基幹研究

20世紀に関する総合的研究Ⅱ

(総括研究代表者本館・研究部安田常雄)

個別課題・研究期間

Ⅰ期 平成16年度~平成18年度(3年間)
  • A 20世紀における戦争Ⅰ
  • B 戦争体験の記録と語りに関する資料論的研究
Ⅱ期 平成19年度~平成21年度(3年間)
  • A 20世紀における戦争Ⅱ
  • B 高度成長と生活変化をめぐる研究

研究目的

A班

「20世紀における戦争II」では、I期の成果の継承の上で、課題の再編成、メンバーの組替えを通して、あらため20世紀日本の特質を解明するため、<地域モダニズム>、<戦争の表象と記憶><南洋(沖縄を含む)の戦争経験>の三つの視点から、アプローチする。特徴としては、第一にI期における<兵士><文化><外地>分野の研究水準の検討を通した視点の共有を前提に、具体的な資料及び地域を設定し、より掘り下げた分析を行い、現代史研究の新たな視点の構築をめざす。第二は、戦時期までを対象にした前期の成果に上に、戦後をも自覚的に対象に含め、三つの視点の相互浸透、領域間接合を推し進める。第三は、同時進行する総合展示リニューアル「現代展示」(第六展示室)構想の実現との密接かつ有機的な関連を意識的に追究する。これは研究視点の文脈の確定を前提に、資料の分析方法および表象の表現(展示)方法の検討などを包含するものと位置づける。第四に、そうした意味で最終的な研究成果は、総合展示リニューアル「現代展示」で提示される。併せて個別の成果等は、研究報告・ミニ研究集会等で発表される予定である。

B斑

「高度成長と生活変化をめぐる研究」では、I期の「戦争体験の記録と語りに関する資料論的研究」の終了に伴い、今回は総合展示リニューアル「現代展示」との関連で、上記の主題を設定する。研究の目標は日本の高度経済成長の構造的特質の解明にあるが、具体的には第一に、高度成長の政策的企画立案過程の実証的解明、第二に、諸政策が地域社会とどのような受容・対抗の関係にあったかの解明、その際、各地域の伝統的な生活知識や生活技能の反作用なども主題となる。第三に、高度成長の世界史的意義を解明すべく欧米諸国・社会主義圏・中米・アフリカ・イスラム諸国などの「工業化」プロセスと矛盾の構造などとの比較を通し、日本的特質を解明する。第四に研究の主な成果は、総合展示リニューアル「現代展示」に反映される予定である。

継続

20世紀における戦争II (安田常雄他18名)

高度経済成長と生活変化 (新谷尚紀他13名)