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平成22年度共同研究:【展示型】中近世における武士と武家の資料論的研究
基盤研究
高度歴史情報化研究
【展示型】中近世における武士と武家の資料論的研究
研究期間:平成20年度~平成22年度
| 研究代表者 | 高橋 一樹 (本館・研究部) |
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| 研究組織 | 大友 一雄 (国文学研究資料館) 久留島 典子 (東京大学史料編纂所) 近藤 好和 (国際日本文化研究センター) 佐伯 真一 (青山学院大学) 佐藤 宏之 (法政大学) 高久 智広 (神戸市立博物館) 高橋 裕次 (東京国立博物館) 富田 正弘 (学識経験者) マルクス・リュッターマン (国際日本文化研究センター) 前嶋 敏 (新潟県立歴史博物館) 青山 宏夫 (本館・研究部) 安達 文夫 (本館・研究部) 岩淵 令治 (本館・研究部) 井原 今朝男 (本館・研究部) 大久保 純一 (本館・研究部) 久留島 浩 (本館・研究部) 小島 道裕 (本館・研究部) |
研究目的
本研究は、日本における通史的武士像構築のための段階的・問題提起的研究として、中世・近世の武家文書以下の武士資料にもとづいた新しい時代像・歴史像を検討するものである。
歴史資料としての武家文書は、これまで、(1)内容分析による歴史叙述、(2)様式分類を中心とした古文書学的研究、それぞれの素材として取り扱われてきた。そこでは、中世と近世という既存の時代区分に依拠して研究が分断的に進められてきた。また、近世以来の考証史学的手法と近代歴史学に共通する古文書の偏重姿勢によって、それと一緒に伝来した多様な史資料との関連性が等閑視されてきた。
しかし、12世紀末葉から19世紀後半におよぶ武人政権の断続的な出現や「武士」「侍」の存在といった歴史的事実、あるいは近代以降の武士イメージの再生産や新たな創出といった政治的イデオロギーとの関係に照らしても、従来型の細切れ的な研究方法がもつ弊害を認めないわけにはいかない。比較史的研究が警鐘を鳴らしているように、長期間にわたる武人政権の存続と武士の行政官僚化は特殊日本的な現象である。武士が文書行政の担い手として展開するプロセスをはじめ、武士やその家にもとめられる政治的・社会的要素の変化が文書以下のモノ資料にいかに反映し、どのような影響を与えたのか、つまり武士を武士たらしめているものは何か、ということも決して自明ではない。
文書などの武士資料は、家を媒介として一定の時間軸のもとに連続性をもって伝来・存在している。このことに注視しながらも、それを固定的にとらえるのではなく、たとえば文書の内容や性格の移り変わり(中世の権利証書から近世の儀礼資料へ)、文書そのものの移動や偽作、頻繁な書写や情報の改竄・隠蔽、資料群としての再編成の繰り返しなど、モノとしての動態的な要素を観察することによって、それを行う人間=武士の意識や武士(武家)の連続と断絶を明らかにし、それらを取り巻く国家・社会のあり方を読み解き、既存の時間区分とは異なる新たな枠組みを設定することが可能と考える。
本研究は、武家文書の通時代的研究の必要性を訴える近年の研究動向もふまえながら、既存の時代区分の枠を取り除いて、上記のような観点から文書以下の武家資料群を原本調査に即して分析する。さしあたっては、モノとしての文書のライフサイクルはもとより、文書のフォーマットや外的な形態に着目し、公家文書や寺社文書あるいは地域の民衆世界に残された文書史料とあわせみることによって、武家文書の作成・保存・機能がもつ社会的影響を考察する。また、モノとしての機能や伝来理由という点については、武士あるいは武家の表象としての文書(たとえば威信材)という視点を導入し、文書以外の史資料(武器武具・絵画・和歌資料・茶道具・華道資料など)との関係構造を検討する。その際、これまで研究の蓄積の薄い中近世の漆紙文書などの考古資料も検討材料として重視する。
研究の体制としては、本館が所蔵する中世・近世の武家文書等を中核としつつも、人間文化研究機構内の研究機関はもとより、国内の歴史博物館との協業により、幅広い資料の集成と検討の体制を作りたい。あわせて、本館を含む全国の歴史系博物館・資料館が抱える文書展示の困難性を打開するために、情報工学等との連携により、新たな文書展示の方法を開拓することも模索したい。
































