第92号 1999年1月20日発行

題字解説

  • 特集:つけとどけの世界
  • 連載 歴史の証人 写真による〈館蔵資料紹介〉
    饗宴の道具

表紙解説

結城合戦絵詞

結城合戦絵詞(重要文化財)

鎌倉公方の足利持氏は将軍職を望んで室町幕府に叛逆を謀り、永亨11(1439)年、将軍義教によって討滅された。その翌年、持氏の二男春王と三男安王は、結城氏朝を後ろ盾として挙兵して結城城に籠城し、幕府軍と壮絶な戦いを繰り広げた。だが、やはり勝利したのは幕府方であった。氏朝は戦死、13歳の春王と11歳の安王は捕らえられ、京都に護送される途中で斬殺された。これが世にいう結城合戦である。
この合戦の顛末を活写した絵巻が「結城合戦絵詞」である。長亨2(1488)年に結城合戦をモチーフとして成立した『鎌倉殿物語』をテキストとして描かれたといわれ、画風や詞書の書風から制作の時期は長亨2年をあまり降らない15世紀末ごろとされている。室町期の合戦絵巻としては現在知られている唯一のもので、その注目度はきわめて高い。今年度より本館の収蔵資料となった。

目次

巻頭エッセイ 博物館へ行こう!

「見えるものと見えないもの」 / 住田 高市

歴史の証人 写真による〈館蔵資料紹介〉

饗宴の道具

[特集] つけとどけの世界

  • ○○屋お主も悪よのう-贈答・饗宴・接待社会の江戸- / 高橋 敏
  • 室町時代の守護役と贈答 / 盛本 昌広
  • 選挙と贈答慣行- / 杉本 仁
  • [コラム] 鎌倉の裁判と「つけとどけ」 / 高橋 一樹
  • [コラム] 木簡に見える「まいない」 / 古尾谷 知浩

歴博対談 第22回

新収蔵『結城合戦絵詞』をめぐって / [真保 亨+井原 今朝男]

書評

国立歴史民俗博物館編 歴博フォーラム
『お金の不思議-貨幣の歴史学-』
貨幣と人間 / 鈴木 公雄

展示批評

企画展示 『幻の中世十三湊』
海からの日本社会像 / 網野 善彦

地球時代の日本研究 第11回

日本仏教研究の視点での「純粋な日本学」 / ジャン=ノエル・ロベール

歴史への招待状[企画展示]

新 弥生紀行-北の森から南の海へ-
二〇〇〇年前へのタイムトラベル / 設楽博己

歴博かわら版