基盤研究 (B) 一般

日本古代における官衙機構の成立と展開

研究期間:2012年度~2015年度

研究代表者 林部均 (本館・研究部)
研究分担者 仁藤敦史 (本館・研究部)
高橋一樹 (武蔵大学・人文学部)
高田貫太 (本館・研究部)

研究目的

七世紀後半に成立した律令国家は列島社会を支配するため、中央と地方に国家統治機構を整備した。中央には藤原宮や平城宮・長岡宮・平安宮などの王宮、地方には国府、郡家などの地方官衙をおいて列島社会を支配した。いっぽう、王宮や地方官衙は、儀式や政務をおこなう中枢だけで機能していたわけではない。その周囲には、その機能を支えた様々な実務的な官衙が配置されていた。また、それらの周辺では、手工業生産にかかわる遺跡の存在なども明らかとなっている。

本研究では、これまでの王宮や地方官衙の中枢を中心とした研究ではなく、とくに、その中枢の周囲に配置された実務的な官衙に焦点をあて、具体的に発掘調査の成果を集積し、分析することにより、それが、いかに成立し、展開していくのかを検討する。また、王宮や地方官衙から出土する木簡や墨書土器といった出土文字史料の分析、文献史料の再検討をおこない、実務的な官衙が、実際にどのように機能していたのかを分析する。そして、考古学からの遺跡の検討と文献史学からの検討を総合することにより、律令国家の実際的な機能の形成、展開過程を明らかにする。すなわち「立て前の律令制の導入」ではない、「本質としての律令制の導入」の実態を具体的、かつ総合的に明らかにすることを目的とする。