第100号 2000年5月30日発行

題字解説

  • 特集:境界を越える歴史学 世紀末
  • 連載「歴史の証人-写真による収蔵品紹介-」
    「木曽義仲合戦図屏風」

表紙解説

立山曼茶羅(複製)・渾天儀(本館蔵)

立山曼茶羅(複製)

越中国の東にそびえる立山は、古くから霊峰として知られている。その信仰を広めるために、布教を担った衆徒たちは、立山曼茶羅を持ち歩き、各地で絵解きをした。写真の図の原本は、来迎寺(富山市)に伝わる江戸時代初期の作で、立山曼茶羅のなかでは最古のものとして知られている。図には、極楽浄土とされた立山連峰の上空に阿弥陀三尊来迎・二十五菩薩来迎・飛天が配され、その下には血の池・賽の河原・火の車などの地獄が描かれている。

渾天儀(本館蔵)

月日の経過を定める暦をつくるには、月や太陽などの天体の運行を知らなければならない。渾天義は、天体の位置を観測するための器具であるが、天体の運行を説明する教材としても使われた。渾天義の中心には地球が置かれ、その周囲には天の赤道や黄道、月の軌道を示す白道などの輪が取りつけられている。

目次

巻頭エッセイ 博物館へ行こう!

こどもと行く博物館 / 三木 美裕

歴史の証人 写真による収蔵品紹介

「木曽義仲合戦図屏風」

[特集] 境界を越える歴史学 世紀末

  • 幕末の民衆と「ええじゃないか」 / 松井 良祐
  • 末法思想と経塚の時代 / 村木 二郎
  • 「終末」と現代宗教 / 島薗 進
  • [コラム] 世紀末の閏 / 岡田 芳朗
  • [コラム] ケウスの如来 / 内田 順子
  • [コラム] コンピュータと2000年 / 安達 文夫

歴博対談 第30回

21世紀の博物館像─開かれた博物館をめざして─ / [濱田 隆士+佐原 真]

[企画展示]

北の島の縄文人─海を越えた文化交流─ / 西本 豊弘

自著紹介

「大昔の美に想う」 / 佐原 真
「妖怪変化 民俗学の冒険3」 / 常光 徹

書評

井原 今朝男著
「中世のいくさ・祭り・外国(とつくに)との交わり─農村生活史の断面」 / 評者 山本 浩樹

展示批評 第2展示室リニューアル

常設展示が目指すもの / 評者 伊藤 俊一

歴博かわら版