刊行物

歴史系総合誌「歴博」

歴史系総合誌「歴博」は歴史・考古・民俗の最新研究成果をわかりやすく紹介しています。22万点を超える国立歴史民俗博物館所蔵資料を毎号カラー写真で解説します。

国立歴史民俗博物館編集、A4判変形、32頁、奇数月発行(1996年5月より)
定価 560円、年間購読料 4,500円(送料込み)
詳しいお問い合わせは (財)歴史民俗博物館振興会 までどうぞ。

第111号 2002年3月20日発行

第111号 2002年3月20日発行
特集:境界を越える歴史学 ポスト・コロニアル
連載「歴史の証人-写真による収蔵品紹介-」
「京都名所図屏風」

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表紙解説

気象衛星NOAがとらえた地球(東海大学情報センター提供)

気象衛星NOAがとらえた地球(東海大学情報センター提供)

本号では、2年間続いた年間テーマ「境界を越える歴史学」の最終回にあたる。このテーマのもと、これまで「学問」「民族」「性」をはじめとするいくつもの特集を組んできたが、それらは、いずれも既存の学問領域を越境したところで論じられるべきさまざまな問題への挑戦としておこなわれたものであった。そして最終回の本号では、ポスト・コロニアルを特集した。既存の知の枠組みを根本的に問い直す思想的立場としてのポスト・コロニアル。最後にとりあげたのは、「境界を越える歴史学」の総括としての意味をこれにこめようとしたからに他ならない。
ところで、ポスト・コロニアルとは、直訳すれば、「植民地主義以後の」といったところであるが、これは単なる時代区分を示す用語ではない。表面的には植民地支配は終わったかのように見えて、その実、植民地主義的な制度や考え方は、人々の間に根強く巣くっているという現実がある。ポスト・コロニアルとは、そのような状況を批判的にとらえようとする意味あいを強くもった概念である。ポスト・コロニアルの視座に立つと、これまで多くの人々が当たり前だと思ってきたさまざまなことがらが、実は思いこみにすぎなかったり、巧妙に仕組まれた政治性を孕んだものであったりすることが、明らかになってくる。ポスト・コロニアルからの問いかけは、人間のあらゆる知におよぶ。歴史に関わる学問的な営為についても、当然、この視座からの問い直しが強く求められている。ささやかではあるが、本特集はこの大きな問題への本誌なりの取り組みである。

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目次

巻頭エッセイ 博物館へ行こう!

学校建築遺産と学術遺産の統合を図る大学博物館分館 藤尾 直史

歴史の証人 写真による 収蔵品紹介

「京都名所図屏風」

[特集] 境界を越える歴史学 ポスト・コロニアル

ポスト・コロニアルな現在 岩竹 美加子
「紺碧」は遥かに-在朝日本人の博多引き揚げと「京城帝国大学」- 水島 広紀
台湾のポスト・コロニアル状況 丸川 哲史
[コラム] 多文化主義民俗学とは何か 島村 恭則
[コラム] ゆっくりと歩く 出雲 雅志

歴博対談 第41回

国民国家の文化の現在 [西川 長夫+篠原 徹]

歴史への招待状

[歴博創設20周年記念展示]
古代日本 文字のある風景 金印から正倉院文書まで
平川 南

書評

安室知 著 『餅と日本人-「餅正月」と「餅なし正月」の民俗文化論-』 板橋 春夫
岡田浩樹 著 『両班』 網野 房子

展示批評

[企画展示] くらしの植物苑特別企画「冬の華・サザンカ」展
未知の花
大槻 恵美

れ・き・は・く・井・戸・端・会・議

〔歴博かわら版〕

表紙