第115号 2002年11月20日発行

題字解説


表紙解説

DNA二重螺旋構造:Crystal structure and stability of a DNA duplex containing A(anti).G(syn) base-pairs
米国PDB(Protein Data Bank)

DNA(デオキシリボ核酸(Deoxyribonucleic acid))は遺伝子の本体であり、ウィルスの一部およびすべての生体細胞中に存在し、真核生物ではおもに核中に存在する。アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)という4種類の塩基を含んでおり、一般的には2本のDNA分子の間でAとT、またはGとCが相補的塩基対を形成して二重螺旋を構成する。この塩基配列に蛋白質などの遺伝情報が含まれている。1953年、ワトソンとクリックが、デオキシリボ核酸の分子モデルとして二重螺旋構造を提案し、分子生物学を大きく発展させた。
本誌表紙は、1989年にT.ブラウン他により発表されたワトソンクリック模型の塩基対およびアデニン、グアニンのミスペアを備えたB-DNA二重螺旋の結晶構造である。

目次

巻頭エッセイ 4

[特集]胎動する歴史学 DNA / 小瀬戸 恵美

歴史の証人 写真による収蔵品紹介

中国陶磁コレクションより / 小野 正敏

[特集] DNA

  • 歴史学、分子生物学と出会う-海をわたった華花の追跡- / 辻 誠一郎
  • 動物学と古代DNA分析-マンモスとヒグマ考古遺物の遺伝子解析- / 増田 隆一
  • 遺跡出土クリの分析 / 新美 倫子
  • [コラム] 江戸薩摩藩邸のブタ / 山根 洋子
  • [コラム] ブタ毛色のマッピング / 林 武司

歴博対談 第43回

DNA人類学の現在 / 〔篠田 謙一×西本 豊弘〕

歴博けんきゅう便 第12回

国際セミナー「海をわたった華花-シーボルトと植物-」
歴博フォーラム「海をわたった華花2002-ウリとイモの世界-」 / 辻 誠一郎

研究者紹介 〔その4〕

私にとっての考古学、歴史学 / 村木 二郎

書評

白石 太一郎 編
日本の時代史1『倭国誕生』 / 高橋 照彦

歴博フォーラム「陶磁器が語るアジアと日本」論文集
国立歴史民俗博物館研究報告 第94集
『陶磁器が語るアジアと日本』 / 荒川 正明

展示批評

[企画展示]「男も女も装身具-江戸から明治の技とデザイン-」
美術史が積み残した小さな道具たち / 玉蟲 敏子

れ・き・は・く・井・戸・端・会・議

歴博かわら版