基盤研究 (A) 一般

日本産樹木年輪による炭素14年代の高精度較正曲線の作成

研究期間:2009年度~2012年度

研究代表者 坂本 稔 (本館・研究部)
研究分担者 光谷 拓実(総合地球環境学研究所・研究部)

研究目的

高い精度が求められる日本歴史学・考古学の年代研究において必要不可欠な炭素14年代の較正曲線を、日本産樹木に基づいて整備することを目的とする。

炭素14年代法は加速器質量分析法(AMS)の向上により、誤差0.3%といった極めて高い精度での測定が可能になっている。しかしながら、暦年代を得るためには年輪年代法で年代の判明した樹木年輪の炭素14年代と比較する「較正」が必要になる。これまでは欧米産樹木年輪に基づく較正曲線「INTCAL」に基づいて行われてきたが、弥生から古墳にかけての年代を得るには精度が十分でないことが明らかになってきた。

主に紀元前から古墳期にかけての時期に注力し、日本列島各地に生育した樹木年輪の炭素14年がどのように変動し、欧米産の樹木年輪に対してどれほど一致、また違いがあるかを定量的に明らかにする。日本産樹木年輪の測定を充実させ、日本歴史学・考古学における暦年代導出のための日本版較正曲線として提案する。