基盤研究(B)

近世初期工芸にみる国際性-大航海時代の寄港地間における美術交流に関する研究

研究期間:2005年度~2008年度

研究代表者 日高薫 (本館・研究部)
研究分担者 荒川正明 (出光美術館) 岩崎均史 (たばこと塩の博物館)
岡泰正 (神戸市立博物館)
丸山伸彦 (武蔵大学人文学部)
山崎剛 (金沢美術工芸大学美術工芸学部)
坂本満 (本館・名誉教授)
澤田和人 (本館・研究部)

研究目的

本研究は、16世紀後半から17世紀初めにかけて日本を訪れた西洋人との交流によって生み出された工芸品(いわゆる「南蛮工芸」)および同時代の日本において制作された国内向け工芸品を対象とし、これらをヨーロッパ地域のみならず、貿易船の停泊地周辺域(アフリカ・インド・東南アジア・中国南部・琉球・ヌエバエスパーニャなど)で制作された諸美術工芸との関係性の中でとらえようとするものである。さまざまな素材・技法による輸出工芸品や南蛮趣味の国内向け工芸品、もしくは外来影響が想定される新傾向を示す工芸品にみられる技法・モティーフ・表現様式上の交流を明らかにすることに重点をおき、そのほか舶載品の受容の様態や、装飾文様にみられる異文化表象(異人・異国像)についても検討を加える。多岐にわたる問題点のうち、研究期間中(4年間)に達成したい当面の中心課題を以下の通り設定した。

(1) 南蛮漆器に関連する国籍不明の漆器群(マカオ製・琉球製などの説があるもの)の調査と位置づけ
(2) 南蛮輸出漆器の新出作品および珍しい作品の調査と紹介
(3) 南米経由でスペインに至る交易ルートによる交流の解明とその影響
(4) 初期洋風画と諸外国(中国・インド・南米など)の洋風画との比較
(5) キリスト教関係の工芸品・キリスト教モティーフに関する諸問題と諸外国との比較
(6) 近世初期の国内向け工芸品への外来影響の諸相と影響度

これらの研究により、日本近世初期工芸のインターナショナルな性格を浮き彫りにする。