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開催概要関連の催し物その他の催し物広報用素材の提供について問い合わせ先

謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素より、本館の運営等につきましては、格別のご配慮を賜り、厚くお礼申し上げます。

当館では、くらしの植物苑において、平成27年7月28日(火)~ 9月13日(日)までの期間、特別企画「伝統の朝顔」を開催いたします。

朝顔は、奈良時代に中国大陸より薬として日本列島に伝えられました。江戸時代以降になると都市の園芸文化の隆盛のなかで、一つのブームとなるほど、人々に親しまれる花になりました。さらに朝顔が突然変異を起こしやすいことから、葉と花の多様な変化や組み合わせを楽しむ変化朝顔が作り出され、富裕層の間でもてはやされるようになります。

当館では、この変化朝顔をくらしの植物苑で1999年より展示してきました。今回は「朝顔の系統保存の歴史」をテーマとして、変化朝顔ブームの去った明治初期に小さな愛好会ができて、大輪から乱菊、出物へと人気が移っていった様子と、戦後に国立遺伝学研究所が各地の愛好会から様々な品種を収集した経緯、さらには同所が変化朝顔を栽培しなくなってから1990年代に九州大学で復活させて現在に至った状況をパネルで解説するとともに、九州大学から新たに寄贈を受けた変化朝顔を紹介します。

つきましては、この展示開催を貴媒体にてぜひ多くの方々にご紹介くださいますようお願い申し上げます。

謹白

開催概要

くらしの植物苑特別企画「伝統の朝顔」
開催期間2015年7月28日 (火)~9月13日(日)
開催期間 2015年7月28日 (火)~9月13日(日)
会場 国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑
料金 個人(高校生以上) 100円 
団体(20名以上) 50円 
※小中学生は入苑無料です。 
※毎週土曜日は高校生は入苑無料です。
開苑時間 9時30分~16時30分 (入苑は16時00分まで) 
※なお、8月10日(月)~16日(日)は8時30分から開苑いたします。
※開花の特性上、午前中の早い時間が見ごろです。
休苑日 毎週月曜日(祝日の場合は翌日休苑します)
※8月10日(月)は開苑いたします。
主催 国立歴史民俗博物館

趣旨

朝顔は古くから多くの人々に親しまれてきました。特に江戸時代以降になると、文化・文政・天保期嘉永・安政期、明治・大正期など、繰り返し朝顔ブームが訪れ、そのたびに葉と花の多様な変化や組み合わせを楽しむ変化朝顔がつくり出されてきました。これは今日の遺伝学でいう突然変異を見つけ出し、系統として確立するという、世界的に見ても特異なもので、特に幕末頃にはきわめて多くの品種がつくり出されていたようです。しかし、それらの中には、残念ながら華やかな大輪朝顔の人気に圧倒されて、あまり知られることなく絶えてしまったものもあります。ただ、広くは栽培されなかったものの、一部の愛好家の努力によって大切に保存され、現在に伝えられたものも少なくありません。

そこで、江戸時代以降の独創的な知識と技術を駆使してつくり上げられた伝統の朝顔を広く知っていただき、人と植物との関わりを見るべく、当館では1999年以降、歴史資料としてこれらの朝顔を展示してきました。

今回は、「朝顔の系統保存の歴史」をテーマとして、変化朝顔ブームの去った明治初期に小さな愛好会ができて、大輪から乱菊、出物へと人気が移っていった様子と、戦後に国立遺伝学研究所が各地の愛好会から様々な品種を収集した経緯、さらには同所が変化朝顔を栽培しなくなってから1990年代に九州大学で復活させて現在に至った状況をパネルで解説するとともに、九州大学から新たに寄贈を受けた変化朝顔を紹介します。

概要

くらしの植物苑内のハウス、東屋、よしず展示場に、当苑で栽培・育種した鉢植えの朝顔を展示します。なお、展示内容は以下のとおりです。

●変化朝顔 正木系48系統、出物系31系統
 ※歴博で2005年に発見された無弁花朝顔と新たに寄贈を受けた10系統を含みます。
●明治時代以降の大輪朝顔 30系統程度
●ヨーロッパ・北米産の近縁の朝顔 28系統程度

計約137系統、約700鉢を展示

関連の催し物

展示解説会のご案内

日時 7月28日(火) 11:00から
会場 くらしの植物苑

当展示プロジェクト委員による展示解説を行います。事前予約等は必要ございません。 詳細につきましては下記「このリリースに関するお問い合わせ」までお問合せください。

有償頒布のご案内

日時 6月27日(土)・7月25日(土)は9:30~13:30
7月28日(火)展示解説会当日は9:30~10:30に行います。
会場 くらしの植物苑
価格

1ポット310円~(税込)
* お一人様あたりの苗の数を制限させていただく場合があります。 
* 数量に限りがあります。品切れの節はご容赦ください。
* 別途、入苑料が必要となります。

* 植物苑内のみでの頒布となります。予約・取り置き・通販等は承っておりませんのでご了承ください。

くらしの植物苑観察会

※くらしの植物苑にて開催、事前申込み不要、要入苑料

第197回 「朝顔の系統保存の歴史」

講師 仁田坂 英二 (九州大学大学院)
日時 8月22日(土)10:00~

その他の催し物

企画展示

「ドイツと日本を結ぶもの-日独修好150年の歴史-」

7月7日(火)~ 9月6日(日)本館企画展示室にて開催
開館時間 9:30~17:00(最終入館16:30)
入場料 一般830円、高校生・大学生450円、中学生以下無料

第3展示室特集展示

「印籠」

7月28日(火)~ 8月30日(日)本館第3展示室副室にて開催
開館時間 9:30~17:00(最終入館16:30)
入場料 一般450円、高校生・大学生250円、中学生以下無料

第4展示室特集展示

「山の流行服」

開催中 ~ 9月6日(日)本館第4展示室副室にて開催
開館時間 9:30~17:00(最終入館16:30)
入場料 一般450円、高校生・大学生250円、中学生以下無料

歴博講演会

歴博講堂にて開催、13:00 ~ 15:00、入場無料、申込不要、先着順(定員260 名)

第379回「20世紀のドイツと東アジア」

7月11日(土) 田嶋 信雄(成城大学法学部 教授)

第380回「プロイセン東アジア遠征と幕末日本」

8月8日(土) 福岡 万里子(本館歴史研究系)

第381回「古墳とはなにか-大地に刻まれた心と社会-」

9月12日(土) 松木 武彦(本館考古研究系)

くらしの植物苑観察会

くらしの植物苑にて開催、13:30~15:30、事前申込不要、要入苑料

第196回観察会「ウリとヒョウタンの文化史」

7月25日(土) 辻 誠一郎(東京大学大学院)

第197回観察会「どんぐりを食べる」

9月26日(土) 島立 理子(千葉県立中央博物館)

広報用素材の提供について

ご希望の写真(データ)を送付いたしますので、各プレスリリースの写真番号をご連絡ください。e-mailでも結構です。問い合わせ先は下記の「このリリースに関するお問い合わせ」をご覧ください。

ご注意

  • 本図版の使用は、「平成27年度くらしの植物苑特別企画『伝統の朝顔』」広報に関するものに限ります。
  • 掲載に際しては、最小限でも「催事名」「会場」「会期」「掲載図版のキャプション」を明記していただくようお願いします。
  • 情報確認のため、校正紙(ウェブ上の場合は掲載URL)をお送り下さい。ウェブ上での掲載の場合は、画像サイズを200ピクセル以下・72dpi以下のサイズにしてください。
  • ご掲載いただいた場合は、お手数ですが掲載物をご送付ください。

以上の点に留意いただけない場合に発生したトラブルについて、本展主催者として一切の責任を負いかねますのでご注意ください。

青斑入桔梗渦蜻蛉葉白地赤吹掛絞桔梗咲
1)青斑入桔梗渦蜻蛉葉白地赤吹掛絞桔梗咲(あおふいりききょううずとんぼばしろじあかふっかけしぼりききょうざき)
葉は桔梗渦という遺伝子を持っていることで、肉厚になる。花は花弁の先がとがって桔梗のような花を咲かせるため、桔梗咲又は星咲と呼ばれている。
青打込堺渦柳葉青采咲牡丹
2)青水晶斑入弱渦柳葉淡藤爪覆輪采咲牡丹(あおすいしょうふいりじゃっかやなぎばあわふじつめふくりんさいざきぼたん)

葉が柳の葉のように細く、花はナデシコの花のように細く、先が細かく切れ込んでいる系統。武将が持つ采配に似ているところから、采咲と呼ばれている。

マルバアサガオ(紅髭咲き)
3)青蜻蛉丸笹葉無弁花牡丹(あおとんぼまるささばむべんかぼたん)
2005年に当館くらしの植物苑で発見された変異体で、花弁、雄しべ、雌しべを作る遺伝子の働きを失い、がくを作る遺伝子だけが働き、がくだけの花となったもの。
青渦顰葉渦小人紅筒白丸咲
4)青渦顰葉渦小人紅筒白丸咲(あおうずしかみばうずこびとべにつつじろまるざき)
葉は非常に硬く濃い緑色をしておりサボテンのようである。成長が非常に遅く伸びても20㎝前後にしかならない系統。
黄蝉葉栗皮茶丸咲大輪(団十郎)
5)黄蝉葉栗皮茶丸咲大輪(きせみばくりかわちゃまるざきたいりん)(団十郎)
葉は黄色の蝉葉で、花は柿ともいう茶系統の花色で、市川団十郎好みの色にちなんで団十郎と命名された。
黄斑入蝉葉青軸白地紅時雨絞咲分丸咲大輪(源平)
6)黄斑入蝉葉青軸白地紅時雨絞咲分丸咲大輪(きふいりせみばあおじくしろじべにしぐれしぼりさきわけまるざきたいりん)(源平)
花模様が白地に有色の扇形部(セクター)、条班、斑点が生じる。有色部のあらわれかたによって、時雨絞、染分け、咲分けとなる大輪系統。
松島鍬形葉白地紫時雨絞咲分丸咲(咲き分け)
7)黄縮緬立田葉白筒紅車咲牡丹(きちりめんたつたばしろつつべにくるまざきぼたん)
葉は五つに大きく裂け、さらに細くなってよじれる。花は「縮緬」に「立田」が入って車咲となり、中央に筒の台ができる。さらにこれに牡丹変異が入り、花弁が吹き上がるような咲き方をする。
青笹葉黒鳩切石畳咲
8)青笹葉黒鳩切石畳咲(あおささばくろばときれいしだたみざき)
曜という花弁の脈の間が深く切れ込んで、開化後時間がたつとそれぞれの花弁が内側に折り畳まれる。ただしきれいに折り畳まれることは少なく、内側に巻き込まれるようになるのが普通である。
ソライロアサガオ(ヘブンリーブルー)
9)青斑入孔雀葉石化青丸咲(あおふいりくじゃくばせっかあおまるさき)
石化または帯化と呼ばれる変異で、茎の先端の生長点が線状に形成されるため、茎がリボンのように幅広くなり、茎は枝分かれしません。花は一か所に群がって咲き、房咲と呼ばれる。
黄握爪龍葉紫総風鈴獅子咲牡丹
10)黄握爪龍葉紫総風鈴獅子咲牡丹(きにぎりつめりょうばむらさきそうふうりんししざきぼたん)
株全体がうねり、葉は表面が見えなくなるほど強く内側に抱え込み、爪龍葉または掬水葉と呼ばれる。花弁の先端は折り返して管状になり、形が似ていることから風鈴に形容される。

変化朝顔の名称

江戸時代に育まれた園芸植物の中で、変化朝顔には特異な名称がつけられています。第一次ブーム(文化・文政期)の番付表にはその走りが見られますが、第二次ブーム(嘉永・安政期)に基本ができあがります。それは葉の色、模様・質・形、茎の形、花の色・模様・花弁・咲き方・花弁の重ねを順番に記述し、必要に応じて付加してゆく命名法で、現在の遺伝学から見ても非常に理にかなったものです。

たとえば「青水晶斑入弱渦柳葉淡藤爪覆輪采咲牡丹」を見てみましょう。まず始めに、葉についての記述です。青(葉の色)・水晶斑入(模様)・弱渦(質)・柳葉(形)に分解できますが、これは青葉の水晶斑入で、「渦」と「柳」の突然変異が入った葉であることを示しています。次に、花についての記述です。葉の記述と同様に、淡藤(花の色)・爪覆輪(模様)・采咲牡丹(咲き方)に分解できますが、淡藤の地に覆輪が入った花色で、撫子のような花弁で、采咲という細かく切れた咲き方であることを示しています。

このリリースに関するお問い合わせ

人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 博物館事業課
広報サービス室広報係 松澤・小林・尾高

〒285-8502千葉県佐倉市城内町117番地
TEL 043-486-0123(代)  FAX 043-486-4482
E-mail:koho@ml.rekihaku.ac.jp