刊行物

歴史系総合誌「歴博」

歴史系総合誌「歴博」は歴史・考古・民俗の最新研究成果をわかりやすく紹介しています。22万点を超える国立歴史民俗博物館所蔵資料を毎号カラー写真で解説します。

国立歴史民俗博物館編集、A4判変形、32頁、奇数月発行(1996年5月より)
定価 560円、年間購読料 4,500円(送料込み)
詳しいお問い合わせは (財)歴史民俗博物館振興会 までどうぞ。

第94号 1999年5月30日発行

第94号 1999年5月30日発行
[特集] くらしの歴史学 消費と節約
新収蔵品紹介 海を渡った漆器
長崎 青貝細工

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表紙解説

小袖屏風と刺し子の短はんてんと接ぎ合わせのもんぺ(本館蔵)

小袖屏風

小袖屏風
黒地の小袖には,豪快に流下する瀑布を背景に,鼓が舞い踊るように表現されている.滝に鼓の組み合わせは,鼓の音色が砕け散る波音にたとえられることにちなむものであろう.もう一方の小袖も地色は黒であるが,ほとんど地が見えないほど緻密に花鳥や流水の文様が縫い詰められている.これは特権的な武家婦人が夏季に用いた腰巻き(打掛の変形)とよばれる特種な衣服である.ともに江戸時代にあって意匠と技法に贅を尽した遺例で,現在は二曲一隻の屏風に貼装されている.

(情報資料研究部・丸山伸彦)

短はんてん,もんぺ
写真はいずれも内側を出してうつしたものである.短はんてんの表側は新品のようにきれいな紺絣であるが,内側は細かな刺し子がほどこしてあり,その上にたくさんの接布が重なり,上からさらに刺されている.使い古した刺し子はんてんに新しい表を重ねたものである.もんぺは,格子縞のはぎれを接ぎ合わせて仕立てたもので,形はゆきばかまを踏襲している.裏側にはもとの状態がよく残っているが,表側はたくさんの接ぎがあたっている.どちらも青森県下で使用したものである.

(民俗研究部・朝岡康二)

短はんてん,もんぺ

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目次

巻頭エッセイ 博物館へ行こう!

夢の街 高橋 直裕

新収蔵品紹介 海を渡った漆器

長崎 青貝細工  

[特集] くらしの歴史学 消費と節約

江戸における武士の消費生活 原 忠彦
物価からみる中世の消費とリサイクル 小野 正敏
ためこむ暮らし・さずかる暮らし 湯川 洋司
[コラム] 天平写経所の「合理的経営」 三上 喜孝
[コラム] 欲しがりません勝つまでは 一ノ瀬 俊也

歴博対談 第24回

古代における喪葬儀礼--殯(もがり)の世界-- [和田 萃+橋本博文]

書評

新谷尚紀編 講座・人間と環境『死後の環境』
死の学問研究
鈴木岩弓

展示批評

企画展示 『新 弥生紀行-北の森から南の海へ-』
新しい弥生像をめぐって
広瀬和雄

地球時代の日本研究 第13回

21世紀の日本考古学 藤尾慎一郎

歴博けんきゅう便 第1回 非文献資料の基礎的研究

棟札 濱島正士

〔歴博かわら版〕

表紙