基盤研究

広領域歴史創成研究

日韓における青銅原料の産地の変遷に関する研究

研究期間:平成24年度~平成26年度

研究代表者 齋藤 努 (本館・研究部)
研究組織 土生田 純之 (専修大学)
亀田 修一 (岡山理科大学)
高田 貫太 (本館・研究部)
藤尾 慎一郎 (本館・研究部)
島津美子 (本館・研究部)平成25年度から

研究目的

平成16~18年度に行った科研費基盤研究「東アジア地域における青銅器文化の移入と変容および流通に関する多角的比較研究」において、青銅器時代〜三国時代を中心に韓国慶尚道地域(旧加耶諸国および新羅の一部)と日本列島出土の青銅製品の鉛同位体比分析を行った結果、4世紀頃を境として、中国北方産から朝鮮半島産の可能性がある青銅原料へと大きな変化のあったことが明らかになった。

その後、同時代の旧百済地域における状況を調査するために、平成19年度にリーダーシップ経費、また平成20~22年度には科研型の共同研究として、韓国国立中央博物館が所蔵する青銅製品と日本国内出土資料について調査を行っていたが、平成21年度に先方より共同研究を中止したい旨の連絡があったため、韓国出土資料の調査は不十分なままとなってしまった。そこでやむを得ず、平成22年度は、韓国の考古調査財団などと連絡をとって、調査の継続をはかってきた。

本研究では、あらためてそれらの考古調査財団を研究協力者として、旧百済地域において、朝鮮半島産原料の使用開始時期について、青銅製品の鉛同位体比分析を実施することによって、その可能性を調べていくこととする。韓国では製錬遺跡や鉱山遺跡の発掘調査があまり進んでおらず、朝鮮半島産原料の開始時期がよくわかっていない状況にあるため、自然科学的な視点からそれを探り、考古学的な裏付けの有無についてもあらためて検討することが本研究の目的の一つである。

これまでの研究により、日本産原料の開始時期について、考古学と自然科学の両面からほぼ確実と考えられているのが7世紀中葉頃、自然科学的な分析から可能性の指摘されているのが6世紀末~7世紀初とされている。また、国産原料開始以前の輸入原料の産地について、従来の鉛同位体比研究では中国との関係を中心に論じられてきたが、上述の一連の共同研究によって、朝鮮半島産と判断されるものが少なからず検出されている。そこで、古墳時代~古代の資料の調査を重点的に行うことによって、国産原料の開始時期をより明確化するとともに、その前後の産地の変遷について、地域による差異などを含めて検討していくことが、本研究のもう一つの目的である。