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企画展「日本の神々と祭り −神社とは何か?−」

開催要項

開催期間 2006年3月21日(火)~5月7日(日)
会場 国立歴史民俗博物館 企画展示室
料金 一般 \830 (\560)
小・中学生 \250 (\130)
高校・大学生 \450 (\250)
*( )内は20名以上の団体料金
開館時間 9時30分~17時00分 (入館は16時30分まで)
休館日 毎週月曜日
(ただし、5/1は開館)
主催 国立歴史民俗博物館
特別協力 島根県古代文化センター (島根県立古代出雲歴史博物館)

趣旨

「多様な文化・多様な機能」

古代以来、時代ごとの大きな変化を経ながら現代まで伝存継承されてきた、日本の古い神社には高い文化的・学術的価値があり、日本文化研究の上からも重要な位置を占めています。
私たちは、神社を信仰や宗教という精神的な面で貴重な歴史的文化的施設とみると同時に、その立地や環境から環境保存機能や公園的機能、自然動植物園的機能、また建築構造物の維持の上では建築・工芸の技能保存伝承機能、豊富な収蔵品類からは美術館・博物館・資料館・図書館などの諸機能、伝統的な祭礼からは儀礼や芸能の保存伝承機能、さらには観光資源としての機能など、きわめて多面的な機能を有する豊かな文化的有機的な構造物とみる視点に立って、共同研究(2000年度~)を試みてきました。

展示構成

「研究を真に迫る展示へ」

今回の企画展示では、日本の古い神社のうち、とくに4つの神社に注目してみました。
まず、神社の始原について考えてみたいと思いました。国譲り神話など記紀の古代神話に登場し、日本の代表的な神社と位置づけられている出雲大社を中心とした出雲世界の紹介を行います。
次に、神社の有する美術工芸品の保存伝承機能に注目して、古い神社に伝来しているご神宝の世界の紹介を行います。平清盛の篤い信仰をあつめて、寝殿造の建築様式を今日まで伝えるとともに、海上交通の要衝に立地し、歴史上多くの神社が衰亡する南北朝期や戦国期などにおいても社殿を維持して、多くの奉納品を保存し、貴重な文化財として今日まで伝えてきている典型的な神社として厳島神社の紹介を行います。
また、20年に1度の遷宮を守り伝えている伊勢神宮に伝えられている一連のご神宝を紹介し、ご神宝とは何か、狭義と広義の両面から考えてみたいと思います。
そして、古代都市の代表である平安京における疫病や怨霊を鎮める信仰を基盤として、貴族から庶民に至るまで幅広い神仏習合の信仰と華麗な都市祭礼の歴史を長く蓄積している典型的な例として祇園八坂神社と祇園祭の紹介を行います。そのなかで、神事と祭礼の関係について考えてみたいと思います。

古代からつながる「まつり」・出雲大社

第1室の【古代の出雲の世界】では、有名な国宝の荒神谷(こうじんだに)遺跡出土の銅剣、国指定の重要文化財(以下、重文)の加茂岩倉(かもいわくら)遺跡出土の銅鐸がお迎えします。古代の美・神秘性を感じていただき、神社建築の登場より前の「まつり」の源流へ誘います。また最近の発掘で新聞各紙をにぎわせた青木遺跡の「神像」など、現地以外では初公開となる品々を集めました。

【古代の神社と神話】では、神話と出雲の神社に伝わるのつながりについて解説します。

【出雲大社とその歴史】では、出雲大社遺跡の出土品や神事国宝秋野鹿蒔絵手箱(あきのしかまきえてばこ)によって、神話の世界から今へとつながる出雲大社へとご案内します。中央には近年発掘された巨大柱を再現し、その時々の資料と復元例の模型により、建築をめぐる現在の研究状況を示します。

【出雲信仰の広がり】では、縁結びなど人々に広まった出雲信仰について解説します。

海上に現れた平安絵巻・厳島神社

海上に建つ厳島神社の社殿
(中国新聞社提供)

第2室の【社殿建築】では、仁治2年(1241)の海上に建つ社殿群を精巧に模型で再現しました。その海に建つ優美な姿・広大さを実感ください。こうした姿は平清盛により陸地を海に切り開き、海面ぎりぎりに社殿を配置して、最大限に美しさを引き出したものでした。
次に、現存最古の玉殿、佐々井厳島神社玉殿(ささいいつくしまじんじゃぎょくでん)をご紹介します。鎌倉時代の建築で大変古く、通常は神社の本殿内にあり公開されることのない貴重なものです。一方、玉殿を納める形式の原型、厳島神社には海上に建つ社殿維持の舞台裏の苦労も多く、それら(虫食いの柱根)も展示します。

【平家納経】では、千年近くも保存され続けてきた、世界で最も美しい装飾経である国宝平家納経をじっくりとご堪能ください。

【奉納武具】には、国宝小桜韋黄返威鎧(こざくらがわきがえしおどしよろい)や重文の太刀、弓、矢など武士の美をご用意しました。ここでは奉納された武具と実用品の違いを解説します。

【奉納絵馬】【祭礼と芸能】【参詣と庶民信仰】では、後世に文化を伝える場としての神社と見物の対象となった橋弁慶図(はしべんけいず)の絵馬や大杓子などの観光文化について紹介します。

【特別コーナー】
伊勢神宮の神宝を設け、神宝として納められていたものを紹介し詳しく解説します。

都の信仰と華麗な祭り・祇園八坂神社

八坂神社

第3室の【祇園社の歴史と信仰】では、まず重文の洛中洛外図屏風によって京都の華やかさと町の中で祇園社のしめる「位置」を見ていただきます。

【祇園社の歴史】【祇園社と植生景観】では、景観・建築・信仰などを読み解く上での重要な資料となる重文の祇園社境内絵図を展示し、祇園社の景観を形成する植生の変化からわかる意外な意味を読み解きます。

【祇園社の神事祭礼】では、祭礼を屏風で見ていただくとともに、全容を紹介します。

【都市祭礼としての祇園祭】では、山や鉾に吊られる重文の鶏鉾見返(とりぼこみかえし)や鯉山見返などの華麗な織物の飾り、鉾の先の鉾頭、鉾に乗る稚児人形、豪華な飾金物、巨大な鉾の車輪などを集め、中央には山と鉾、全32基をパネルで山鉾巡行を再現し、祭りの盛りあがりや華やかさなど町衆の祭りにかける思いをお伝えします。
最後に祇園祭を源流とする、全国各地の祭りを選んで紹介し、神々と祭りを身近なものと感じていただきたいと思います。

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広報用写真一覧

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出雲大社関連

1) 出雲大社

2) 真名井遺跡出土銅戈および翡翠勾玉

重要文化財/弥生時代/出雲大社蔵
寛文5年(1665)、出雲大社の東方約200mの命主社背後の大石の下から出土。弥生時代の青銅器埋納遺跡(墳墓を除く)で、青銅器が玉類と一緒に出土した国内唯一の例である。

3) 加茂岩倉遺跡出土銅鐸

重要文化財/弥生時代中期/文化庁蔵
今までの銅鐸発見数を超える、史上最多の39個の銅鐸が平成8年(1996)に発見された。すべてが入れ子状態で埋納されていたと考えられる。主文様は流水文と袈裟襷(けさだすき)文であるが、動物や顔などの絵画が鋳出されたものや、「×」印を印刻した例が確認されている。
写真は23号銅鐸、高47.5㎝。

4) 巨大柱の発見

出雲大社境内遺跡

厳島神社関連

5) 海上に建つ厳島神社の社殿

(中国新聞社提供)

6) 厳島神社

重要文化財/(中国新聞社提供)

7) 平家納経

国宝/長寛2年(1164)/厳島神社蔵
平清盛が平家の繁栄を祈って発願し、その一門が結縁して、長寛2年(1164)に厳島神社に奉納した三十三巻の経巻である。表紙・見返し・料紙・発装金具・題簽・紐・軸にいたるまで細やかな神経が注がれ、真摯な信仰と美意識が融合して成立した。写真は序品第一の表紙。

8) 小桜韋黄返威鎧

国宝/厳島神社蔵
現存最古の大鎧の遺品のひとつであり、12世紀末以前の製作と考えられる。中世前期の大鎧の定型とは異なる特徴的な部分が多く、それが古様さの現れと考えられている。胴高65.5cm

伊勢神宮関連

9) 玉纏太刀

(皇大神宮御料)/伊勢神宮蔵
儀仗(儀式用)の「たち」は錺剱(かざりたち)という。本遺品は、錺剱のうちで最も整った様式(如法(じょぼう)錺剱)の様式を踏襲し、それに特有の装飾が施されている。

10) 黒漆高機

(豊受大神(とようけのおおみかみ)宮御料)/伊勢神宮蔵
織機は本来地機といって足のない構造で、それに足がついて一段高くなったのが高機である。
本遺品は木製黒漆塗地に唐花文の銀平文を施し、雛形だが大型で実物と違わぬ精巧な製作であり、5式の経糸を掛け、縹の緯糸で錦を織りかけの状態に表現している。

11) やなぐい

(矢・皆具)(多賀宮御料)/伊勢神宮蔵
矢の容器で、方立とよぶ箱に鏃を入れ、背後に立ち上がった背板で矢を支える構造である。

12) 白馬形

(豊受大神宮御料)/伊勢神宮蔵
馬形は彫馬ともいう馬の模型である。古墳時代に馬形埴輪があるように、馬や馬形を信仰の対象に奉ることは古くからの宗教的慣習であり、やがて絵馬へと代わった。

八坂神社関連

13) 八坂神社

14) 祗園祭(山鉾)

15) 祗園社絵図(祗園社境内絵図)

重要文化財/元徳3年(1331)/八坂神社蔵
祇園社(現、八坂神社)の本殿をほぼ中央に配置し、境内を描いた絵図。建築や植物など詳しく描かれており、植生景観や建築などを読み解く上での重要な資料である。

 

16) 洛中洛外図屏風(歴博乙本)左隻

16) 洛中洛外図屏風(歴博乙本)右隻

六曲一双/重要文化財/本館蔵
右隻には清水寺や銀閣寺など東山の名所、京都御所や山鉾が巡行する祇園会(祇園祭)の様子など京都東部の景観が描かれている。