研究活動一覧
科学研究費補助金による研究![]()
平成16~20年度 文部科学省・科学研究費補助金 学術創成研究費:
弥生農耕の起源と東アジア-炭素年代測定による高精度編年体系の構築-
平成18年度の活動について
西本豊弘
18年度は、年代測定約950点と日本版較正曲線作成のための木材年輪資料約200点を年代測定した。その結果、弥生時代の始まりが紀元前10世紀後半というこれまでの結果がほぼ確実となった。また、雑穀の中でキビが滋賀県琵琶湖畔の弥生前期の遺跡で栽培されていたことを年代測定により確認した。さらに、今年度から動物骨のコラーゲンを抽出し、その測定結果を得て海洋リザーバー効果の検討を行った。 これらの研究成果を地元の研究者と協議するための研究会を滋賀県と大分県で実施した。 中国の資料の測定については、中国社会科学院考古研究所から3名の研究者を1ヶ月間招聘し、中国青海省の遺跡出土木材で中国の研究者が年輪年代を測定した資料を、我々の研究グループで炭素14年代測定を実施した。まだ、ごく一部分の測定ではあるが、中国の年輪年代による実年代推定と炭素14年代測定による実年代推定値がほぼ一致した。また、中国の古代遺跡出土の穀類についても炭素14年代測定を行い、ごく微量の資料でも考古学から推測される年代とほぼ同じ年代を得ることが出来た。 日本版較正曲線の問題については、紀元前650年頃に世界基準にはないデータのブレが見られたが、この時期については1年刻みで宇宙線量を測定している研究分担者の山形大学の櫻井教授のデータでも認められており、世界基準とは若干ずれがある可能性が明らかとなった。この時期は弥生前期に相当し、これまでの測定値でも考古学上の土器形式と一致しない較正年代が得られていた時期であった。 海洋リザーバー効果の問題については、土器付着炭化物と同時期の植物種子・貝殻・魚骨・陸獣骨の年代測定を実施すると同時に、土器付着炭化物のδ13値や窒素・炭素の重量比などを測定して検討した。
































