基幹研究

新しい古代像樹立のための総合的研究

(総括研究代表者 本館 考古研究系・教授 藤尾 慎一郎)

【多元的フィールド解析研究】旧石器時代の環境変動と人間生活

研究期間:平成21年度~平成23年度

研究代表者 西本 豊弘 (本館・研究部)
研究組織 安藤 寿雄 (茨城大学)
国府田 良樹 (ミュージアムパーク茨城県自然博物館)
中島 礼 (産業技術総合研究所)
松浦 秀治 (お茶ノ水女子大学)
鈴木 三男 (東北大学)
小林 謙一 (中央大学)
新美 倫子 (名古屋大学)
白石 浩之 (愛知学院大学)
小畑 弘己 (熊本大学)
百原 新 (千葉大学大学院)
藤尾 慎一郎 (本館・研究部)
今村 峯雄 (本館・名誉教授)
工藤 雄一郎 (本館・研究部)

研究目的

本研究は、平成21年度申請予定の文部科学省科学研究費補助金・基盤研究(申請者・西本)に連動し、基盤研究が採択されることを前提として申請するものであり、経費はすべて基盤研究によるものである。

近年、茨城県つくば市と土浦市を流れて霞ヶ浦に注ぐ花室川の川床からナウマンゾウの化石がよく採集されるようになった。一方、花室川に面する両岸の段丘上に旧石器時代の遺跡が多数発見されるようになった。そこで、西本は花室川出土の化石を調査したところ、ナウマンゾウのほかにバイソン・シカ類・ニホンアシカ・オットセイが出土していることが分かった。さらにニホンアシカの年代は約28000年前という結果を得た。そこで、2008年8月に花室川の川さらい調査を実施したところ、ナウマンゾウの歯の破片とともに動物の解体に使ったと思われる石器を発見した。また石製有孔装身具も1点採集された。これらの事例から、花室川一帯は約3万年前の旧石器時代の遺跡群でナウマンゾウやバイソンの狩猟・解体場所であると推定された。

そこで、本研究では花室川地域の約3万年前の植物相や動物相、地形などを復元し、当時の旧石器時代人の狩猟活動を明らかにすることを第1の目標とする。そして、関東地方を中心にして是まで知られた旧石器時代遺跡を再検討し、関東地方における約3万年前から縄文時代にかけての環境変動と旧石器文化の変化について考察を加えることを第2の目的とする。