基幹研究

震災と博物館活動・歴史叙述に関する総合的研究

(総括研究代表者 本館・研究部 久留島 浩)

個別課題・研究期間

A 戦時/災害と生活世界の関わりに関する総合的研究(平成24年度~平成27年度)
B 東日本大震災被災地域における生活文化研究の復興と博物館型研究統合(平成24年度~平成27年度)
C 災害の記録と記憶をめぐる資料論的研究(平成24年度~平成27年度)

研究目的

2011年3月11日に発生した東日本大震災は、本館の研究活動ならびに博物館活動に大きな課題を突きつけるものとなった。

民俗学においては、震災という一種の生活の断絶と破壊のなかで、有形無形の文化財をいかにして継承・保全するのかという課題が立ち現れている。その際、実際の文化財の保存をどうするのかという具体的な問いから、復興においてともすると忘れられがちな生活の連続性の意義に至るまで、幅広い論点がある。

他方、歴史学的な領域においても、少なくとも次の二つの論点が浮上している。

まず第一に、この震災の経験が、歴史に対する理解、とりわけ震災や戦争といった異常事態に対する内在的な理解にどのような変容を迫るのか、そしてそれに呼応する形での歴史叙述がいかにあるべきか、という問いが生じている。これは、震災のみならず、幅広く歴史の語り方を問うものでもある。

第二に、震災そのものをめぐり、断片化している知をどのように再編成し、総合化を図り、歴史叙述や博物館展示にフィードバックしていくのかという課題がある。

これらそれぞれの論点をめぐり、本研究では3つのブランチを設定し、文化財や地域生活をめぐっては「東日本大震災被災地域における生活文化研究の復興と博物館型研究統合」において、博物館活動に関する実践的な課題とともに対応していく。また広く歴史理解に対する影響とこれへの対応をめぐっては、「戦時/災害と生活世界の関わりに関する総合的研究」において、とりわけ近代史に力点を置いて幅広く議論を行う。さらに、「災害の記録と記憶をめぐる資料論的研究」において、震災史に関わる資料調査を文献史学・考古学・民俗学に行うものとする。