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「錦絵はいかにつくられたか」
開催要項

| 開催期間 | 2009年2月24日(火)~5月6日(水) |
|---|---|
| 会場 | 国立歴史民俗博物館 企画展示室A |
| 料金 | 一般 830円 (560円) 高校・大学生 450円 (250円) 小・中学生 無料 *( )内は20名以上の団体料金 ※常設展もあわせてご覧になれます。 ※毎週土曜日は、高校生の入館が無料です。 |
| 開館時間 | 2月28日まで:9時30分~16時30分(入館は16時00分まで) 3月1日から:9時30分~17時00分(入館は16時30分まで) |
| 休館日 | 毎週月曜日 (月曜日が祝日の場合は翌日)3月2日(月)・9日(月)・16日(月)・23日(月)・30日(月)・4月6日(月)・13日(月)・20日(月) |
| 主催 | 国立歴史民俗博物館 |
謹啓 時下益々ご清祥のことと、お慶び申し上げます。平素より、当館の運営等につきましては、格別のご配慮を賜り、厚くお礼申し上げます。
当館では2月24日より、平成20年度企画展示『錦絵はいかにつくられたか』を開催します。当館では昨年度に新発見の錦絵の版木を345枚入手しました。錦絵の版木はきわめて遺存しにくいため、質量ともに世界最大級の錦絵版木コレクションとなっています。今回の企画展示ではそれらの一部を錦絵とともに展示し、錦絵の成り立ちについて‘流通’‘世相’‘技術’の各面から考察します。
また、科学的手法を用いて錦絵の絵の具を分析したり、完全に彫り上げられたものの出版されることがなかった版木を三次元形状計測の技術を駆使して再現します。
当館の研究成果についてご理解いただき、当館へのより一層のご支援をいただけたらと存じます。つきましては、この展示開催を貴媒体にてぜひ多くの方々にご紹介くださいますようお願い申し上げます。
敬具
趣旨
この企画展示は、多色摺浮世絵版画の一形態で、一般にもっとも馴染みのある錦絵が、どのようにして生み出されたのかを、錦絵をとりまく社会状況や世相の面からアプローチするとともに、昨年度購入した錦絵の版木をもとに、錦絵を生み出した技術的側面を、彫摺技法および絵の具の科学的分析をもとに考察するものです。つまり、錦絵の鑑賞に重きをおく美術展ではなく、‘流通’と‘世相’さらに‘技術’に焦点を当てて、江戸時代末期の錦絵について考えるものです。
展示構成
第一部 絵双紙屋(えぞうしや)
錦絵が江戸時代末期、どのような形で販売され流通していたかを、絵双紙店を描いた錦絵や版本、あるいは絵双紙屋の引札などを通して多角的に提示します。
1.絵双紙屋の店頭から
錦絵は絵双紙屋と呼ばれる店で市販されていました。このコーナーでは幕末の錦絵販売の様子を詳しく描いた三代歌川豊国画の錦絵「今様見立士農工商(いまようみたてしのうこうしょう) 商人(しょうにん)」を核に、江戸末期の絵双紙屋の店頭における商品傾向や、販売の実態にせまります。
2.芝神明前(しばしんめいまえ)
芝の飯倉神明宮(いいくらしんめいぐう)(通称、芝神明)の門前は、江戸でも屈指の盛り場でしたが、とくに錦絵を商う絵双紙屋が数多く軒を連ねていたことで有名です。このコーナーでは、名所図会や錦絵など、さまざまな画像を用いて、絵双紙屋のメッカであった芝神明前について提示します。
主な展示資料
三代歌川豊国画「今様見立士農工商(いまようみたてしのうこうしょう) 商人(しょうにん)」、「懐溜諸屑(ふところにたまるもろくず)」(以上、当館蔵)
第二部 錦絵出版事情
『藤岡屋日記』や曲亭馬琴(きょくていばきん)の書簡などには、江戸末期の世相とそれに関係した錦絵出版の記事が豊富に見出されます。当館が所蔵する錦絵の中からそうした記事に対応するものをさがしだし、どのような社会状況のもとで錦絵が生み出されたのかを考えます。
1.世相と錦絵
錦絵は江戸の町の流行を映し出す鏡でした。このコーナーでは、歌舞伎や、見世物・開帳などの流行は、版元にとっては錦絵を売り出す商機でもありました。人気役者の死に際して出された「死絵(しにえ)」や、人々の関心を集めた小金原における幕府の鹿狩を描く錦絵など、江戸市中での評判や流行が錦絵を生み出した要因となったことを提示します。
2.風刺画の流行
天保の改革のさなかに売り出された歌川国芳の3枚続錦絵「源頼光公館土蜘作妖怪図(みなもとのよりみつこうやかたつちぐもようかいをなすず)」は、改革を風刺したとの噂がたち、大評判となりました。この錦絵を契機として、以後幕末まで風刺画が数多くつくられます。このコーナーでは、幕末の風刺画の流行と、「源頼光公館土蜘作妖怪図」が幕末錦絵の画面構成に与えた影響について提示します。
主な展示資料
「怪談・妖怪コレクション」より歌舞伎役者の死絵各種、歌川貞秀画「富士の裾野巻狩之図」、歌川国芳画「源頼光公館土蜘作妖怪図(みなもとのよりみつこうやかたつちぐもようかいをなすず)」(以上、当館蔵)
第三部 版木から見る錦絵
当館は昨年度、歌川国芳、三代歌川豊国、歌川広重の錦絵の版木を大量に枚入手し、「歌川派錦絵版木」と名付けました。345枚という量はまとまった錦絵の版木として世界最大であり、かつ、輪郭線等を摺る主版(墨版)だけではなく、通常残ることがきわめて稀であるとされる色版(色摺部分の版木)も豊富に残っているという点で、もきわめて貴重な資料です。この版木群の一部をもちいて、江戸末期の錦絵の彫りと摺りの技術をじっくりとご覧いただきます。また、版木に対応する錦絵も並べて展示します。
主な展示資料
「歌川派錦絵版木」より、国芳画「源氏雲浮世画合(げんじぐもうきよえあわせ) 幻」、国芳画「鏗鏘手練鍛(さえたてのうちきたひ)の名刃(わざもの) 阿波(あわ)の十郎兵衛(じゅうろうべえ)」、広重画「英雄五人傑(えいゆうごにんおとこ) 吉岡兼房(よしおかけんぼう)」ほか(以上、当館蔵)
第四部 科学の目で見る錦絵
当館では、自然科学の分析手法を用いて歴史資料を研究し、あるいは最新の情報工学を駆使した画像を基に展示を構成することを行ってきました。今回は、ラマンイメージング装置による顔料分析や、デジタル技術を用いての錦絵の再現などを行います。
1.ラマンで見る錦絵の色
ラマンイメージング装置は、単色光源であるレーザー光を用いて、非接触・非破壊で物質の構造同定を行う装置です。科学技術振興機構(JST)革新技術開発研究事業(「 文化財測定用携帯型ラマンイメージング・顕微赤外分光装置の開発研究」平成17-19年度)の 助成を受け、当館、埼玉大学、エス・ティ・ジャパンの協力により、文化財用に小型化した装置を開発・製作しました。今回はその装置を用いて行っている錦絵の色材研究の一部を提示します。
2.まぼろしの錦絵再現
「歌川派錦絵版木」の中には、版木は完全に彫り上げられたものの、なんらかの事情で出版されなかった国芳の「御庭の飼鳥」があります。三次元形状計測の技術を駆使してこの「御庭の飼鳥」の版木の画像をデジタル処理し、いまでは見ることのできない摺り上がった状態の再現を試みます。
3.錦絵デジタル・ギャラリー
当館が所蔵する「錦絵コレクション」のほとんどを高精度でデジタル画像化して取り込んだシステムで、拡大も縮小も自在、細かい彫りの線や紙のすき目まで見える画像をお楽しみいただけます。
主な展示資料
携帯型ラマンイメージング装置、「歌川派錦絵版木」より、三代豊国画「東海道(とうかいどう)五十三対(ごじゅうさんつい) 鳴海(なるみ)」、国芳画「御庭の飼鳥」ほか(以上、当館蔵)
展示についてのお問い合わせ電話番号
ハローダイヤル:03-5777-8600 (8時00分から22時00分まで)
内覧会のご案内
2月23日(月) 13時30分~ (13時00分より受付)
国立歴史民俗博物館 ガイダンスルーム・企画展示室にて開催
当展示プロジェクト委員による展示解説を行います。
詳細につきましては下記「このリリースに関するお問い合わせ」までお問合せください。
関連催事
歴博講演会
各回共通
| 会場 | 歴博講堂 |
|---|---|
| 備考 | 14時00分~16時00分、入場無料、当日先着順に受付、定員260名 |
第303回「錦絵の流通」
| 日時 | 3月14日(土) |
|---|---|
| 講師 | 大久保 純一(当館情報資料研究系) |
第304回「伊勢市の版木に見る錦絵の彫と摺」
| 日時 | 4月11日(土) |
|---|---|
| 講師 | 岩切 友里子(国際浮世絵学会編集員) |
錦絵の重ね摺り体験
錦絵の多色刷原理を簡易に再現した樹脂製の版を用意し、色摺りを体験していただく予定です。実施の際は、詳細が決まり次第当館HP上にてお知らせいたします。
ギャラリートーク
会期中の土曜日を中心に数回実施予定です。実施の際は、詳細が決まり次第当館HP上にてお知らせいたします。
印刷物
展示図録、展示解説シート、ポスター・チラシ、入場券・招待券
※図録及び販売物についてのお問い合わせ
財団法人 歴史民俗博物館振興会
電話043-486-8011(9時30分から17時00分まで)
E-mail:shop@rekishin.or.jp
その他の催事ご案内
歴博映画の会
歴博講演会
各回共通
| 会場 | 歴博講堂 |
|---|---|
| 備考 | 14時00分~16時00分、入場無料、当日先着順に受付、定員260名 |
第302回「中世考古学が語る町・村・山の職人たち」
| 日時 | 2月14日(土) |
|---|---|
| 講師 | 小野 正敏(当館副館長) |
第303回「錦絵の流通」
| 日時 | 3月14日(土) |
|---|---|
| 講師 | 大久保 純一(当館情報資料研究系) |
第304回「伊勢市の版木に見る錦絵の彫と摺」
| 日時 | 4月11日(土) |
|---|---|
| 講師 | 岩切 友里子(国際浮世絵学会編集員) |
歴博探検
各回共通
| 時間 | 午前11時00分~午後12時30分 |
|---|---|
| 備考 | 小学校高学年~中学生対象 (保護者の方も参加できます)、ガイダンスルームにて開催、要事前申込、参加費無料、定員20名 |
「沖縄の自然と歌」
| 日時 | 2月14日(土) |
|---|---|
| 講師 | 内田 順子(当館民俗研究系) |
「季節行事の由来」
| 日時 | 3月14日(土) |
|---|---|
| 講師 | 新谷 尚紀(当館民俗研究系) |
くらしの植物苑観察会
各回共通
| 場所 | くらしの植物苑 |
|---|---|
| 備考 | 13時30分から(8月23日は10時から)、事前申込不要、要入苑料 |
第119回観察会「木の文化~ブナの林と木地屋の世界」
| 日時 | 2月28日(土) |
|---|---|
| 講師 | 中川 重年(当館客員教授) |
第120回観察会「くらしの植物苑と木の利用」
| 日時 | 3月28日(土) |
|---|---|
| 講師 | 中川 重年(当館客員教授) |
次回の企画展示・ミニ企画展示
企画展示
「建築文化からみた東アジアと日本(仮)」
平成21年6月30日(火)~8月30日(日) 開催予定
※同企画展示の準備状況や、前提となる「東アジアの伝統建築」についての情報をご覧いただけます。
【第3展示室ミニ企画展示】
「和宮ゆかりの雛かざり」
平成21年2月10日(火)~3月8日(日)
「目で見る江戸の料理文化」
平成21年4月14日(火)~5月31日(日)
【くらしの植物苑特別企画】
「木の文化~ブナの林と木地屋の世界」
平成21年2月10日(火)~3月29日(日)
「伝統の桜草」
平成21年4月14日(火)~5月6日(水・祝)
広報用写真一覧
ご希望の写真(データ)を送付いたしますので、各プレスリリースの写真番号をご連絡ください。e-mailでも結構です。問い合わせ先はリリース本文「このリリースに関するお問い合わせ」をご覧ください。
【ご注意】
- 本図版の使用は、平成20年度企画展示『錦絵はいかにつくられたか』の広報に関するものに限ります。
- 掲載に際しては、最小限でも「催事名」「会場」「会期」「掲載図版のキャプション」を明記していただくようお願いします。
- 情報確認のため、校正紙(ウェブ上の場合は掲載URL)をお送り下さい。ウェブ上での掲載の場合は、画像サイズを400ピクセル以下・72dpi以下のサイズにしてください。
- ご掲載いただいた場合は、お手数ですが掲載物をご送付ください。
以上の点に留意いただけない場合に発生したトラブルについて、本展主催者として一切の責任を負いかねますのでご注意ください。
錦絵はいかにつくられたか
第一部 絵双紙屋
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1) 今様見立士農工商(いまようみたてしのうこうしょう) 商人(しょうにん) (三代歌川豊国:当館蔵) |
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1)-2 今様見立士農工商 商人 (部分) (当館蔵) |
2) 大日本物産図会(だいにっぽんぶっさんずえ) 東京錦絵製造之図(とうきょうにしきえせいぞうのず) (三代歌川広重:当館蔵) |
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第二部 錦絵出版事情
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3) 源頼光公館土蜘作妖怪図(みなもとのよりみつこうやかたつちぐもようかいをなすず) (歌川国芳:当館蔵) |
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3)-2 源頼光館土蜘作妖怪図 (部分) (当館蔵) |
4) 坂東しうか死絵 (当館蔵) |
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5) 富士の裾野巻狩之図 (歌川貞秀:当館蔵) |
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第三部 版木から見る錦絵
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6) 鏗鏘手練鍛(さえたてのうちきたひ)の名刃(わざもの) 阿波(あわ)の十郎兵衛(じゅうろうべえ) (歌川国芳:当館蔵) |
6)-2 鏗鏘手練鍛の名刃 阿波の十郎兵衛 (版木と錦絵) (歌川国芳:当館蔵) |
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7) 時世朝桜 (三代歌川豊国:当館蔵) |
8) 源氏雲浮世画合(げんじくもうきよえあわせ) 幻 仁木直則 (歌川国芳:当館蔵) |
第四部 科学の目で見る錦絵
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9) 東海道五十三対(とうかいどうごじゅうさんつい) 鳴海(なるみ) (版木) (当館蔵) |
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9)-2 東海道五十三対 鳴海 (三代歌川豊国:当館蔵) |
10) ラマンイメージング装置 |
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※内容は変更する場合があります。ご了承ください。
このリリースに関するお問い合せ
人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 博物館事業課
広報サービス室広報係 横尾・島田・中村
〒285-8502千葉県佐倉市城内町117番地
TEL 043-486-0123(代)/6488(直) FAX 043-486-4482
E-mail:koho@ml.rekihaku.ac.jp




































