第129号 2005年3月20日発行
- 特集:日韓の相互認識
- 連載「歴史の証人-写真による収蔵品紹介-」
「東アジアの煌き」
表紙解説
空から見た日本列島と朝鮮半島
画像処理:東海大学情報技術センター データ:NASA GDAAC / MODIS Support Team EROS DATA CENTER |
日本列島と朝鮮半島は極めて近い。文字通り、一衣帯水の間柄である。古来、両地域の間には、いろいろな結びつきがみられた。そこには、幾つもの事件が生じ、歴史が刻まれた。時代、あるいは立場によって、ここにはいくつもの線が引かれ、さまざまに色分けすることができた。その境界は明確なこともあれば、ややぼやけたこともある。この線も、国家や政治領域といった視点だけで引かれるものではない。経済ネットワークや、文化的類縁性など、いくつもの視点があり、同じ時代でも異なった線が引け、色塗りができた。2000年前も1000年前も、写真と同じく、蒼い海と碧の大地が広がっていたはずである。この地図のように、何の線引きや先入観のない、広い視点で東アジアの、日韓の諸関係を考えてみたい。
目次
[特集] 日韓の相互認識
日本列島と韓半島は近くて関係は古い / 上野 祥史
歴史の証人 写真による収蔵品紹介
企画展示「東アジア中世海道-海商・港・沈没船-」に寄せて 東アジアの煌き / 上野 祥史
[特集] 日韓の相互認識
- 栄山江流域の「前方後円墳」を視る目 / 吉井 秀夫
- 倭寇に関する日韓の認識 / 関 周一
- 韓国保護条約無効論をめぐって / 高崎 宗司
- 抵抗と協力との葛藤の間で / 朴 ソプ
- [コラム] 善隣友好外交と壬辰・丁酉倭乱との間 / 久留島 浩
- [コラム] 『冬ソナ』ブーム、韓国での受け止め方 / 室井 康成
歴博けんきゅう便 第21回
東アジアの民俗学の発展をめざして
-韓国国立民俗博物館との学術交流- / 上野 和男
研究者紹介 〔その17〕
酒が与えてくれたもの /青木 隆浩
書評
一ノ瀬俊也 著 『近代日本の徴兵制と社会』 / 北泊 謙太郎
自著紹介
国立歴史民俗博物館 編 歴博フォーラム『王の墓と奉仕する人びと』
国立歴史民俗博物館 編 歴博国際シンポジウム「歴史展示を考える-民族・戦争・教育-」
『歴史展示のメッセージ』
展示批評
特別展示「明治維新と平田国学」全体的に歴史研究者を強く意識した展示 / 高木 俊輔