基幹研究

20世紀に関する総合的研究 Ⅱ

(総括研究代表者 本館 歴史研究系・教授 安田 常雄)

高度経済成長と生活変化

研究期間:平成19年度~平成21年度

研究代表者 新谷 尚紀 (本館・研究部)
研究組織 浅井 良夫 (成城大学)
岩本 通弥 (東京大学大学院)
小椋 純一 (京都精華大学)
小島 孝夫 (成城大学)
澤畑 利昭 (フリー・プロデューサー)
新村 拓 (北里大学)
田中 宣一 (成城大学)
永江 雅和 (専修大学)
湯川 洋司 (山口大学)
中村 政則 (一橋大学)
松田 睦彦 (本館・研究部)
安田 常雄 (本館・研究部)
原山 浩介 (本館・研究部)
関沢 まゆみ (本館・研究部)

研究目的

1960、70年代の高度経済成長とそれにともなう列島規模の生活大変化は、1945年以降の経済復興から経済成長へ、経済大国化から国際貢献へという戦後日本の歴史的展開を画期づける一大現象であった。したがって同時代感覚的に民俗学のみならず歴史学、社会学、経済学、地理学など各分野の研究課題として対象化されそれぞれの分野で研究の深化もみられる。日本の歴史と文化を研究するための広義の歴史学の開拓をその活動の主眼とする本館にとっても、この研究課題はあらためて重要課題として位置づける必要がある。この高度経済成長をめぐる諸問題は単に経済史上の問題としてだけでなく、日本の社会を大きく構造変換させた現代史上の大問題であり、いわゆる上からの政策的な企画立案とその推進に関する現場情報の収集作業と、その政策推進の大波の影響を受ける地域社会でのいわゆる下からの受容対抗含めた対応のあり方の現場情報の収集作業とが、両者併行的にあわせ行なわれることが肝要である。そして、とくに画一的な政策実現への大波に対して各地域社会の伝統的な生活知識や生活技能がどのように対応したのか、綿密な現場調査によってその力学関係とその展開の構図が多様性を含みながらも追跡再確認される必要がある。つまり、地域差、時間差、階層差を視野に入れた視点である。なお、生活革命とも名づけられているこの歴史的事象がはたして日本特有の現象なのか、と世界史的に相対化する視点も必要である。アメリカや西ヨーロッパ諸国の戦後、社会主義諸国の戦後、中南米やアフリカやイスラム諸国の第二次大戦後の動向など、世界史的視野も将来的には射程におきながらも、まずは日本列島のそれぞれの地域社会の現場情報の収集と整理の作業をふまえた分析を中心に試みることによって、伝統的生活の変化と継続の関係性をめぐる動態理論の現場論的構築を本研究の目的としたい。そして、本館の展示リニューアル計画における第6室構想案の充実へまた改良へと貢献できるように推進することを一つの重要な目的としている。

研究会開催予定-高度経済成長と生活変化

日程 : 2009年10月24日(土)13:30~18:00
        10月25日(日) 9:30~15:00
場所 : 国立歴史民俗博物館 第一会議室

備考

松田睦彦 国立歴史民俗博物館 研究部 助教
「瀬戸内島嶼部における高度経済成長という経験」

小椋純一 京都精華大学 人文学部 教授
「高度経済成長期を契機とする日本の植生景観の変化について」

湯澤規子 筑波大学 生命環境科学研究科 助教
「在来産業の変化と高度経済成長の影響」

中村正則 一橋大学 名誉教授
「「東京ゴミ戦争週報」と美濃部都政」