・研究部)
研究分担者

島立 理子(千葉県立中央博物館)
昆 政明(神奈川大学)
川島 秀一(東北大学)
磯本 宏紀(徳島県立博物館)

研究目的

本研究では、明治中期から第二次大戦終結まで日本人漁民によって行われた朝鮮海出漁を、日本の文化の朝鮮半島への移入の歴史ととらえ、その経緯と現代の韓国の生活文化に残る影響を明らかにする。具体的には、魚油や肥料、煮千の原料として、経済・軍事・生活などの面で重要な位置を占め、朝鮮半島の生活文化に変革をもたらしたイワシをめぐる出漁を取り上げ、I.イワシを負った朝鮮海出漁の背景と実態、II.朝鮮海出漁が朝鮮半島の人々の生活に与えた影響について、文献資料や現地で採集された記録・語りから明らかにする。本研究は、イワシをめぐる韓国の現在の生活文化の観察を起点にすることで、「植民地収奪論」や「植民地近代化論」に回収されない、III.日本と東アジア諸国との新たな生活文化研究の枠組みを提示する。