基幹研究

20世紀に関する総合的研究 Ⅱ

(総括研究代表者 本館 歴史研究系・教授 安田 常雄)

20世紀における戦争 Ⅱ

研究期間:平成19年度~平成21年度

研究代表者 安田 常雄 (本館・研究部)
研究組織 荒川 章二 (静岡大学)
一ノ瀬 俊也 (埼玉大学)
今泉 裕美子 (法政大学)
大岡 聡 (日本大学)
大串 潤児 (信州大学)
小野沢 あかね (立教大学)
河西 英通 (広島大学)
高岡 裕之 (関西学院大学)
鳥山 淳 (琉球大学)
永島 広紀 (佐賀大学)
中野 聡 (一橋大学)
原田 敬一 (佛教大学)
真鍋 昌賢 (大阪大学)
屋嘉比 収 (沖縄大学)
山本 和重 (東海大学)
吉田 裕 (一橋大学)
原山 浩介 (本館・研究部)
樋口 雄彦 (本館・研究部)

研究目的

本研究は、平成18年度までの「20世紀における戦争Ⅰ」を継承・発展させて実施しようとするものである。前年度までの共同研究では、対象時期を主に戦時期に絞って研究を進めてきたが、本研究では、地域モダニズム、表象と記憶をめぐり、戦後をも射程に収めることとする。具体的には、戦後における地域社会形成や、戦争の記憶・表象とその継承を視野に入れ、いわば「歴史としての現代」という視角から研究を進めるようとするものである。また、とりわけ南洋(沖縄を含む)をめぐっては、個別の研究テーマを立て、植民地ないしは内的植民地として統治され、戦場となったこととの関連に注目しながら研究を行う。

具体的には、以下の3つの研究領域を設定し、相互に関連させながら研究を進める。

1.地域モダニズムと戦争・兵士(「地域モダニズム」)
主として1920年代に、文化運動が活発に展開した地方都市に注目し、そこでの文化状況を、戦後に至るまでの地域社会の変容と関わらせながら研究する。なお、ここでは満州や朝鮮半島といった外地の地域文化も視野に収めるよう努める。

2.戦争の表象と記憶(「表象と記憶」)
地域に残された戦争や戦場に関わる記録(体験記・写真など)を手がかりに、そこでの表象の背景をなしている戦争・戦場の実態と突き合わせて資料の検証を行うとともに、そうした記録に関わって地域や家族がどのように戦争を経験し、あるいは記憶を継承してきたのかを研究する。

3.南洋(沖縄を含む)における戦争経験と記憶・表象(「南洋(沖縄を含む)」)
上記2点につき、とりわけ南洋(沖縄を含む)という場において、戦争・戦場の実態と関わらせながら研究を進める。また、とりわけ沖縄における、1920年代から戦時を経て米軍統治に至るまでの文化運動に関しては、ひとまずは、戦時下における沖縄人の生活改善(国民化)運動、戦後の『琉大文学』などに見られる反米文化運動、ならびに、反復帰論を含む沖縄「返還」をめぐる諸論争を視野に入れながら、資料状況の確認とその分析を試みる。また終戦直後の沖縄をめぐっては、資料の散逸がこと、またこの時期をめぐる研究の手法が未確立であることを踏まえ、上に例示した諸テーマに着手しながら、この時期の沖縄にどのようにアプローチするか、その方法を探ることとする。

本研究では、以上を通じて、近現代史研究ならびに戦争研究の新たな分析視角を構築するとともに、これを実証的な研究課題の遂行によって、ひとつの研究方法として示すことを目的とする。