基盤研究 (B) 一般

「中世」を作った技術-生産からみる時代

研究期間:2011年度~2013年度

研究代表者 村木二郎 (本館・研究部)
研究分担者 小野正敏(人間文化研究機構)
坂井秀弥(奈良大学)
金沢陽(出光美術館)
福島金治(愛知学院大学)
齋藤努(本館・研究部)
日高薫(本館・研究部)
仁藤敦史(本館・研究部)
松田睦彦(本館・研究部)

研究目的

列島各地の中世遺跡の発掘では、地域、階層の上下を問わず、日常什器として磁器・陶器の碗皿、陶器の甕・壺・擂鉢が出土する。保存条件がよければ漆器がこれに伴う。この12世紀に普遍化する、前代とは大きく異なる「中世的」生活様相の実現(技術・生産流通消費の様相)には、最も基礎的な日常分野であるがゆえに、そこに中世の特質をみることができる。一方、例えば織田信長の安土城築城は、自らの権力・権威を誇示・正当化するモニュメントと位置付けられるが、それを実現した各技術は長く寺院が保持してきた異種技術(集団)を統合したものであった。時代を動かした権力にとって、技術は、経済的権益のみならず、権力自体を表象するものでもあり、そのあり方は時代そのものの変化であったといえる。

こうした視点にもとづき、本研究では、考古的な個別モノ生産の技術変遷に終わらず、中世の特性を技術の全体像を通じて明らかにすることを目指す。そのため、考古学を主体に中世史、都市史、城郭史、陶磁史など多様な視点から統合する方法論をたてる。「職人尽絵」などの絵画資料や、現在に継承される伝統技術なども積極的に比較検討する。また、技術に関する考古資料(遺構、遺物)、絵画資料、文献史料のデータ収集をはかり、情報の共有化と総合化を進める。