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「弥生はいつから!?-年代研究の最前線-」

開催要項

開催期間 2007年7月3日(火)~9月2日(日)
会場 国立歴史民俗博物館 企画展示室
料金 一般 830円 (560円)
小・中学生 250円 (130円)
高校・大学生 450円 (250円)
*( )内は20名以上の団体料金
※常設展もあわせてご覧になれます。
開館時間 9時30分~17時00分 (入館は16時30分まで)
休館日 7月9日(月)・17日(火)・23日(月)・30日(月)・8月6日(月)・20日(月)・27日(月)
主催 国立歴史民俗博物館

謹啓 時下益々ご清祥のこと、お慶び申し上げます。平素より、当館の運営等につきましては、格別のご配慮を賜り、厚くお礼申し上げます。
当館では、7月3日から夏休みにかけ、企画展示「弥生はいつから!? -年代研究の最前線-」を開催いたします。
当館がこれまで進めてきた年代研究によって、縄文・弥生時代の年代観が大きく変わりつつあります。本展示ではまず、年代を決めるためのさまざまな方法を紹介し、次に最新の方法により新しい年代観にどのように到達したかを具体的な資料をまじえて示します。加えて体験型映像や資料観察なども用意し、展示をご覧いただくだけでなく参加することにより、年代研究への理解を深めていただきたいと考えております。
なお、本展示は科学研究費補助金(学術創成研究費)「弥生農耕の起源と東アジア-炭素年代測定による高精度編年体系の構築-」の研究成果の一部となります。
当館の研究成果についてご理解いただき、当館へのより一層のご支援をいただけたらと存じます。 つきましては、この展示開催を貴媒体にてぜひ多くの方々にご紹介くださいますようお願い申し上げます。

趣旨

国立歴史民俗博物館では平成15年度に、弥生時代の始まりが従来考えられてきた前5~4世紀ではなく、約500年さかのぼった前10~9世紀である可能性が高いことを発表しました。それからも考古学や自然科学のさまざまな手法による年代研究を続けてきており、その結果、縄文・弥生時代の年代観が大きく変わりつつあります。
本展示では、私たちがどのように新しい年代観に到達したのかを、具体的な資料をもとに示します。九州北部・四国・近畿・東北地方などで、採集や狩猟を中心に続いた縄文文化が水田稲作を中心とする弥生文化へと移り変わっていった様子を紹介します。水田稲作農業は、長期的な計画のもとに共同で作業を行うという、現代につながる社会のあり方をはぐくんだ技術システムです。日本列島におけるその始まりと広がりについて、当時の東アジア情勢とも関連させつつ、最新の研究成果を現在進行形で示します。

展示構成

時間の化石-弥生の年代を追う-

水田稲作はいつ、どのように始まったのでしょうか。弥生文化は列島内でどのように広がっていったのでしょうか。この問いに答えるためには、水田稲作がもたらされた場所と年代を特定し、時間軸に沿った研究を進めることが必要です。時間という世界共通のモノサシにもとづき、新しい年代観による弥生文化を世界史年表の中に位置づけます。

年代測定の方法

年代を明らかにするためのさまざまな研究方法を紹介します。自然科学の立場からは、樹木の年輪を用いた年輪年代法と宇宙地球科学と関わりの深い炭素14年代法、考古学の立場からは甕(かめ)棺(かん)や青銅器による年代決定、土器型式による広域編年を具体的に示します。

縄文から弥生へ

弥生文化とはいつごろの、どのような文化で、縄文文化と比べてどんな変化があったのでしょう。本展示ではまず弥生のイメージを観覧者に理解して頂くため、弥生時代前期から古墳時代前期まで継続した大規模な環濠(かんごう)集落遺跡である奈良県唐古(からこ)・鍵(かぎ)遺跡を紹介します。次いで年代測定の結果を踏まえ、九州北部への水田稲作の伝播と日本列島各地の弥生文化の始まりを、各地の遺跡とともに示していきます。
弥生時代の新しい年代観はまた、弥生文化の新しい解釈を迫るものです。「東西交流」をテーマとした展示では、西日本の弥生文化と東日本の縄文文化とが互いに交流を持っていたことを示します。九州北部には弥生系の人々の土器である板付(いたづけ)系土器、東北には縄文系の人々の土器である亀ヶ岡(かめがおか)式土器が分布しています。亀ヶ岡式の土器は前9~8世紀の奄美から四国にかけて点々と分布します。九州の縄文や韓国には今のところルーツを求めることができない弥生土器の文様は、亀ヶ岡式の影響を受けていると考えられます。
弥生時代の金属器の話題も、展示のテーマとして取り上げます。これまで弥生時代には最初の頃から鉄器が存在すると考えられてきました。ところが遺物の再検討の結果,弥生早期・前期は鉄器が存在しない石器時代であり,鉄器の出現は前4世紀の弥生中期以降であることが分かってきました。それらは戦国時代の中国で鋳造された鉄器の再加工品でした。  日本列島における縄文文化から弥生文化への移行は、弥生早期・前期を合わせ400年から600年にもわたる長期の過程でした。展示では、弥生文化が、渡来系の人々や縄文系の人々、また東と西の交流により、各地で多様に展開していったことを紹介します。

体験しよう!年代研究

本展示の最後では、国立歴史民俗博物館が取り組んでいる年代研究の紹介ビデオを上映します。また、年代研究の一端を実際に体験して頂けるよう、さまざまなコーナーを設けました。ぜひご参加ください。 体験型映像コンテンツ「縄文人,弥生人の気持ちになろう」では、縄文・弥生の景色を背景に、それぞれの時代の文物を手にした観覧者の姿が大画面の中に現れます。また、実際に炭素14年代測定の対象となる資料を、顕微鏡で観察できるコーナーもあります。 会期中の8日間、奈良文化財研究所の講師による年輪年代法の体験教室が開かれます。小学校高学年から中学生の5名程度を対象とした、1時間の体験教室です。

講師 大河内隆之(奈良文化財研究所)
日程 7月:15日(日)・16日(月・祝)・28日(土)・29日(日) 8月:11日(土)・12日(日)・25日(土)・26日(日)

おもな展示資料

森林総合研究所:屋久杉年輪ディスク
奈良文化財研究所,国立歴史民俗博物館:年代測定関連機器
佐賀県吉野ケ里遺跡:鉄器
福岡県雀居(ささい)遺跡,板付(いたづけ)遺跡:土器,木製品,漆製品
高知県田村遺跡:土器,石製品,漆製品
大阪府池上曽根(いけがみそね)遺跡:柱材
奈良県唐古・鍵遺跡:土器,木製品
神奈川県中屋敷遺跡:植物遺体
青森県砂沢(すなざわ)遺跡,是川中居(これかわなかい)遺跡:土器,弥生前期のコメ,石刀(重要文化財)

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関連催事

歴博講演会

各回共通

会場 歴博講堂
備考 入場無料、当日先着順に受付、定員260名

第283回「年代測定法はどこまで進んだか-プレシジョン・デーティングへの挑戦-」

日時 平成19年4月29日(日)13:30~15:30
講師 今村峯雄(本館情報資料研究系)

第284回「九州~瀬戸内における弥生稲作の開始年代」

日時 2007年8月11日(土) 13時30分~15時30分
場所 藤尾慎一郎(本館考古研究系)

ギャラリートーク

企画展示室において展示解説を、会期中の土・日曜日に予定しています。詳細は決まり次第、 当館ホームページに公開します(「弥生はいつから!?」展の観覧料が必要となります)。

歴博探検

11時~12時30分、小学校高学年~中学生対象(保護者の方も参加できます)、入館無料、 定員20名

7月14日(土)「弥生の年代をしらべよう!」藤尾慎一郎(本館考古研究系)
8月11日(土)「縄文の年代をしらべよう!」小林謙一(本館考古研究系)
9月1日(土)「炭素14をみつけよう!」坂本稔(本館情報資料研究系)

※図録のご案内
「弥生はいつから!?-年代研究の最前線-」 ※完売しました。

次回展のご案内

本館:企画展示「長岡京遷都 -桓武と激動の時代-」

会期 2007年10月10日(水)~12月2日(日)

くらしの植物苑:くらしの植物苑特別企画「伝統の古典菊」

会期 2007年10月30日(火)~12月2日(日)

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広報用写真一覧

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【ご注意】

  • 本図版の使用は平成19年度企画展示「弥生はいつから!?」広報に関するものに限ります。
  • 掲載に際しては、最小限でも「催事名」「会場」「会期」「掲載図版のキャプション」を明記していただくようお願いします。
  • 情報確認のため、校正紙(ウェブ上の場合は掲載URL)をお送り下さい。ウェブ上での掲載の場合は、画像サイズを400ピクセル以下・72dpi以下のサイズにしてください。
  • ご掲載いただいた場合は、お手数ですが掲載物をご送付ください。

以上の点に留意いただけない場合に発生したトラブルについて、本展主催者として一切の責任を負いかねますのでご注意ください。

弥生はいつから!?-年代研究の最前線-

 

1) 愛媛県大久保遺跡:鋳造鉄斧(てっぷ)片

前4世紀 愛媛県埋蔵文化財調査センター
時期が確実な弥生時代の鉄器の中でもっとも古いものの一つです。戦国時代の中国東北部にあった燕(えん)という国で作られた鋳鉄製の斧の破損品を削り、刃を作り出してノミや小刀として使われていました。

 

2) 山形県:縄文晩期~弥生移行期の土器

山形県埋蔵文化財センター
山形県内には、縄文晩期から中期にかけての、存続期間が短い、小規模な遺跡が多く見つかっており、それらの土器付着物の年代を測定した結果、縄文時代晩期から弥生時代中期中ごろまでの実年代が、詳しく推定できるようになりました。

 

3) 佐賀県増田遺跡:多鈕細文(たちゅうさいもん)鏡

前4世紀 佐賀市教育委員会
弥生中期初頭の甕棺に副葬されていた韓国製の鏡です。径は10cm前後で中国の鏡に比べると小ぶりです。鈕が複数あること、幾何学的な文様をもつことから、多鈕細文鏡とよばれています。

 

4) 佐賀県梅白(うめしろ)遺跡:木製の農具

前9世紀 佐賀市教育委員会
水田を耕すクワという農具で、あなの部分に柄を通し、田んぼに振り下ろして使います。刃の幅が広い鍬や、二股や三つ叉に先が分かれたものがあるため、弥生時代の当初から水田の土の状態に応じて種類を使い分けていたことがわかります。

 

5) 福岡県板付(いたづけ)遺跡:最古の水田に伴う弥生土器

前10世紀 福岡市埋蔵文化財センター
夜臼(ゆうす)Ⅰ式と呼ばれる最古の弥生土器。縄文時代から存在した調理用のカメや盛りつけ用の鉢や浅鉢に、種モミを貯える韓国系のツボが加わったセットからなります。

 

6) 福岡県橋本一丁田(いっちょうだ)遺跡: もっとも古い炭素14年代測定した弥生土器

前10世紀  福岡市埋蔵文化財センター
真上からみると平面が方形なので方形浅鉢と呼ばれています。口縁部の外面に着いたススを炭素14年代法で測定したところ、前10世紀後半ごろに相当する年代が得られました。

 

7) 高知県田村遺跡:高知最古の弥生土器

前8世紀 高知県埋蔵文化財センター
現状では九州を除く西日本でもっとも古い弥生土器です。高さが50cmを超える大形のツボを持ち、弥生化した突帯文系カメが加わるのが最大の特徴です。

 

8) 福岡県東入部(ひがしいるべ)遺跡:細型銅剣

前4世紀 福岡市埋蔵文化財センター
前7~6世紀に韓国で成立した青銅器で、人を殺傷する武器です。前4世紀になると九州北部のお墓に葬されるようになります。この銅剣は中期前葉の甕棺に副葬されていました。

 

9) 青森県是川中居遺跡:石刀

重要文化財 八戸市教育委員会
東北から北海道地方の縄文時代晩期には、石棒・石剣などお祭りに用いたと考えられる道具が多く出土します。石刀は内側に刃がみられ、柄の部分に入組文様やX字状の文様装飾を施す特殊なもので、武器形祭祀具として、西日本の影響が考えられるものです。

 

10) 奈良県唐古・鍵遺跡復元図

田原本(たわらもと)町教育委員会
唐古・鍵に作られていた弥生の集落は、中期には周囲に多重の環濠をめぐらせる大規模な村に発達しました。環濠内部の居住域は14㌶、環濠帯を合わせた面積は約42㌶に及びます

このリリースに関するお問い合せ

人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 博物館事業課
広報サービス室広報係 飛留間・山本・坂本

〒285-8502千葉県佐倉市城内町117番地
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