基幹研究

交流と文化変容に関する史的研究

(本館・研究部 久留島 浩 他)

移民史の比較研究

研究期間:平成18年度~平成21年度

研究代表者 今泉 裕美子 (法政大学国際文化学部)
研究組織 村川 庸子 (敬愛大学)
木村 健二 (下関市立大学)
柳沢 遊 (慶応義塾大学)
宮本 正明 (財団法人世界人権問題研究センター)
竹野 学 (札幌医科大学)
山下 靖子 (津田塾大学)
榮野川 敦 (沖縄県うるま市教育委員会)
曽 士才 (法政大学)
安田 常雄 (本館・研究部)
原山 浩介 (本館・研究部)

研究目的

本研究は、日本へのあるいは日本からの移民の往来、定着を第二次世界大戦を軸に比較研究することで、ユーラシアにおける東アジア地域の形成と変容を移民という「人の交流」から明らかにすることを目的とする。従来、日本へのあるいは日本からの移民に関する研究では、移民政策と移民現象の関連づけ、移民の送り出し・受け入れ地域社会の形成・変容と相互の関係性、移民を通じたモノ、カネ、情報、技術、文化、思想の往来が地域社会の形成や変容にどのような影響を及ぼしたのか、については十分に検討されてこなかった。また、東アジアという地域の形成や変容を、移民を対象とする上述のようなアプローチによる「人の交流」から特徴づけた研究は行なわれていない。一方、第二次世界大戦を軸に据えた日本人移民の研究については、総合的な研究が発表されているが(移民研究会編『戦争と日本人移民』東洋書林、1997年)、各地域における移民政策と移民現象を共時的に関連づけたり、東アジア地域の形成・変容という視点からのアプローチはなされてこなかった。本研究は、日本からの移民の送り出し・受け入れについて、従来の研究の成果を踏まえつつ、移民のくらし、送り出されたあるいは定着した地域社会のありようを政治、経済、社会、文化の側面から分析し、地域社会の制度、階層、階級を形成、変容させる移民を、国家、民族、同郷者、運動体、ジェンダー、家族、職業、子ども、学校、などのさまざまな集団の諸関係から捉える。その際、従来は移民という範疇では必ずしも十分に対象とされてこなかった在日朝鮮人、アイヌ人などについてもとりあげる。また、第二次世界大戦を軸に、日本の植民地支配体制の戦時化、敗戦による日本の植民地・占領地の脱植民地化、日本の国際社会への「復帰」という過程のなかで、移民の進出、引揚げ、あるいは定着から移民の送り出し・受け入れ地域社会の変容を通時的に捉えることで、東アジア地域の変容を特徴づける。