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開催概要関連の催し物その他の催し物広報用素材の提供について問い合わせ先

謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素より、本館の運営等につきましては、格別のご配慮を賜り、厚くお礼申し上げます。

朝顔は、奈良時代に中国大陸より薬として日本列島に伝えられました。江戸時代以降になると都市の園芸文化の隆盛のなかで、一つのブームとなるほど、人々に親しまれる花になりました。さらに朝顔が突然変異を起こしやすいことから、葉と花の多様な変化や組み合わせを楽しむ変化朝顔が作り出され、富裕層の間でもてはやされるようになります。

当館では、この変化朝顔をくらしの植物苑で1999年より展示してきました。今年度の企画も、これまでと同様の目的をもつものです。また今回は、「朝顔の彩(いろどり)」をテーマに、さまざまな色や模様の種類を示す典型的な実物資料の展示とそれらの分類方法や遺伝子のメカニズムについて解説したパネルの展示をおこないます。つきましては、この展示開催を貴媒体にてぜひ多くの方々にご紹介くださいますようお願い申し上げます。

謹白

開催概要

くらしの植物苑特別企画「伝統の朝顔」
開催期間2014年7月29日 (火)~9月15日(月祝)
開催期間 2014年7月29日 (火)~9月15日(月祝)
会場 国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑
料金 個人(高校生以上) 100円 
団体(20名以上) 50円 
※小中学生は入苑無料です。 
※毎週土曜日は高校生は入苑無料です。
開苑時間 9時30分~16時30分 (入苑は16時00分まで) 
※なお、8月11日(月)~17日(日)は8時30分から開苑いたします。
※開花の特性上、午前中の早い時間が見ごろです。
休苑日 8月4日(月)、18日(月)、25日(月)、9月1日(月)、8日(月)
※8月11日(月)は開苑いたします。
主催 国立歴史民俗博物館

趣旨

朝顔は古くから多くの人々に親しまれてきました。特に江戸時代以降になると、文化・文政・天保期,嘉永・安政期、明治・大正期など、繰り返し朝顔ブームが訪れ、そのたびに葉と花の多様な変化や組み合わせを楽しむ変化朝顔がつくり出されてきました。これは今日の遺伝学でいう突然変異を見つけ出し、系統として確立するという、世界的に見ても特異なもので、特に幕末頃にはきわめて多くの品種がつくり出されていたようです。しかし、それらの中には、残念ながら華やかな大輪朝顔の人気に圧倒されて、あまり知られることなく絶えてしまったものもあります。ただ、広くは栽培されなかったものの、一部の愛好家の努力によって大切に保存され、現在に伝えられたものも少なくありません。

そこで、江戸時代以降の独創的な知識と技術を駆使してつくり上げられた伝統の朝顔を広く知っていただき、人と植物との関わりを見るべく、当館では1999年以降、歴史資料としてこれらの朝顔を展示してきました。今年度の企画も、これまでと同様の目的をもつものです。また今回は、「朝顔の彩(いろどり)」をテーマとして、さまざまな色や模様の種類を示す典型的な実物資料に焦点を当てた展示をするとともに、それらの分類方法を整理したパネルと遺伝子のメカニズムについて解説したパネルの展示を行います。

展示構成

くらしの植物苑内のハウス、東屋、よしず展示場に、当苑で栽培・育種した鉢植えの朝顔を展示します。

なお、展示内容は以下のとおりです。

●変化朝顔 正木系54系統,出物系28系統
●明治時代以降の大輪朝顔 32系統程度
●ヨーロッパ・北米産の近縁の朝顔 15系統程度

計 129系統

関連の催し物

展示解説会のご案内

日時 7月29日(火) 11:00から
会場 くらしの植物苑

当展示プロジェクト委員による展示解説を行います。事前予約等は必要ございません。 詳細につきましては下記「このリリースに関するお問い合わせ」までお問合せください。

有償頒布のご案内

日時 6月28日(土)・7月26日(土)は9:30 ~13:30
7月29日(火)展示解説会当日は9:30~10:30に行います。
会場 くらしの植物苑
価格 1ポット310円~(税込)
* お一人様あたりの苗の数を制限させていただく場合があります。 
* 数量に限りがあります。品切れの節はご容赦ください。
* 別途、入苑料が必要となります。

くらしの植物苑観察会

※くらしの植物苑にて開催、事前申込み不要、要入苑料

第185回 「朝顔の彩(いろどり)」

講師 仁田坂 英二 (九州大学大学院)
日時 8月23日(土)10:00~

その他の催し物

企画展示

「弥生ってなに?!」

7月15日(火)~ 9月15日(月祝) 本館企画展示室にて開催

第3展示室特集展示

「江戸図屏風と行列」

8月5日(火)~ 9月15日(月祝) 本館第3展示室副室にて開催

第4展示室特集展示

「中国・四国地方の荒神信仰-いざなぎ流・比婆荒神神楽-」

7月23日(水)~2015年1月12日(月祝)本館第4展示室副室にて開催

歴博講演会

歴博講堂にて開催、13:00 ~ 15:00、入場無料、申込不要、先着順(定員260 名)

第367回「暦と伝承」

7月12日(土) 小池 淳一(本館民俗研究系)

第368回「弥生ってなに?!」

8月9日(土) 藤尾 慎一郎(本館考古研究系)

第369回「近年行ったデジタル展示について」

9月13日(土) 鈴木 卓治(本館情報資料研究系)

くらしの植物苑観察会

くらしの植物苑にて開催、事前申込不要、要入苑料

第184回観察会「コメと水」

7月26日(火)13:30~15:30 西谷 大(本館考古研究系)
本館企画展示「弥生ってなに?!」関連

広報用素材の提供について

ご希望の写真(データ)を送付いたしますので、各プレスリリースの写真番号をご連絡ください。e-mailでも結構です。問い合わせ先は下記の「このリリースに関するお問い合わせ」をご覧ください。

ご注意

  • 本図版の使用は、「平成26年度くらしの植物苑特別企画『伝統の朝顔』」広報に関するものに限ります。
  • 掲載に際しては、最小限でも「催事名」「会場」「会期」「掲載図版のキャプション」を明記していただくようお願いします。
  • 情報確認のため、校正紙(ウェブ上の場合は掲載URL)をお送り下さい。ウェブ上での掲載の場合は、画像サイズを200ピクセル以下・72dpi以下のサイズにしてください。
  • ご掲載いただいた場合は、お手数ですが掲載物をご送付ください。

以上の点に留意いただけない場合に発生したトラブルについて、本展主催者として一切の責任を負いかねますのでご注意ください。

青斑入桔梗渦蜻蛉葉白地赤吹掛絞桔梗咲
1)青斑入桔梗渦蜻蛉葉白地赤吹掛絞桔梗咲(あおふいりききょううずとんぼばしろじあかふっかけしぼりききょうざき)
葉は桔梗渦という遺伝子を持っていることで、肉厚になる。花は花弁の先がとがって桔梗のような花を咲かせるため、桔梗咲又は星咲と呼ばれている。
青打込堺渦柳葉青采咲牡丹
2)青水晶斑入弱渦柳葉淡藤爪覆輪采咲牡丹(あおすいしょうふいりじゃっかやなぎばあわふじつめふくりんさいざきぼたん)
葉は柳の葉のように細くなり、「渦」が入ることによって肉厚で硬くなる。花弁はナデシコの花のように細く、先が細かくなる。武将が持つ采配に似た咲き方になるので、采咲と呼ぶ。
青笹葉黒鳩切石畳咲
3)青笹葉黒鳩切石畳咲(あおささばくろばときれいしだたみざき)
曜の間が深く切れ込んで、開化後時間がたつとそれぞれの花弁が内側に折り畳まれる。ただしきれいに折り畳まれることは少なく、内側に巻き込まれるようになるのが普通である。
青渦顰葉渦小人紅筒白丸咲
4)青渦顰葉渦小人紅筒白丸咲(あおうずしかみばうずこびとべにつつじろまるざき)
葉は非常に硬く濃い緑色をしておりサボテンのようである。成長が非常に遅く伸びても20㎝前後にしかならない系統。
松島鍬形葉白地紫時雨絞咲分丸咲(咲き分け)
5)松島鍬形葉白地紫時雨絞咲分丸咲(まつしまくわがたばしろじむらさきしぐれしぼりさきわけまるざき)(咲き分け)
葉模様が黄葉に緑色の斑点が生じる松島葉と言い、花模様は時雨絞、染分け、咲分けとなる系統。
黄斑入蝉葉青軸白地紅時雨絞咲分丸咲大輪(源平)
6)黄斑入蝉葉青軸白地紅時雨絞咲分丸咲大輪(きふいりせみばあおじくしろじべにしぐれしぼりさきわけまるざきたいりん)(源平)
花模様が白地に有色の扇形部(セクター)、条班、斑点が生じる。有色部のあらわれかたによって、時雨絞、染分け、咲分けとなる大輪系統。
黄蝉葉栗皮茶丸咲大輪(団十郎)
7)黄蝉葉栗皮茶丸咲大輪(きせみばくりかわちゃまるざきたいりん)(団十郎)
葉は黄色の蝉葉で、花は柿ともいう茶系統の花色で、市川団十郎好みの色にちなんで団十郎と命名された。
黄握爪龍葉紫総風鈴獅子咲牡丹
8)黄握爪龍葉紫総風鈴獅子咲牡丹(きにぎりつめりゅうばむらさきそうふうりんししざきぼたん)
株全体がうねり、葉は表面が見えなくなるほど強く内側に抱え込み、爪龍葉又は掬水葉と呼ばれ、花は風鈴と呼ばれる管状の花弁の先端が折り返したものを持つ系統。
マルバアサガオ(紅髭咲き)
9)マルバアサガオ(紅髭咲き)
マルバアサガオはメキシコ原産と言われ、アサガオの近縁種である。葉は丸葉で、この系統は花が髭咲きと言う花弁の外側に付属弁が付く咲き方である。
ソライロアサガオ(ヘブンリーブルー)
10)フライングソーサー
ソライロアサガオは、ヒルガオ科の一年草で、メキシコ原産である。主な園芸品に青色無地のヘブンリーブルー、白色のパーリーゲートなどがある。フライングソーサーは絞り模様が特徴。

変化朝顔の名称

江戸時代に育まれた園芸植物の中で、変化朝顔には特異な名称がつけられています。第一次ブーム(文化・文政期)の番付表にはその走りが見られますが、第二次ブーム(嘉永・安政期)に基本ができあがります。それは葉の色、模様・質・形、茎の形、花の色・模様・花弁・咲き方・花弁の重ねを順番に記述し、必要に応じて付加してゆく命名法で、現在の遺伝学から見ても非常に理にかなったものです。

たとえば「青水晶斑入弱渦柳葉淡藤爪覆輪采咲牡丹」を見てみましょう。まず始めに、葉についての記述です。青(葉の色)・水晶斑入(模様)・弱渦(質)・柳葉(形)に分解できますが、これは青葉の水晶斑入で、「渦」と「柳」の突然変異が入った葉であることを示しています。次に、花についての記述です。葉の記述と同様に、淡藤(花の色)・爪覆輪(模様)・采咲牡丹(咲き方)に分解できますが、淡藤の地に覆輪が入った花色で、撫子のような花弁で、采咲という細かく切れた咲き方であることを示しています。

このリリースに関するお問い合わせ

人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 博物館事業課
広報サービス室広報係 横尾・小林・尾高

〒285-8502千葉県佐倉市城内町117番地 
TEL 043-486-0123(代)  FAX 043-486-4482
E-mail:koho@ml.rekihaku.ac.jp