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平成17年度 企画展示



開催期間:2005年6月14日(火)〜7月31日(日)  国立歴史民俗博物館
2005年8月12日〜9月25日  東北歴史博物館
2005年10月8日〜11月27日  新潟県立歴史博物館
開館時間:午前9時30分〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
入館料:通常料金(常設展と共通)
休館日:毎週月曜日
 (ただし、祝日の場合は開館し、翌日が休館となります)

はじめに

 縄文時代の遺跡は、普通、海岸に面した丘の上や川に面する段丘の上で見つかります。そこには、竪穴住居の跡や墓地が発掘されてきました。土器や石器も多く出土します。貝塚が見つかれば、タイやスズキなどの魚類やキジ・カモなどの鳥類、シカやイノシシ・ウサギなどの獣類の骨が含まれているので、それらが食料となったことが分かります。衣食住のうち食料と住居はある程度まで推測できるのですが、衣類についてはほとんど分かりません。繊維製品が腐蝕して残っていないからです。また、クリやトチ・クルミなども植物性の食べ物も残りにくいのでどのくらい食べていたのかよく分かりません。また、住居についても、木材が残っていないので、住居の構造が分かりません。
 ところが、川や沼・湖の傍で遺跡が発見されると、水に浸かっていたために繊維や木材が保存されている場合があります。空気にさらされないので酸化せずに残っていたのです。以前は、このような低湿地遺跡の発掘は余り行われなかったのですが、最近は各地で縄文時代の低湿地遺跡が発掘されるようになりました。

展示の目的

 そこで、この展示では最近発掘された新潟県青田(あおた)遺跡や東京都東村山市下宅部(しもやけべ)遺跡・青森県八戸市是川中居(これかわなかい)遺跡などを取りあげて、縄文時代の生活の実態に迫ってみようと思います。この展示を企画したきっかけは、平成13年から15年まで実施した歴博の共同研究『縄文・弥生農耕の環境への影響』です。この共同研究では、縄文時代の植物利用や弥生時代の栽培植物を考えていました。その研究の途中で、新潟県青田遺跡の発見がありました。また、東京都東村山市下宅部遺跡で弓矢や編物が大量に出土しました。また、新潟県分谷地(わけやち)A遺跡で見事な漆塗り容器や赤い糸玉が見つかり、八戸市の是川中居遺跡でも新たな漆製品が続々と見つかるようになり、縄文文化の新しい側面が見えてきました。そこで、これらの新しい資料を集めて、縄文文化の再発見をしてみたいと思いました。

主な展示品

 まず、新潟県青田遺跡です。新潟平野の海岸近くにある遺跡で、このような場所で発見されるとは思いませんでした。現在は標高0mですが、縄文晩期当時は標高数メートルで、川の傍にあったため、家の柱が残っていました。柱をむすぶと六角形になり、これまでほとんど知られていない家のプランです。この柱の配置でどのような平面プランの住居が建っていたのか、また、高床式住居か平地式住居かも分かっていません。
 展示品は、青田遺跡の丸木舟や木製品、下宅部遺跡の弓矢と籠などの繊維製品、分谷地A遺跡の漆塗り容器、是川中居遺跡の木製品や樹皮製品などです。日常の生活に用いる石斧の柄・木製容器・木製堀具などの発掘品を中心です。
 今回特に注目されるのは赤と黒の漆塗り水差しや赤漆塗りの糸玉・装飾された木製容器などです。新潟県黒川村出土の黒漆塗りの木製水差しには、クルミの殻の細片やニワトコなど十数種の種子類がびっしりと詰まった状態で出土しました。果実酒とは考えられない内容であることから薬か調味料を作っていたのではないかと推測しています。赤漆塗りの糸は、最近よく発見されることから、縄文人が好んで用いていたことが分ってきました。しかし、漆を塗って乾燥した後に結んだり丸く糸玉にしていることに驚いています。なぜなら、乾燥すれば硬くなる漆に柔軟性を持たせることは、現在では忘れられた技術だからです。歴博ではベンガラを焼いたり、歴博のくらしの植物苑で栽培したカラムシで糸を作ったりして、縄文人の糸玉の技術に挑戦していますが、縄文人の技術の高さが窺われます。
 また、是川中居遺跡で出土した樹皮製容器は、樹皮を曲げて縫い合わせて蓋付きの大きな丸い箱にしたもので、これまであまり知られていない木製品でした。表面に土器と同様の雲形文様が漆塗りで描かれていました。
 さらに、各地で出土している水場遺構をレプリカやビデオで展示します。最後のコーナーでは青田遺跡や是川中居遺跡・下宅部遺跡の発掘状況を映像で紹介します。
 なお、この展示は東北歴史博物館と新潟県立歴史博物館との共同開催ですので、それらの博物館でもご覧になることができます。



新潟県青田遺跡 朱漆塗り木製容器
(分谷地A遺跡)
木胎鉢 赤漆塗り糸玉
(青田遺跡)
耳飾り・糸玉出土状態

関連行事

● 歴博フォーラム  *参加には事前の申し込みが必要です
   第50回 「水辺と森と縄文人」
    日時:6月18日(土) 13:30〜16:30
    会場:歴博講堂

● 歴博講演会
   第259回 「縄文時代の低湿地遺跡にみる漆文化」
    講師:永嶋正春 (当館情報資料研究系)
    日時:7月9日(土) 13:30〜
    会場:歴博講堂

● ギャラリートーク
   午後2時から約1時間程度、企画展示室入り口集合
   日程:6月19日(日)・25日(土)・26日(日)
       7月2日(土)・3日(日)・10日(日)・16日(土)・17日(日)・23日(土)・24日(日)・30日(土)

● 「縄文の編み物に挑戦しよう」 コースター作り
   午後3時から、第2企画展示室にて
   日程:6月25日(土)
       7月2日(土)・16日(土)・23日(土)・30日(土)





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