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「旅-江戸の旅から鉄道旅行へ-」

開催要項

開催期間 2008年7月1日(火)~8月31日(日)
会場 国立歴史民俗博物館 企画展示室 A・B
料金 一般 830円 (560円)
高校・大学生 450円 (250円)
小・中学生 無料
*( )内は20名以上の団体料金
※常設展もあわせてご覧になれます。
※毎週土曜日は、高校生の入館が無料です。
開館時間 9時30分~17時00分 (入館は16時30分まで)
休館日 7月7日(月)・14日(月)・22日(火)・28日(月) ・8月4日(月)・18日(月)・25日(月)
主催 国立歴史民俗博物館

謹啓 時下益々ご清祥のことと、お慶び申し上げます。平素より、当館の運営等につきましては、 格別のご配慮を賜り、厚くお礼申し上げます。 当館では7月1日より、平成20年度企画展示『旅-江戸の旅から鉄道旅行へ-』を開催します。 当館の研究成果についてご理解いただき、当館へのより一層のご支援をいただけたらと存じます。 つきましては、この展示開催を貴媒体にてぜひ多くの方々にご紹介くださいますようお願い申し 上げます。

趣旨

現代の観光旅行のルーツは近世に求めることができます。近世の旅は伊勢参宮に代表される寺社参詣が目的でしたが、旅は街道も楽しみの場であり、各地の都市を中心に多様な旅行地が成立しました。例えていうならば、旅の行程すべてが壮大なアミューズメントパークでした。

鉄道旅行により、アミューズメントパークは崩壊しますが、都市周辺には新しい旅行地が多数成立し、また、短時日のうちにより遠くへの旅行も可能になりました。一方、移動手段である鉄道に乗ることも楽しみとなり、鉄道趣味へと発展していきます。鉄道旅行が当然のことになると、旧道回顧も盛んになり、画家を中心に旧道旅行も行われ、現在の旧道歩きに引き継がれています。

今回は道中記・街道絵図や旅行案内書などを中心に展示しますが、本展示により、新しい旅行の在り方を模索していただきたいと思います。

展示構成

プロローグ

今、旅行は百花繚乱。格安旅行から豪華旅行そして海外旅行も当然の時代になりました。江戸時代の寺社参詣などの旅は庶民が主役であり、数名から数十名が一団となって行われるのが特長でした。

近代にはいり、東海道線が全線開通すると鉄道旅行の時代がはじまります。座ったまま目的地に行けるようになったため、道中でよりみちする楽しみはなくなりました。その代わり、目的地により速く、より遠くへの旅行が可能になりました。また、鉄道の発達により江戸時代にはなかった保養やレジャー旅行も行われるようになりました。旅行は時代を追うごとに多様化していきますが、基本的なあり方や行動様式は今もなお江戸時代の旅とあまり変わらないのではないでしょうか。

第1部 旅の時代

本展示では徒歩による移動の時代を「旅」としました。庶民が主役となって、寺社参詣など行楽の旅が盛んに行われるようになったのは江戸時代に入ってからのことです。一つでも多くのものを見物し、時には羽目を外して遊ぶ江戸時代の旅は、庶民にとって地域共同体からの一時的解放であり、また地域に多くの情報をもたすものでもありました。

江戸時代に旅が盛んになったとはいっても、数泊の旅でさえ誰もが行けるというものではありませんでした。そのため旅に行くということになれば、往路と復路の異なる周遊ルートで少しでも多くの寺社や名所・旧跡をみて回ったのです。例えば東北や北関東方面からの伊勢参宮をみると、出発地からまず江戸を目指し、それより東海道沿いの名所を見物して伊勢神宮に参拝します。それより畿内を見物しますが、熊野に出て西国三十三カ所巡りをしながら各地を見学するというものと、奈良・吉野・高野山・大阪そして京都に出るものが代表的なもので、どのコースでも四国の金比羅に参詣している場合がよく見られます。いずれも復路は中山道を通り、洗馬から善光寺を経て帰村しています。旅の周遊コースは多彩な見物対象と、辛いこと、危険なことも詰め込まれた壮大なアミューズメントパークだったのです。

主な展示物
東海道名物(レプリカ)(豊橋市二川宿本陣資料館蔵)
東海道・中山道・甲州街道図屏風(複製)(当館蔵)
東海道路行之図(当館蔵)

観光地江戸と京
江戸時代における最大の観光地は江戸でした。見学対象は寺社が多かったのですが、旅人が江戸に求めたのは都会のにぎわいであり、権威の対象としての江戸の姿でした。京見物は寺社巡りや公家の屋敷見物で、御所は江戸城とは異なり年中行事を間近に見学できるなど、かなり開かれていたようです。

主な展示物
江戸名所之絵(当館蔵)

旅の記録
数日の短い旅では記録を残すことは少ないですが、長期の旅ともなれば文字を書ける人たちは旅日記を記しました。旅日記といっても小遣い帳や旅程・宿泊地を記したものから、詳細に旅の様子を書き留めたものまで千差万別です。旅日記は友人や子孫など人に読まれることを前提として書かれているものがほとんどで、旅中羽目を外して遊んだことなどは記されず、書かれたことだけをみると誰もが品行方正な旅をしている事になってしまいます。そうでもないことは当時書かれた「東海道中膝栗毛」やその模倣本などを読むとわかります。

今回展示する「ぬさぶくろ」は江戸後期に撫草庵寛雲という人物によって書かれた「但馬旅行」の浄書本です。「ぬさぶくろ(幣袋)」とは道中安全のお守りのことで、記録には名所・旧跡の故事来歴を始め、各地での見聞や旅中の出来事を詳しく記し、上手くはありませんが絵も挿入されています。

主な展示物
ぬさぶくろ(個人蔵)
膝栗毛面白草子(東海道中膝栗毛の模倣本)(個人蔵)

第2部 旅行の時代

鉄道が発達すると徒歩の旅は姿を消し「旅行」の時代になり、壮大なアミューズメントパークは崩壊しました。しかしそれまで数泊を要した場所も日帰りから1〜2泊の旅行圏となり、都市近郊に新たな観光地が生まれるようになりました。鉄道旅行で、旅行者は座ったまま目的地に到着することができるようになりました。車中での飲食は道中の茶店と同じ楽しみです。団体旅行もかなり早い時期から行われていました。鉄道旅行については、江戸時代以来の旅の趣や文学的趣味がなくなったとする風潮もありましたが、鉄道が橋梁などを通ることにより、従来みることができなかった風景を眺めることができるようになりました。文学的趣味がないといわれた鉄道旅行もやがて文学の素材として重要な位置を占めるようになっていきます。旅行は教育の場でもあり、明治期にはすでに修学旅行が学校教育に取り入れられて盛んに行われました。「車窓」からの案内書も出版されていますが、多くの旅行者にとって車中はリラックスできる場でした。

日帰りや短期の旅行が可能になると、寺社などの「見物」が中心だった観光のほかに、温泉旅行・ハイキング・登山・スキー・海水浴・避暑旅行といった保養のための旅行が盛んになってきました。また、より遠くへの旅が可能になったことにより、新しい観光地が生まれていきました。

主な展示物
東海道鉄道名所案内(個人蔵)
日本鉄道線路道中図(個人蔵)
日本名勝写生紀行(個人蔵)
中沢弘光風景版画(個人蔵)
内国旅行日本名所図会(個人蔵)
日本名勝地誌(個人蔵)
初三郎外鳥瞰図30点(個人蔵)
駅舎改札口付近の復原(会場入口を駅舎とする)

観光地東京と京都
 江戸時代は江戸と京が2大観光地でしたが、旅行の時代になり東京と京都に名称が変わってもそれは変わることはありません。東京の観光地はほとんど明治以降の新しいもので、例えばバスによる観光の場合、皇居周辺・靖国神社・浅草などをはじめ、国会議事堂などの官公庁や銀座のデパートなどの時代の最先端を行く建造物を巡りました。

京都の観光地は江戸時代同様寺社を中心としていますが、京都市内から遠く離れた観光地を巡ることは少なくなり、江戸時代にはあまり多くの人が訪れなかった金閣寺や銀閣寺が観光の定番となっています。また、明治5年に造られた新京極が明治中期には繁華街になり、修学旅行や観光旅行に欠かせないコースとなりました。同時に江戸時代にはほとんど登場しなかった舞妓が観光宣伝の前面に登場するようになります。

主な展示物
東京名所図絵(当館蔵)

旧道旅行 
鉄道による旅行が一般化すると、若者たちは好奇心を満たすために、無銭徒歩旅行をはじめました。現在のバックパッカーの前身のようなものです。さらに画家を中心とした人々も旧道旅行をしています。

鉄道の高速化が進むにつれ、ゆっくり旅行をしたいということで各駅停車の旅行も行われています。鉄道や自動車による移動があまりにも発達したため、再び徒歩による旧道旅行も行われるようになりました。

主な展示物
東海道パノラマ地図(個人蔵)
山陽道パノラマ地図(個人蔵)
東海道五十三次漫画絵巻(個人蔵)

エピローグ

時代を追うごとに旅行は盛んになり、今では1年に何回も旅行に出かける人も沢山います。旅行の目的は多様化し、ビル自体が複合施設として観光対象にもなっています。それだけではなく、移動の手段であった鉄道そのものが旅行の目的と化し、鉄道旅行を楽しむために旅行をするようにもなりました。その代表の一つが豪華夜行列車の旅行です。さらに好みの鉄道に乗ることを目的とした旅行も行われています。

鉄道が旅行と切り離されて、鉄道模型をはじめとするさまざまな鉄道趣味が行われるようにもなっています。

主な展示物
改札方制服(鉄道博物館)
ヘッドマーク(鉄道博物館)
行き先表示板(鉄道博物館)
新橋停車場写真(逓信総合博物館)
鉄道模型<OJゲージ、HOゲージ>(個人蔵)

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関連催事

ミニSLの運行

ミニSLの乗車体験イベントをおこないます。

会場 2008年8月2日(土)、3日(日)
10時00分~12時00分、13時00分~16時00分
備考 芝生広場 (雨天中止。また、1日(金)が雨天の場合はスケジュールの変更があります。)
料金 無料(※整理券を配布いたします)

千葉県立船橋高校鐵道研究部による鉄道模型(Nゲージ)の運行

日時 7月20日(日)、27日(日)
8月2日(土)、3日(日)、10日(日)、17日(日)、24日(日)、31日(日)
10時半以降から1時間間隔で1回15分程度 予定
※メンテナンス等により、運行時間が変更となる場合があります。
会場 エントランスホール

明治5年、新橋・横浜間に鉄道が敷設され、同22年には東海道線が全線開通いたしました。鉄道は輸送手段として導入されましたが、旅行者にとっては鉄道に乗ること自体が目的でもありました。明治5年、新橋-横浜が開通すると、旅行者には新しい遊具にでも乗るような感覚で、鉄道に乗車しています。 鉄道を楽しむことは、次第に鉄道趣味へと発展し、鉄道模型の製作が日本でも行われるようになり、今日に至っています。ミニSLの運行・鉄道模型(Nゲージ)の運行は、こうした鉄道趣味の象徴として実施するものです。
千葉県立船橋高等学校鐵道(てつどう)研究部は県内有数の鐵道研究部で、同好会から数えて39年の歴史があります。鉄道模型の運行を千葉県立船橋高等学校鐵道研究部に依頼するのは、当館の展示に高校生を参加させることにより、当館を身近に感じてもらうこと、当館に関心を持ってもらうことを目的としています。

歴博フォーラム

詳細はこちらを参照のこと

ギャラリートーク

実施の際は、詳細は追って当館HP上などで紹介いたします。

歴博講演会

各回共通

会場 歴博講堂にて開催
時間 14時00分~16時00分
備考 入場無料、当日先着順に受付、定員260名

[1]第294回「旅から旅行へ」

日程 6月14日(土)
講師 山本光正(当館歴史研究系)

[2]第295回「女たちの伊勢参り」

日時 7月12日(土)
講師 山本志乃(旅の文化研究所)

[3]第296回「『伝統の朝顔』展10年のあゆみ」

日時 8月9日(土)
講師 仁田坂英二(九州大学大学院)、平野恵(文京ふるさと歴史館)、岩淵令治(当館歴史研究系)

歴博探検

各回共通

時間 午前11時00分~午後12時30分
対象 小学校高学年~中学生(保護者の方も参加できます)
備考 ガイダンスルームにて開催、要事前申込、参加費無料、定員20名

「旅から旅行へ」

日時 7月12日(土)
講師 山本光正(当館歴史研究系)

「町のくらしと朝顔」

日時 8月 9日(土)
講師 岩淵令治(当館歴史研究系)

「佐倉連隊の跡を歩く」

日時 9月13日(土)
講師 樋口雄彦(当館歴史研究系)

くらしの植物苑観察会

各回共通

会場 くらしの植物苑
時間 開催午後1時30分~(8月23日は午前10時00分~)
備考 事前申込不要、要入苑料

第111回観察会「梅雨の植物」

日時 6月28日(土)
講師 中川重年

第112回観察会「植物で染める」

日時 平成19年2月10日(土)
講師 加藤國男

第113回観察会「伝統の朝顔展の舞台裏」

日時 8月23日(土)
講師 辻圭子

図録のご案内

「旅-江戸の旅から鉄道旅行へ-」 1,300円(税込) 送料340円

◎入手については、財団法人 歴史民俗博物館振興会へお問い合わせください。
電話043-486-8011

次回の企画展示・ミニ企画展示

企画展示「[染]と[織]の肖像-日本と韓国・守り伝えられた染織品-」

10月15日(水)~11月30日(日)

ミニ企画展示 「第3展示室 紀州徳川家伝来の楽器-笙-」

10月7日(水)~12月7日(日)


●メンテナンスのお知らせ

2008年6月3日(火)から6月15日(日)まで、メンテナンスのため第4展示室を閉室いたします。

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広報用写真一覧

ご希望の写真(データ)を送付いたしますので、各プレスリリースの写真番号をご連絡ください。e-mailでも結構です。問い合わせ先はリリース本文「このリリースに関するお問い合わせ」をご覧ください。


【ご注意】

  • 本図版の使用は、平成20年度企画展示『旅-江戸の旅から鉄道旅行へ-』の広報に関するものに限ります。
  • 掲載に際しては、最小限でも「催事名」「会場」「会期」「掲載図版のキャプション」を明記していただくようお願いします。「本館蔵」は「国立歴史民俗博物館蔵」となります。
  • 情報確認のため、校正紙(ウェブ上の場合は掲載URL)をお送り下さい。ウェブ上での掲載の場合は、画像サイズを400ピクセル以下・72dpi以下のサイズにしてください。
  • ご掲載いただいた場合は、お手数ですが掲載物をご送付ください。

以上の点に留意いただけない場合に発生したトラブルについて、本展主催者として一切の責任を負いかねますのでご注意ください。

旅-江戸の旅から鉄道旅行へ-

 

1) ぬさぶくろ

湯島(現兵庫県城崎町)の温泉
(個人蔵)

 

2) 膝栗毛面白草紙(東海道中膝栗毛の模倣本)

嘉永4年 (個人蔵)

 

3) 東海道名物 川崎宿の奈良茶飯(レプリカ)

(豊橋市二川宿本陣資料館蔵)

 

4)-1 東海道路行之図

(当館蔵)
江戸から京都までの道程にそって地名や藩主名が記載されています

 

4)-2 東海道路行之図<部分>

(当館蔵)
江戸城近辺の様子です。

 

4)-2 東海道路行之図<部分>

(当館蔵)
京都御所や二条城近辺の様子です。

 

5)-1 再刻江戸名所之絵

(当館蔵)

 

5)-2 再刻江戸名所之絵<部分>

(当館蔵)
富士山を背に、四谷、赤坂、麻布など現在でも使われている地名を見ることができます。

 

5)-3 再刻江戸名所之絵<部分>

(当館蔵)
現在、観光地となっているお台場はまだ建造されたばかりで、外国船が停泊しています。

 

6) 東海道パノラマ地図

(個人蔵)

 

7) 高輪海岸鉄道の図

明治14年 (当館蔵)

 

8) 小湊鉄道パンフレット

昭和30年代 (小湊鉄道株式会社)

   

9) 東海道懐古帳

浜松駅金剛院観音 (当館蔵)

   

※内容は変更する場合があります。ご了承ください。

このリリースに関するお問い合せ
人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 博物館事業課
広報サービス室広報係 飛留間・山本・坂本

〒285-8502千葉県佐倉市城内町117番地
TEL 043-486-0123(代)/6488(直)  FAX 043-486-4482
E-mail:koho@ml.rekihaku.ac.jp