人間文化研究機構連携研究

文化資源の高度活用

武士関係資料の総合化-比較史および異文化表象の素材として

(研究代表者 本館 歴史研究系・教授 小島道裕)
研究期間:平成17年度~平成20年度

研究代表者 小島道裕 (本館・研究部)
研究組織 近藤好和 (神奈川大学)
川口幸也 (国立民族学博物館)
笠谷和比古 (国際日本文化研究センター)
マルクス・リュッターマン (国際日本文化研究センター)
大友一雄 (国文学研究資料館)
千田嘉博 (奈良大学)
高橋裕次 (東京国立博物館)
佐伯真一 (青山学院大学)
堀越宏一 (東洋大学)
渡辺節夫 (青山学院大学)
ミッシェル・コラルデル (ヨーロッパ地中海文明博物館)
ピエール・スイリ (ジュネーブ大学)
井原今朝男 (本館・研究部)
高橋一樹 (本館・研究部)
新谷尚紀 (本館・研究部)
宇田川武久 (本館・研究部)
大久保純一 (本館・研究部)
小野正敏 (本館・研究部)

研究目的

国立歴史民俗博物館は多くの武士関係資料を所蔵している。例を挙げれば、甲冑や鉄炮をはじめとする武器・武具コレクション、中世・近世の武家文書(越前島津家文書<鎌倉~江戸>、亀井家文書<織豊~江戸>、旗本本多家資料<江戸>など)、洛中洛外図屏風・江戸図屏風などの屏風絵、前九年合戦絵詞・結城合戦絵巻などの絵巻物、後世の表象としての錦絵、威信材としての陶磁器、瓦などの城郭に関する遺物、近世武家の服飾、などである。

これらの資料群は、個々の資料分野やコレクションごとの目録は作成されているが、それらを作成し使用し、伝来させた武士という社会的存在と結びつけて総合的に把握する研究はなされてこなかった。しかし、このような資料を武士という観点から総合化していけば、武士自体の実像と意味を浮かび上がらせていくことができるはずである。

そのために、これらの資料を他機関が所蔵する他の資料群と合わせて検討すると共に、海外の異文化における同種の資料とも比較史的に研究することで、その意義を明らかにしたい。

武士やその資料を総合化していくためには、武士という存在自体を相対化して考えることが必要であり、そのためには比較史的見地は欠かすことができない。また、展示という形でその全体像を表象するという目標を定めることで、資料に基づいた一つの客観性を持つ歴史像として武士を描き出すことが可能になる。従って、そのためには海外において「異文化」として武士を展示するという仮想的な方法が有効であると考えられ、本研究では、フランスにおいて実際に展示を行う意欲を持つ博物館と連携することで具体化を図り、それを前提にした研究の過程において、武士という存在をどのように分析し、これらの資料を歴史と文化を表象する素材としてどのように活用することができるかを検討する。