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じつは歴博名品展!? 重要文化財もズラリ
デジタル技術で歴史資料を楽しく読み解く

このたび、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)では、企画展示「デジタルで楽しむ歴史資料」を2017年3月14日(火)から5月7日(日)まで開催いたします。

「デジタルで~」と銘打っておりますが、本展示の特色は、洛中洛外図屏風「歴博甲本」、江戸図屏風、前九年合戦絵詞、結城合戦絵詞、正倉院古文書歴博複製資料、野村正治郎衣装コレクション、紀州徳川家楽器コレクションなどなど、重要文化財を含む歴博の有名資料を惜しみなく展示した「名品展」になっていることです。これをさらにデジタル技術を使って、大きく見やすく表示したり、複数の資料を見比べられるようにしたりと、普段はなかなか気づかれない歴史資料のさまざまな見かたをご紹介し、より多角的に歴史資料を楽しむことができるような展覧会として企画しました。

たとえば洛中洛外図屏風「歴博甲本」の展示では、大きな屏風絵に描かれた一人ひとりを人間の目で見分けることはとても大変なのですが、「人物データベース」を使うと、性別、年齢、身分などによる人物の描き分けられ方の関係を簡単に調べることができます。また、錦絵の色の分析では、デジタルカメラで撮影した錦絵の画像から、錦絵に使われた色材がいつ変わったのかを追跡していきます。

体験型の展示物もいくつかご用意しました。江戸時代のすごろくをデジタル技術で遊ぶ『デジタルすごろくゲーム台』や、雅楽の演目「越殿樂(えてんらく)」を、各パートの音量を自分で自由にミキシングして楽しめる『セルフミックス越殿樂』、展示した資料に登場する人物や、千葉県のゆるキャラたちと記念写真ができる『記念撮影用超大型デジタルフレーム』など、見て、聴いて、参加できる楽しい展示構成に仕立てました。

この他にも、子供から大人まで、あらゆる年代の方に楽しんでいただけるよう、さまざまの工夫を凝らしました。ぜひ佐倉まで足をお運びください。

※洛中洛外図屏風「歴博甲本」より選ばれた展示案内キャラクター

 

開催概要

デジタルで楽しむ歴史資料
開催期間2017年3月14日(火)~ 5月7日(日)
開催期間 2017年3月14日(火)~ 5月7日(日)
会場 国立歴史民俗博物館 企画展示室A・B
料金

一般:830(560)円 / 高校生・大学生:450(250)円 /
小・中学生:無料 /( )内は20名以上の団体 

※総合展示もあわせてご覧になれます。 
※毎週土曜日は高校生は入館無料です。

開館時間 9時30分~17時00分(入館は16時30分まで)
※開館日・開館時間を変更する場合があります。
休館日 月曜日(休日の場合は翌日が休館日となります)
主催

大学共同利用機関法人人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館

本展の見どころ

  • デジタル技術を使うと、歴史資料はもっと楽しめる!資料のことがよくわかる!
  • 大きく・明るく・見やすく・比べて:モノ資料の限界を越えた可能性を引き出す!
  • もし~だったら:失われた絵図や景観の復元に挑戦する!
  • 見て、聞いて、楽しく遊ぶ:博物館の資料を「過去」にしばり付けず「現代」によみがえらせる!
  • デジタルはわからなくても、歴博の有名資料が一堂に会する「名品展」として楽しめます!春休みは「江戸図屏風」!ゴールデンウィークは洛中洛外図屏風「歴博甲本」!本物ですよ!武士マニアなら「前九年合戦絵詞」「結城合戦絵詞」「太平記絵詞」の揃い踏みも見逃すべからず! 正倉院文書(複製)、野村コレクションの小袖、紀州徳川家伝来の雅楽器、蒔絵万年筆、などなど、どれひとつとして見逃せません!

展示趣旨

本企画展は、パソコンやスマートフォンをはじめとするデジタル技術を利用して、さまざまな形で歴史資料を楽しんでもらおう、という催しです。国立歴史民俗博物館(歴博)が所有する数多の歴史資料は、大切に守り未来に伝えていくとともに、共有の財産として、今を生きている我々の役に立てていかなければなりません。一見背反するこの要求に、歴博は1983年の開館以来挑み続けており、データベースれきはくの公開や総合展示・企画展示における種々の情報コンテンツの提供という形で、積極的にデジタル技術を利用してきました。通常は歴博の研究・展示・教育活動を支える裏方(うらかた)の存在であるデジタル技術を、この展示では思い切って前面に出してみました。また、通常の本館の企画展示ではどうしても歴史学に造詣の深い方向けの展示構成になってしまう点を踏まえ、本展示では小学生高学年から中学生を来館者のメインターゲットに置き、すべての年齢層に理解できる展示を目指しています。

【展示代表 紹介】

鈴木 卓治(すずき たくじ)

国立歴史民俗博物館研究部情報資料研究系教授。専門は博物館情報システム学。博物館における研究・展示・広報を支援するシステムの研究に取り組んでいます。第3、4、6展示室の情報コンテンツの制作のほか、歴博で開催される企画展示の半数以上で、デジタルコンテンツの開発・出展を手がけました。ふだんは黒子(くろこ)として展示を裏からサポートする仕事をしておりますが、思いがけずこのような日のあたる場所に出ることになり、たいへん緊張しています。

展示構成

Ⅰ デジタルで楽しむ絵画資料

1.洛中洛外図屏風と描かれた人々
2.江戸の景観の移り変わり
3.描かれた武士
4.肖像画を読み解く

この人どんな人?(『洛中洛外図屏風と描かれた人々』より)

洛中洛外図屏風に描かれたたくさんの人々。一人一人をながめていくと、いろいろなかぶりものや服装をした人などさまざまです。性別、年齢、身分などと描き分けられ方の関係や、「歴博甲本」、「歴博乙本」で同じ対象がどのように変わったかを紹介します。

「洛中洛外図屏風『歴博甲本』人物データベース」の画面より。キーワードを選んで簡単に検索ができます。
本企画展では、現在開発中の「歴博乙本」人物データベースと合体させた新データベースをお披露目します。

 

Ⅱ デジタルで解き明かす資料のなぞ

1.正倉院文書のなりたち
2.錦絵に用いられた赤と青の分析
3.ガラス乾板に写された絵

表と裏は別の文書(『正倉院文書のなりたち』より)

正集 第38巻より

【表】筑前国嶋郡川辺里戸籍(部分) 大宝2(702)年


【裏】写経所解(案) 申請経師等布施事
天平20(748)年4月10日
正倉院古文書が今に伝わるまでには、とても複雑な経緯がありました。多くの正倉院古文書は、表と裏はまったく別の目的で作られた文書なのです。いったいどういうことなのでしょう?

昔の写真はガラス板だった(『ガラス乾板に写された絵』より)

マリア十五玄義図(浦上天主堂旧蔵)の「受胎告知」図(1940年前後にガラス乾板で撮影)
ガラスの板に写された写真。ついこの間までデジタルカメラというものはなく、写真といえばガラスの板かフィルムの上に白黒の絵が写されたものでした。この写真に写された「マリア十五玄義図(浦上天主堂旧蔵)」は、戦災で消失してしまい、当時の絵のようすを知る貴重な資料となっています。

 

Ⅲ デジタルで楽しむ工芸資料

1.小袖の模様を見つめる
2.3Dでみる蒔絵万年筆
3.見えない音を展示する

現代によみがえる小袖の模様(『小袖の模様を見つめる』より)

もみちゃん(本企画展のために歴博で制作)
現在の着物の直接の祖先といえる小袖は、江戸時代には公家から町人まで幅広い身分の人々の表着(うわぎ)として用いられ、さまざまなデザインの小袖が作られました。歴博の野村正治郎コレクションは日本有数の小袖資料のコレクションとして知られています。今回、小袖資料のデザインをデジタル技術で切り出して、3次元キャラクター「もみちゃん」に着てもらうことにしました。展示場に設けた専用のスクリーンの中で、江戸のデザインをまとったもみちゃんが華麗に舞います!

 

Ⅳ デジタルで広がる歴史展示の可能性

1.よみがえる小諸城
2.京町屋の3Dグラフィックス再現
3.昔のすごろくで遊ぼう

デジタルすごろくゲーム台(『昔のすごろくで遊ぼう』より)

江戸時代のさいころをデジタル技術で楽しく遊べるようにと、デジタルすごろくゲーム台を作りました。プレーヤーが次に何をすればいいかを、プロジェクターやLEDの色を使って知らせます。

デジタルさいころ(開発中)
電波で目の情報をコンピュータに送る。
LEDの色で誰がサイコロを振るかを伝える。
デジタルすごろくゲーム台の盤面(開発中)
自分が今いる場所と次に進めるコマが表示されている。

主な展示資料

・洛中洛外図屏風「歴博甲本」(重要文化財、室町時代)
・江戸図屏風(江戸時代初)
・前九年合戦絵詞(重要文化財、鎌倉時代末)
・結城合戦絵詞(重要文化財、室町時代)
・太平記絵詞(江戸時代初)
・正倉院古文書歴博複製資料(現品:宮内庁正倉院事務所所蔵、奈良時代)
・野村正治郎衣裳コレクションより小袖資料、小袖屏風(江戸~明治時代)
・紀州徳川家伝来楽器コレクションより雅楽器(江戸時代)
・館蔵蒔絵万年筆資料(大正~現代)

など 約80〜90点【展示替えがあります】

肖像画なりきりコンテンツ

肖像画の人物になりきってみよう!肖像画の顔が自分の顔になっちゃいます。うまく出来たらお手持ちのスマホでパチリ!いつでも楽しめます。

記念写真用超大型フォトフレーム

展示資料に登場する人物や、千葉県のゆるきゃらと記念撮影ができます。すきな絵柄を選んで、お手持ちのスマホで撮影してください。いつでも楽しめます。

デジタルすごろくゲーム台

江戸時代のすごろくをデジタル化!いつでも楽しめます。土曜、日曜、祝日の13~16時はデジタルさいころで遊ぶことができます。

蒔絵万年筆3DCG

小さな万年筆に施された美麗な蒔絵を大画面の3D画像でお楽しみください。いつでも楽しめます。土曜、日曜、祝日の13~16時はヘッドマウントディスプレイによる3D体験が楽しめます。

バーチャル小諸城3DCG

コンピュータの中に復元された江戸時代の小諸城を自由にウォーキング!いつでも楽しめます。土曜、日曜、祝日の13~16時はヘッドマウントディスプレイによる3D体験が楽しめます。

※蒔絵万年筆3DCGとバーチャル小諸城3DCGで使用しているヘッドマウントディスプレイ(オキュラスリフト)は、OCULUSサービス規約により、13歳以上の方のみご体験いただけます。
(係の者が年齢をおたずねすることがございます。あらかじめご了承ください。)

歴博講演会

「ザ・メイキング オブ デジタルで楽しむ歴史資料」

※事前申込不要、先着順。

開催日時 2017年4月8日(土)13:00~15:00
講師 鈴木卓治(国立歴史民俗博物館 情報資料研究系 教授)
会場 国立歴史民俗博物館 講堂(定員260名)

ギャラリートーク

デジタルで楽しむ歴史資料

展示期間中、展示プロジェクト委員によるギャラリートークを開催します。

広報用作品画像の使用について

本展の資料画像を、広報素材としてご提供いたします。別紙返信用紙に必要事項をご記入のうえご返信ください。
※下記素材以外の作品画像が必要な場合は、別途お問い合わせください。

<画像使用に際しての注意>

  • 本展広報目的でのご使用に限ります。(展示期間終了まで)。
  • 展覧会名、会期、会場名、クレジット(リスト参照)を必ず掲載してください。
  • 資料画像は全図で使用してください。文字を重ねるなど画像の加工・改変はできません。部分使用については事前申請・許諾が必要です。
  • Web上に掲載する場合は、必ずコピーガードを施してください。
  • 資料画像の使用は本展の紹介目的に限ります。展覧会終了後の使用、ならびに二次使用はできません。web掲載の際は「作品画像の転載、コピーは禁止」の旨を明記してください。
  • 転載、再放送など2次使用をされる場合には、別途申請いただきますようお願いいたします。
  • 基本情報、図版使用の確認のため、ゲラ刷り・原稿の段階で広報事務局までお送りいただきますようお願いします。
  • 掲載、放送後は必ず、掲載誌、同録テープを、本展広報事務局へ1部お送り願います。
1)洛中洛外図屏風「歴博甲本」右隻(復元複製)
原品16世紀(室町時代)
2)江戸図屏風
17世紀(江戸時代初)
3)江戸図屏風
17世紀(江戸時代初)
 
4)前九年合戦絵詞(ゼンクネンカッセンエコトバ)(重要文化財)
14世紀(鎌倉時代末)
5)結城合戦絵詞(ユウキカッセンエコトバ)(重要文化財)
15 世紀(室町時代)
6)太平記絵詞(タイヘイキエコトバ)
17世紀(江戸時代初)
7)正倉院古文書歴博複製資料(現品:宮内庁正倉院事務所所蔵) 
8世紀(奈良時代)
8)マリア十五玄義図(浦上天主堂旧蔵)の「受胎告知」図
(1940年前後にガラス乾板で撮影)
9)野村正治郎衣裳コレクションより白縮緬地京名所模様友禅染縫小袖 (シロチリメンジキョウメイショモヨウユウゼンゾメヌイコソデ)
18世紀(江戸時代)
 
10)野村正治郎衣裳コレクションより染分絖地梅花雪輪模様絞縫小袖 (ソメワケヌメジウメハナユキワモヨウシボリヌイコソデ) 小袖屏風
18世紀(江戸時代)
11)紀州徳川家伝来楽器コレクションより雅楽器(ガガッキ) 琵琶 銘「箕面」(ビワ メイ「ミノオ」)
17世紀(江戸時代)
12)紀州徳川家伝来楽器コレクションより雅楽器(ガガッキ) 羯鼓(カッコ)
17世紀(江戸時代)
 
《蒔絵万年筆(パイロット)》
《蒔絵万年筆(プラチナ)》
歴博3Dキャラクター「もみちゃん」
 

※すべて国立歴史民俗博物館蔵

本リリースに関するメディア問い合わせ先

国立歴史民俗博物館 広報事務局(株式会社ユース・プラニング センター内)担当:岩川、大山
〒150-8551 東京都渋谷区渋谷1-3-9 東海堂渋谷ビル3F
TEL:03-3406-3411/FAX:03-3499-0958/Mail:rekihaku@ypcpr.com

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国立歴史民俗博物館
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