若手研究(B)

中国雲南省における少数民族の土地利用と市場経済への適応に関する研究

研究期間:2005年度~2007年度

研究代表者 上野祥史 (本館・研究部)
研究分担者 阿子島功 (山形大学人文学部)
大川裕子 (日本学術振興会特別研究員)
杉本憲司 (仏教大学文学部)

研究目的

現在の中国山西省から内蒙古自治区にかけての地域は、漢代において匈奴などの北方異民族と漢民族の境界領域であった。この地域は抗争の場であったとともに、両世界をつなぐ物資・情報の伝達ルートでもあった。これまで、漢的世界と非漢的世界の接点として、両世界の変容過程を解明する上で注目されてきたが、境界領域に注目した検討は必ずしも十分とはいえないと考えられる。すなわち、この境界領域に存在した地域および地域集団が、中原を中心とする漢の中核的世界とどのような関係にあり、隣接する非漢的世界とどのような関係をもっていたのか、二つの視点から検討する必要があると考えられる。本研究では、地理学的分析、考古学的分析、文献史学的分析を複合させ、歴史地理環境の復原と境界領域社会の諸様相の検討を通じて、非漢的世界―境界領域―漢的中核世界の関係性を再評価しようするものである。そして、境界領域の動態研究から、漢代という時代・社会構造の特質に迫るとともに、漢代という個別事象論を超えて、境界領域がもつ社会的あるいは史的意義の追究へ論を進めたいと考える。