基幹研究

交流と文化変容に関する史的研究

(本館・研究部 久留島 浩 他)

唱導文化の比較研究

研究期間:平成18年度~平成21年度

研究代表者 林 雅彦 (明治大学)
研究組織 丸山 宏 (武蔵大学)
浅野 春二 (國學院大學)
洪 潤植 (韓国・東国大学校)
金 時徳 (韓国・国立民俗博物館)
尹 光鳳 (広島大学大学院)
渡 浩一 (明治大学)
徳田 和夫 (学習院女子大学)
荒見 泰史 (広島大学大学院)
高達 奈緒美 (東洋大学)
久野 俊彦 (栃木翔南高校)
山田 厳子 (弘前大学)
吉原 浩人 (早稲田大学)
原 聖 (女子美術大学)
伊藤 龍平 (台湾・南台科技大学)
笹原 亮二 (国立民族学博物館)
南 根祐 (韓国学中央研究院)
B.ルパード (イリノイ大学)
阿諏訪 青美 (横浜歴史博物館)
澤 博勝 (福井県立博物館)
林 雅彦 (明治大学)
小池 淳一 (本館・研究部)
常光 徹 (本館・研究部)
松尾 恒一(本館・研究部)
山田 慎也 (本館・研究部)

研究目的

21世紀のユーラシア世界における文化の問題として宗教がその重要度を日々高めつつあることは贅言を要しない。本研究はそうした宗教を教理や教典、組織に限定せず、生活文化レベルからの理解を進めていくモデルを構築することを目的とする。そのために広く、宗教の布教、伝道に関わり、展開してきた芸能、説話、絵画に注目し、さらにそれらの結節点としての絵解きを取り上げる。絵画及び文学における宗教性は仏教、儒教、イスラーム、キリスト教を横断する。そうした芸能、説話、絵画の表現構造と生活レベルでの利用、規制、浸透の様相を仮に「唱導文化」と名付け、それらの諸事象に関する研究成果を横断的に検討することを通して、ユーラシア世界における宗教の相互理解のモデル構築を目指す。

本研究は生活への浸透という視角から、宗教文化をとらえ、さらに交流の具体相、イメージの形成と変遷とを追究していく。ユーラシア世界に視座を据えていくが、同時に歴史的な深度と現行の習俗、慣習の実態を把握し、特に仏教をめぐる問題を最初の課題として意識し、漸次他の宗教文化にも視点を広げていく予定である。当面以下の2つの視点からの調査及び研究を推進する。

1.芸能文化の比較研究 古代以来のユーラシア世界と日本列島との相互交流を芸能とそれを支える宗教思想、さらに、そこから展開していく文学、説話表現に目配りしながら検討を行う。従来の比較文学研究が文芸にのみ限定されるきらいがあったことを反省し、より広い視点を構築することを期する。

2.絵解きの比較研究 宗教理念や宗教的な説話を絵画に表現し、それを用いて唱導を行う絵解きについては日本における研究が多大の成果を挙げてきている。この視点をユーラシア世界に拡大し、さらに仏教以外の諸宗教における絵画と唱導との関係を追求して、理論化を図りたい。